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1月から放送が始まったアニメ『HIGH CARD season2』、1月29日に千穐楽を迎えた舞台『HIGH CARD the STAGE - CRACK A HAND』で、軟派な男で世渡り上手なクリス・レッドグレイヴを演じる、増田俊樹さん(アニメ)&丘山晴己さん(舞台)に『HIGH CARD』の魅力を語っていただきました。
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https://numan.tokyo/feature/zs80ygqz/
INDEX
――2023年1月から放送されたTVアニメ。2024年1月にはseason2の放送が開始しました。2期と同時期に舞台公演がありますが『HIGH CARD』という作品の魅力とは?
増田俊樹(以下、増田):
誰でも楽しめる作品ではありますが、大人になって分かる「こういうことってあるよね」という場面が散りばめられていて。すごくシンプルなストーリーなんですけど、いろんな人がいろんな角度から楽しめるところが作品の良さだと思います。抽象的な表現が多い印象がありますが、説明不足なわけではなくて。
しっかりと見ていれば気づけるファクターが散りばめられているので、1期を作り上げる下地になっていたんじゃないかと思います。役者としても楽しんで演じられました。
丘山晴己(以下、丘山):
最初に見たときは、スタイリッシュなイメージを受けました。こういうスタイリッシュな感じを2.5次元の舞台で表すことってあまりないんです。必死になって戦っているよりも、スタイリッシュさを見せていくことが作品のテーマにあると、また見え方も変わってくるんだろうなと思いました。立ち姿でさえ楽しいというか、身体の表現が変わってくるのが楽しみです。
あとは、僕が演じるクリスはまっすー(増田俊樹)がアニメでやっているということで、知り合いが声を担当したキャラクターを演じさせていただくのは初めてなので、すごく嬉しかったです。
増田:
なかなかないよね。
丘山:
ないない。それで、まっすーってすごいんだなって改めて思いました。
増田:
嬉し恥ずかし。
丘山:
恥ずかしいとね、いじけちゃうんだよね。
増田:
対談したくないとかね?
丘山:
でも晴ちゃんとだったらいいでしょ?
増田:
まあまあまあね! 以前舞台で共演していて初対面じゃないから、こうやって僕の本音をぶつけても悪いように受け取らないだろうなっていうのが分かっているから言えるんですよね。
丘山:
たしかにね。僕も前に自分がやっていた役を卒業するときってやっぱりちょっと複雑な気持ちだったから。
増田:
そうそう。
丘山:
そういう気持ちなのかなって想像できました。
増田:
でもクリスは卒業なわけじゃないから、役の取り合いですよ。
丘山:
ええ~!?(笑)
増田:
ライバルだよね。
丘山:
クリライバルだね。
――おふたりはかなり仲良しな雰囲気を感じますが、初対面と現在とで仲良し度合いは変わっていますか?
丘山:
まっすーから僕への第一印象は、めちゃくちゃだったと思う。
増田:
「やべーやついる」とは思ってました(笑)。先輩ですからね、そんなストレートには言いませんけどね。
丘山:
言ってる言ってる! でもまっすーはずっと理解しようとしてくれてたもんね。
増田:
晴さんがこうやって、現場でつかみどころのない人間性で立ち振る舞っていても、芯がない人ではないっていうのは分かったから、あれだけコミュニケーションを取り続けられたんです。
プラス、僕らみたいな後輩に対してもすごく懐が深いので、僕もこうやってふざけられるし、それが倍になって返ってくる。
丘山:
倍のところいらなかったよね?(笑)
増田:
いやいやいや、これぞ丘山晴己ですから!(笑)
というのが、たったひとつの舞台を通して受け取れました。それほどコミュニケーションの場が多く用意されていたわけではなかったですが、パワーのある役者だなというのは感じていて、会うのも4年ぶりなので仲がいいエピソードはないのに仲良く見えるっていう。
丘山:
あるから! 髭剃りのエピソードがあるから!(笑)
増田:
それしかないじゃん!(笑) 仲が良ければ、この4年の間に何かしらエピソードがあるはずだから!
丘山:
でも、仲良くなければ髭剃りお揃いにしないもん。
増田:
たしかにそうだけど、そんなに種類多くないでしょ! それでもこうやって受け入れてくれて、話を広げてくれるのは丘山さんの懐の深さのおかげだと思います。
丘山:
ブランクないよね。
増田:
僕はあえて飛び込んでみたんですよ、今日。晴さんどうなってるかなって。変わっていなければ飛び込んだのが正解だし、変わっていれば今日の対談は別の形で行こうと思っていました。
丘山:
変わってなかったでしょ?
増田:
変わってなかった! 役者としてステージに上がれば、きっとパワーアップしてることは十二分にあると思うんですよ。ただ、人間性は変わらないことが強みでもあると思うので。
丘山:
4年前のまっすーは最初、怖い人なのかなと思ったんですよ。僕はアメリカで役者をしていたので、上下関係がなかったんですよね。先輩や後輩がない状態のところから来たので、単純にまっすーがストイックで厳しい人なんじゃないかと思ったんです。声優さんなのに舞台でのお芝居も殺陣も歌も全部できる、これはすごいなと思ってました。
増田:
ありがとう!
丘山:
すごいしずるいなと思ったし、上下関係がない分しっかりリスペクトはしていました。
増田:
僕も晴さんリスペクトしてますよ。
丘山:
えー、笑ってるじゃん!(笑)
増田:
ちゃんと言っておかないとさ、誌面になったらずっと僕がいじってるみたいになっちゃうからね。僕らの関係性を、4年前の舞台で知ってる人は「あのふたりね」ってなると思いますが、今回初めて見る人がいたら声優・俳優対談で、僕がめちゃくちゃ強気な発言をしてるように見えちゃうからね!
