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2017年7月に”生誕60周年”を迎えた声優・堀内賢雄さん。
1980年代から声優・ナレーターとして活躍し、2002年に独立して、事務所であるケンユウオフィス、さらに付属養成所であるtalkbackを設立、若手の育成に携わりつつ、自らも第一線を走り続けていらっしゃいます。
今回の特別連載は、アニメ、映画、ゲーム、舞台と、約40年に及ぶ堀内賢雄さんの声優人生の軌跡を辿る、スペシャルインタビューを全4回にわたってお送りします。
この連載第1回は、ケンユウオフィスに新人として入所し、劇場版アニメ『KING OF PRISM by PrettyRhythm』の一条シン役などで注目を集める、寺島惇太さんとの記念初対談。お互いに声優としての姿勢を語りつつも、まるで親子のような関係性にも注目です。
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■祝! 堀内賢雄さん60th Anniversary特別連載企画(全4回)
【第2回】「賢雄、オーディションへ行け!」で声優スタート/堀内賢雄さん60th独占インタビュー(1/3) ※2017年10月31日公開
【第3回】声優なのにセリフ無し。見送る”息”をみんなで練習/堀内賢雄さん60th独占インタビュー(2/3) ※2017年11月2日公開
【第4回/最終回】『鬼平』や『ジョーカー・ゲーム』での挑戦、そして/堀内賢雄さん60th独占インタビュー(3/3) ※2017年11月7日公開
プロフィール
堀内賢雄(ほりうち けんゆう)
1957年7月30日生まれ。声優、ナレーター。
たてかべ和也氏のオフィス央より、特撮番組『アンドロメロス』のアンドロウルフ役(1983年)でデビュー。海外映画やドラマでは、ブラッド・ピットをはじめ、数多くの名優の吹き替えを担当。元DJらしい張りのある低音が魅力で、甘さと渋みを兼ね備えた大人の雰囲気を持つ役を演じるケースが多い。その一方、美形ながらもコミカルで残念な側面を持つキャラクターの役も増えているとか。
■主な出演作品/役名(役者名)
映画 ワールド・ウォーZ/ジェリー・レイン(ブラッド・ピット)
ドラマ フルハウス※フラーハウス /ジェシー・コクラン(ジョン・ステイモス)
ドラマ ER緊急救命室XI /ルシアン・ドゥベンコ(リーランド・オーサー)
ゲーム アンジェリーク/炎の守護聖オスカー、メタルギアソリリッド/雷電
アニメ ジョーカー・ゲーム/結城中佐
アニメ 鬼平/長谷川平蔵
アニメ グイン・サーガ/グイン
プロフィール
寺島惇太(てらしま じゅんた)
1988年8月11日生まれ。日本工学院専門学校、talkbackを経て、ケンユウオフィス所属。主な出演作に、劇場版アニメ『KING OF PRISM by PrettyRhythm』の一条シン、『アイドルマスター SideM』の大河タケル、『アニメガタリス』中野光輝、『TSUKIPRO THE ANIMATION』藤村衛など。ケンユウオフィスで中堅を担う、若手注目株。
INDEX
――まずは60歳、そして声優活動20周年、おめでとうございます! 本日はご自身が社長を務めるケンユウオフィスに所属する、寺島惇太さんにもお越しいただきましたが、普段から交流はあるのでしょうか?
堀内賢雄(以下、賢雄) それこそ寺島が預かりクラスの若いころは、「飲みに行こうか」という程度だったけど、ある日、俺が監督たちと麻雀をやっていて、監督が急に抜けなきゃならないって時があり、寺島ができるらしいという話になって……。
寺島惇太(以下、惇太) 呼ばれた時に、玄田(哲章)さんとかがいらっしゃって、牌を持つ手が震えました!
賢雄 俺だって緊張したからね!(笑)。
惇太 すごくいい声で「ロンッ!」って。
賢雄 しかも、でかいんだよね、あの人の声は(笑)。最初に寺島を呼ぶ、となった時はみんな、「えー! 寺島くんがかわいそうじゃないの、若いし、気を使っちゃうし」なんて言ってたんですけどね。実際は一番強くて、今では「賢雄の100倍ぐらい頭を使って打ってる」と言われているので、これ以上強くならないように!
