numan編集部
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不死川実弥が鬼殺隊という組織に入った理由。それは最愛の家族を鬼に殺されたから、というこの物語ではある意味ごくありふれた動機ともなっています。
ですが、彼が鬼を狩ることで果たしたいのは単純な「家族の敵討ち」のみではありません。実は彼には、鬼の襲撃から生き延びたたった一人の肉親となる弟がいます。
鬼の被害にあってなお唯一生き残った弟。彼がもう二度と鬼の被害に遭う事がないように。鬼とは無縁の世界で、あの恐怖に脅かされず幸せに生きていけるように。
「唯一生き残った弟の幸せな暮らしを守る」。それもまた、彼が鬼を狩ることで果たしたい願いのひとつでもあるのです。
彼には生き残った弟を始め6人の弟妹がいました。大家族の長男として育ち、下の子たちや兄弟を女手ひとつで育ててくれる母親の助けになりたいと実弥は責任感の強い人間に育ちます。ですがある日の夜、母が不在にしていた家が鬼に襲撃されてしまいます。
弟妹達は弟一人を残して全員殺される中、単身その鬼に立ち向かう実弥。ですが夜が明けて息絶えた鬼を見ればなんと、それは何者かによって鬼にされた実の母親でした。
弟妹を殺した母を憎むこともできず、あまつさえその母を自分の手で殺すしかなかった。
家族を喪った彼が抱える無念や恨み、怒りの矛先は鬼全体へ向けるほかありません。それを知れば実弥がどんな鬼であろうと絶対に許さず、鬼殺に大きな執念を抱くことも無理はないように思えます。
あわせて、抵抗する術もなく殺されていった弟妹たちを自分は守る事すらできなかった。
だからこそ唯一残った弟だけは絶対に失いたくない。彼だけは、そして彼の幸せな生活だけは何人たりとも邪魔をさせない。まるで大切な弟妹を守れなかった罪滅ぼしをするかのように、彼は唯一生き残った弟へ鬼殺という使命を介して、彼自身の大きな愛情を今もなお傾け続けているのです。
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