――動画でお見せできないのがもったいないくらい、軽快な掛け合いです。
増田:
じゃあ、語尾に常にハートつけてもらおうか?
丘山:
文末はビックリマークとハートね♡
増田:
ピッタリだと思う♡
丘山:
すごくいいかも!
――おふたりが、クリスというキャラクターを演じる上で心がけていることは?
増田:
1期のなかでこういう結末になるというのは、演じている最中はまだ僕らのなかには落とし込めていなくて。ただ、オーディションの段階から、クリスという人間は傍から見ればカッコイイ男だけど、すごく近くで見るとちょっとめんどくさいとは思っていて。でもいったん離れて見るとやっぱり頭の隅から離れない印象的な人物。
じゃあ本人はどうなのと言ったら、本人も自分のことを完璧には把握していなくて人によってコミュニケーションの取り方をひとりずつ替えていて、そこに辟易もしているけれど、そうやって生きていくしかないよなというウェットでドライな人間というのをオーディションの段階から考えていました。
丘山:
まったく一緒です。
増田:
まだやってないじゃん!
丘山:
でも本当に、クリスのそういう部分はすごく感じました。たぶんまっすーがそういう風に演じていたからだと思うんだけど、上辺とそうじゃないところがどちらもすごく魅力的に感じたんです。
クリスのチャラかったり軽い感じが仮面だったというところを、僕もそういう風に見せたいし、話が進むにつれてだんだん見えてくる本当のクリスを舞台上で演じるのが楽しそうだなと思って。そこがクリスのキャラクターを深める部分でもあるので、舞台でもクリスに命を吹き込むことができたらいいなって思います。
増田:
クリスは全員の喜怒哀楽の幅を広げてあげられるキャラクターだと思うから、クリスがどこまで行けるかでその座組で他のキャラクターたちの表現の幅が決まっていくんじゃないかと思います。
丘山:
なるほど。フィンが来たことで話が進むじゃないですか。フィンがいなかった頃のこの4人ってどういう状態なんだろう?
増田:
過去でリンクしているメンバーもいるので、それぞれのコミュニティがあって、そこにフィンが来たことでそれが解されていったイメージです。
丘山:
本当の自分をちょっとずつ見せ始めていく感じかな。
増田:
うん。4人だと仲が悪いとかではないです。
丘山:
なるほどね。個人的に、フィンとレオのやり取りがすごく好き。
増田:
あー、このふたりは面白いよね。レオが小憎たらしくて……!(笑) 僕はヴィジャイが好きなんです。遅刻してきたウェンディに無言で腕時計を見せるシーンがあるんだけど、そこで虜になりました。
丘山:
舞台でも観られたらいいな。
増田:
舞台上はアニメと違ってカット割りがないから全体が観られるし、発することだけが表現じゃないから、ヴィジャイやウェンディのいろんな面が観られたら面白そうだなって思います。
丘山:
プレッシャーもあるけど、ビジョンも見えました!
――増田さんからは舞台の『HIGH CARD』のクリスに期待していること、丘山さんにはアニメの『HIGH CARD』でいいなと思ったクリスのシーンをお聞きしたいです。
増田:
僕は現在の2.5次元界隈の進化を追えてはいないんですけど、さまざまな表現をお客さんに体感してもらう部分は変わらないと思うんです。だからこそ心配はしてないのですが、クリスのカロリーズハイという能力を表現するのは大変だと思うので、晴さんが毎回頑張って演じてくれたらすごく嬉しいです。
丘山:
頑張ります! パフェもね。
増田:
パフェもそうだね。クリスはカロリーを取らなきゃいけなないので、台本に落とし込むことは簡単ですけど、舞台上でお客さんの前で実際に食べてくれたらすごいと思います。
丘山:
面白いかも。舞台の片方では別の芝居が進行していて、逆側ではずっとクリスがパフェを食べてる……みたいな。
増田:
それが当たり前のようにみんな驚かないし、フィンだけがびっくりしてるの。そうしたら、初日と千穐楽観に行きます。どれだけ太ったか確認しに(笑)。
丘山:
スーツぱつぱつになっちゃうじゃん!(笑) アニメのクリスは、人によって話し方が変わるんですよね。男の子への対応、女の子への対応、フィンへの対応って。そこが魅力だし、そこをどういうニュアンスでやっているのか知りたいって思っています。
増田:
嬉しいですね。もちろん分かってもらいたくて演じている部分ですが、そこを感じてもらわないとクリスの1期を通しての面白味は感じられないと思うので。全部嘘ですからね。
丘山:
嘘だからできることなのかもしれない。
増田:
嘘をつくことが本音になる。
丘山:
なるほど! 聞きました!
増田:
なんか知り合いとやるの嫌だな~嬉し恥ずかしで。
丘山:
でももう2期の収録終わってるんでしょ? 今から演じる僕のほうがやっぱ大変ですよ。
増田:
そっか……。ちょっと語弊があるかもしれないですが、追い過ぎないでほしい。原作やアニメはありますが舞台には舞台の脚本があるから、舞台の演出家が作る『HIGH CARD』はまた別のものなので。
丘山:
そうだね。舞台でできることもできないこともあるし。
増田:
舞台俳優の皆さん、すごく追うのが上手いから。でもやっぱり、丘山晴己が演じてよかったと思えるクリスが見たいので。
丘山:
任せてください!
増田:
まあ、人間性は出ちゃうと思うんですけどね。
丘山:
我慢しているほど出ちゃう。キャラクターの核心を見つけるのが2.5次元の舞台をやるときのやりがいでもあります。それを見つけるとふざけることも、話を楽しくさせることもできるし、原作にはない行動をとってもキャラクターはキープできる。
そういう核心を掴むのが一番の仕事かなって思うし楽しみでもあります。
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