惇太 笑。
賢雄 基本的にお堅い事務所じゃないから、野球だろうがゴルフだろうが麻雀だろうが付き合えっていう方針なんですよね。「代打ちするってことは、寺島に仕事が回ってくるんですかね?」とか言って、監督と寺島の間に交友関係を作っていったりね。業界の人が集まるところに行って、いろんな分野の人たちと知り合ってもらえればいいなと思ってます。
惇太 なんで僕がここにいるんだろう、って、緊張することもあります……よりによって麻雀で。
賢雄 俺が20代の頃に、かなり有名な声優さんと麻雀をやっていた時、やっぱりね、ちょっとビビっていましたけど、大丈夫! 寺島もあまり人にビビらなくなるから(笑)。
――ちなみに寺島さんは21歳の時にケンユウオフィスに入ったそうですが、何がきっかけだったのでしょうか?
惇太 日本工学院という専門学校で声優の勉強をしていたのですが、そこでケンユウオフィスの学内オーディションがあったんです。
賢雄 2002年の事務所設立前のワークショップを含めて、17年前くらいから人を育てようと思ってたんです。当時、工学院にすごくいい子がいるという話を聞いて、そこでオーディションに参加してもらってね。寺島もそうですけど、近藤唯ちゃんとか。
惇太 佐藤美由希さんとかもですね。
賢雄 そう。みんな工学院のオーディションに参加してくれて、今は一線で活躍してくれています。
惇太 僕はオーディションを受けて、そこから「預かりクラスでどう?」というお誘いを頂けたので、それはもうありがたかったです。
賢雄 彼らはうちの会社だけでなく、他の事務所から合格が出ていたらしいんです。大手から誘いもあっただろうし。寺島たちにも選ぶ権利はある中で「賢雄さんのところに行きたい」と言ってくれた、運命的な出会い、みたいなのはありましたね。
惇太 他の事務所さんも公開オーディションは行っていたんですけど、社長自らオーディションにいらしたのは、ケンユウオフィスだけだったんですよ。普通はマネージャーさんとか、養成所の先生の中で、賢雄さん自らがいらっしゃっていたので、「うわー、賢雄さんいるよ!」と、学生全員に戦慄が走りましたね(笑)。
賢雄 そうだったんだ(笑)。
惇太 通常の学内の公開オーディションの場合、自己アピールと演技で「はい、ありがとうございました」で、終わるのですが、賢雄さんはその場で一人一人に「次、もっとこういう感じで読んでみたら?」とか、「君はもっとこういう感じでやったほうが面白いよ」とか、指導をしてくださったんです。「あの賢雄さんに、その場で指導していただいた」と学生からするとビックリ! もっと賢雄さんにいろいろ教えて頂きたくて、ケンユウオフィスに決めたんです。
賢雄 寺島はすごくビックリしてたけど、俺は自分が行くのが当たり前で、自分の目で選ばなければダメなのかな、と思っていたからね(笑)。
――寺島さんからは、堀内さんの世代の声優の方はどのように見えるのでしょうか?
惇太 賢雄さんの世代の方はパワフルで、朝まで飲んだりエネルギーが違うなと。僕より若い世代でも「朝まではちょっと……」という人が多い中で、率先して「飲みに行こうぜ」と仰る方が多くて。そこに参加すると、話が熱くて、みなさん感性が常に研ぎ澄まされているんです。今はどういうものが流行っているとか、注目されているとか。刺激になるので、僕もこの時代を敏感に感じ取っていかないとダメだなって思いますね。
賢雄 逆に俺が若手の声優を見ると、時代が大きく変わったな、って思います。単純に声優さんが増えて、日本俳優連合も300人ぐらいから数千人を超える規模になり、一本のレギュラーを取るのも大変! 昔は「影の人だから顔を出すな」と言われていた声優が、今はタレントのようにトークや歌もやるからね。
惇太 僕も声優は裏方だと思っていて、自分が表に出すぎるとキャラクターのイメージの邪魔をしてしまうのではないか、という不安があるんです。イベントでキャラクターになりきってアドリブでしゃべれる声優さんとか、すごいな、ファンの方が喜んでいるなーと感じるんですが、僕はそういうことがあまりできなくて……。キャラクターは原作者さんとか演出さんとかも含めて、みんなが作り上げたものなので、まずは台本に書いてあることを一生懸命演って、”このキャラクターはこういうところが素敵だよ”と伝えたいです。
賢雄 確かに、トークができる、できないとか、ビジュアルがいいとか、トータルの力も求められているけど、この先寺島には、絶対に折れない芝居力を備えてほしい。芝居力があれば絶対に仕事として成立するし、死ぬまでできる役者になれる、という思いがありますね。
――お二人の、今だから言えるエピソードはありますか?
