numan編集部
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全国上映中の映画『メサイア ―幻夜乃刻―』に続き、2019年2月より東京・大阪にてシリーズ最新作となる舞台『メサイア トワイライト ―黄昏の荒野―』が上演されます。
今作では、日本警察省警備局のスパイ、通称“サクラ”の候補生たちと敵対する、北方連合のスパイ候補生であるサリュート(山田ジェームス武さん)、スーク(宮城紘大さん)を中心としたストーリーが展開。
サクラ候補生たちと同様に、北方連合のスパイ養成校“ボスホート”でスパイになるための過酷な日々を送るサリュートとスーク。それぞれの過去や2人の関係性などは未だ多くは描かれておらず、初めてスポットが当てられます。
その稽古開始を前に早くも、W主演を務める山田さん&宮城さんにインタビュー! 座長としての意気込みや気になる新キャスト、そしてお互いの関係も語っていただきました。
INDEX
山田ジェームス武さん(以下、山田) 「メサイア」は、色んな方が長年にわたって命を削って参加してきた舞台。それは、この作品でタイトルを務める条件でもあると僕は思っていたんです。だからこそ、「まだ登場作品も多くない僕たちでいいのかな」「お客様は納得するのかな」という不安はありました。だけど、選んでいただいた嬉しさや、すごく光栄に思う気持ちも確かにあって……今は色んな感情も落ち着いて、周りの方への感謝の気持ちが一番大きいです。
――山田さん演じるサリュートは舞台『メサイア ―暁乃刻―』(2017年2月上演)から、そして宮城さん演じるスークは舞台『メサイア ―悠久乃刻―』(2017年8月~9月上演)からのシリーズ登場ですよね。
宮城紘大さん(以下、宮城) はい、僕はまだ舞台『悠久乃刻』と映画『幻夜乃刻』、この2作品しか携われていなくて。僕が初参加した舞台『悠久乃刻』主演の井澤勇貴くん(有賀 涼役)と杉江大志くん(加々美いつき役)も長くシリーズを背負ってきていて、色んなストーリーがあった上で迎えた話だからこそ、心にもグッと届くものがあったと思うんです。だから出演歴の少ない僕たちがメインとなって話が描かれることに「作品ファンの皆さんはどう思うんだろう?」という不安を感じて……。
でも、トークイベント(2018年9月開催『メサイア ―TALK MISSION'18―』)で新作舞台が発表された時に、喜んでくれた皆さんの反応を見て「僕らは前を向いてやるしかない!」という気合いが入りました。
山田 はい、僕は宮城紘大先生の横に並べることが光栄で(笑)。
宮城 1ミリも思ってないでしょ?(笑) 僕としては、自分の名前が「メサイア」で主演の位置にあることには……「ひとつ下の列でも良かったんじゃないかな」って。
山田 いやいや、そんなことない!
宮城 でも、僕は舞台『悠久乃刻』はもちろん、他の作品でもジェーくんの姿を見てきて、すごく頼れる人だっていうことを知っているので。この作品では、ジェーくんからも色んなことを学びたいと思っています。
あと今回の僕たちは、主演としてアクション量も多いでしょうし、お芝居でも心身が削られていくことがあると思うんですけど、それでヘロヘロになっているジェーくんを見てみたいっていう気持ちもあります(笑)。
山田 それ、お互いさまだから(笑)。
――作品を重ねる中で、アクション面でも鍛えられましたか?
山田 僕はアクションでも、これだけがっつりと挑戦したのは「メサイア」が初めてだったんです。というより、今までにやってきた作品の中でも、「メサイア」はダントツにアクション量が多くて。
宮城 ジェーくんのアクションには、ジェーくんにしか出せない緩急の付け方があるんですよね。「これ、俺には絶対できないな」っていう独特なリズムがあって、お芝居はもちろん、自分のスタイルがあることを素直にすごいなと思えます。
山田 「メサイア」は、脚本の毛利亘宏さんや演出の西森英行さんの構想の中でも、キャラクターが作りきられてはいないんです。稽古での僕たちの姿とも照らし合わされていくので、僕たち自身でもセリフの言い回しや、一人称・二人称の言い方を作れる部分もあって。そういう作り方をしていると、役柄にもさらに愛着が湧きますし、サリュートが成長することで僕も引っ張られて、僕が成長すればまた良いサリュートを見せることができています。
宮城 原作のある作品を1年以上に渡って演じたことはありますが……原作のキャラクターに沿って役を作っていくのには、見えない部分を自分がどう引き出していくかという面白さがあるんですけど、その姿は最初からしっかりとありますよね。でもキャラクターをゼロから作るって言う意味では、そうして生まれたスークのように長期間に渡って演じたことはないので……僕にとって、スークは大きい存在です。
山田 役とお互いを高め合えているって感じられるのは、「メサイア」が初めての作品。僕の中でも、今はサリュートがすごく大きい存在になっています。
――これからの稽古に向けて、座長としての役割は何か意識されていますか?
宮城 僕は全然、まとめたいとかそういう気持ちはなくて。まとめなきゃいけないとしたら、ジェーくんに任せたい(笑)。周りが尊敬する人たちばかりなので、逆に支えられている気持ちです。それに自分にできることを精いっぱいにやっていたら、何かしらは周りにも影響を与えられることがあるんじゃないかな。
山田 僕も、特別なにか座長らしいことをしようとは思っていません。この現場は、みんなが本当にお芝居を好きで、責任感も強い人たちなんです。だから誰か一人がまとめる必要もなくて、なにかあれば気付いた人が率直に言うし、すぐにディスカッションができる環境になっていて……ここでの「座長」というのは、本当に肩書だけだな、と。
頼りがいのある仲間たちなので、僕も甘えるところは甘えて、逆に僕が誰かを助けられるところがあれば、助けになりたいと思います。
山田 初共演は他の作品だったんですけど「メサイア」を経て、すごく印象が変わりました。いい意味で「こんなに必死になる子なんだ」って感じて……その、がむしゃらさが意外でした。
宮城 僕も、ジェーくんの見方は「メサイア」を通してすごく変わりました。一緒に芝居をしているうちに、「なんで、この人のお芝居にこんなに引き込まれるんだろう」「なんで、この人のアクションはこんなにかっこよく見えるんだろう」って考えさせられて。
――その疑問への答えは、見つかりましたか?
宮城 ジェーくんには、初めて共演した時から成長しようとする意欲がすごくあって。初共演した作品の頃には、そういう風に周りの人の良いところを見てどんどん盗んでいこうっていう意識が、僕にはまだ足りていなかったと思うんです。それに気が付いて意識したことで、自分も変われたと思います。だから……ジェーくんが変わったっていうより、僕が気付けたことですね。
山田 この一年間でまた、お互いにどれだけ成長しているのか。それに役者としての成長が、サリュートとスークとして板の上に立ったときにどう感じられるのか……楽しみです!
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