惇太 僕、預かり2年目の査定で吹き替えをした時に、賢雄さんから「寺島は感性が変だ」って言われてるんです。「あなたは他の人と違ったアプローチで、変な感性で芝居をやるけど、そっちの方向もありかな、と思わせる何かがあるから、その変な感性のまま行きなさい」と。
賢雄 だって洋服もそうだけど、みんな違う。100人やって100人が同じものはないから、違うことを誇りに思っていかないと。「この人はこんな風にキャラクターを作ってくるんだ」というほうがいいと思うし、それを確立してほしいですよね。
惇太 台本の解釈で周りの人が違うことを言っていると、「え、そうなのかな?」って心配になるんです。けど、賢雄さんの「そのままで行きなさい」を信じて、自分で作ったものを変えずにテストで演じてみると、監督からは「最初はあれ、そっちか? って思ったけど、面白かったからOKにした」と言っていただけることが多いので、この教えは心の支えになっているんです。
賢雄 僕は芝居を学ばずにこの世界に入ったので、(師匠である)たてかべ(和也)にいつも叱られていたんですよ。そんな状態でオーディションを受けると、監督たちから「普通の人の感性と違う」って言われる。そこから監督にガンガン怒られて、話し合って、居残りさせられて、それで強くなっていったという実感はあるんです。「なんで俺ばっかりこんなダメ出しされるんだ」ってなるけど、それが役者を育てていくことだと思う。だから、言わせないバリアを張るのは損なんですよ。「こいつに何を言っても無駄だ」ってなっちゃうから。
惇太 はい。
賢雄 おかげで俺は60才になった今でも、あれこれ言われ続けてるけどね(笑)。俺個人としては、「また賢雄さん呼ぼうよ」、「賢雄さん、こういう風にやってよ」って監督に言われるような関係性が一番いいかな、て思います。あ、寺島のことは『キンプリ(KING OF PRISM by PrettyRhythm)』の音響監督に「しごいてください」って言っておいたら、「言われなくてもしごきますよ」だって(笑)。
惇太 !?
賢雄 ガンガン言われたほうが財産になるからね! あとは……。
惇太 (神妙にうなずいて)ハイ。
賢雄 麻雀はこれ以上強くなるな、ってことと、マネージャーが最近言ってることと同じかな。「痩せろ」(笑)!
惇太 あれ、この一年で、お芝居のことより、痩せろと言われた回数のほうが多い気がする(笑)。
堀内賢雄さん60th Anniversary連載記事【第1回】まるで親子!? 寺島惇太&堀内賢雄 ~新人vs社長の声優本音トーク~をお届けします!https://t.co/SLl2AlEFXM#堀内賢雄 #寺島惇太 #プレゼント企画 #プレゼントキャンペーン #numan pic.twitter.com/zxHKGpRqGz
— numan編集部 (@numan_edd) October 26, 2017
事務所の社長と所属役者であり、声優として師匠と弟子であると同時に、父と息子のような関係性のお二人。和やかながらも、芝居に対する熱い思いを語っていただきました。
第2回以降は、賢雄さんの”生まれ直し記念”単独ロングインタビューをお届けします。ダメ出しの嵐だった新人時代から、諸先輩方との出会いと絆、役作りへ取り組み方、次世代への期待、そしてご自身の新しい演技への挑戦など、ゆる~いようで熱~いトークが展開されます。ぜひお楽しみに!
また、numanでは、今回の対談インタビューを記念して、堀内賢雄さん&寺島惇太さん両名のサイン入り色紙を2名様にプレゼントします。応募方法は、numan編集部のアカウント(@numan_edd)をフォローして、以下のtweetをRTするだけ!
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※応募は公開アカウントに限ります。※当選発表(2017年11月下旬予定)まで継続してフォローください。
※記事初出時に寺島惇太さんの誕生日が間違っておりました。関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。
■祝! 堀内賢雄さん60th Anniversary特別連載企画(全4回)
【第1回】まるで親子!? 寺島惇太&堀内賢雄 ~新人vs社長の声優本音トーク~ ※2017年10月26日公開、本稿
【第2回】「賢雄、オーディションへ行け!」で声優スタート/堀内賢雄さん60th独占インタビュー(1/3) ※2017年10月31日公開
【第3回】声優なのにセリフ無し。見送る”息”をみんなで練習/堀内賢雄さん60th独占インタビュー(2/3) ※2017年11月2日公開
【第4回/最終回】『鬼平』や『ジョーカー・ゲーム』での挑戦、そして/堀内賢雄さん60th独占インタビュー(3/3) ※2017年11月7日公開
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