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黒羽麻璃央 ミュージカル『エリザベート』ルキーニ役で結果を残す

東宝版20周年を迎えたミュージカル『エリザベート』ルキーニ役を演じるのは黒羽麻璃央さん。
「2020年は『エリザベート』の20周年、そして僕自身も10周年。『エリザベート』という作品に運命的なものを感じています」
あらためて黒羽さんに意気込みなどを伺いました。
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――ミュージカル『エリザベート』に出演するお気持ちを聞かせていただければと思います。
 素直に嬉しいのが率直な感想です。僕自身が2019年版のミュージカル『エリザベート』を何度か劇場で拝見したり、自宅では『エリザベート』のDVDを見ていたりするなど、すっかり作品のファンになっています。ようやく今年の4月からこの20年続く作品の一員になれることをとても嬉しく思っています。

――ミュージカル『エリザベート』が20年愛されている魅力を黒羽さんなりに分析すると、どう感じられていますか?
 『エリザベート』という作品は一見、非現実的ではありますが実はとてもリアルなような気がして。
もしかしたら死期が近づいてきた時に、トートが見えるような瞬間があるのかも等、想像を膨らませて楽しむことができました。普段僕らが生活しているうえでは感じることができない、時代背景や身分の違い、上流階級の悲劇が描かれているのも人気の秘密だと思います。あとはやはりセットが凄いです。帝国劇場に足を踏み入れて客席に向かい、『エリザベート』のセットが見えたときには圧倒されました。異様な空間といいますか、確かに命を吸い取られそうな空間、芸術品のように思えました。

――ルキーニを演じることについて、役のイメージはありますか?
 空間を支配しなくてはいけない存在ですし、進行役、お客様目線に立っていろんなものを運ばなくてはいけない。観に来てくださる皆さんをこちら側へ誘う役だと思います。力がないとできない役では思いますので、その役に選んでいただいたので、しっかり実力をつけて観客の皆様をスムーズに『エリザベート』の世界に運べたらと思います。

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――黒羽さんがルキーニを演じると発表された時、ネット等反応が凄かったですね。
 いつ解禁になるんだろうと思いながらその日を待っていたんです。
ファンの皆さんがとても喜んでくださったのは嬉しかったですし、僕も早く発表したかったです。
ただ僕自身グランドミュージカルが2回目ですし、そして年齢が若いということもあり厳しい意見も見られました。
でも、それをプラスに受け止めて幕が開いた時に皆さんに「ルキーニは、黒羽麻璃央で良かったね」と思っていただけるようなものをお届けしたい
去年からずっとこの役について練ってきているので結果を残したいと思います。

可愛い愛すべき後輩・三浦宏規が帝国劇場に立つと聞いた時に…

――帝国劇場というミュージカルの最高峰に立つことへの期待感はありますか?
 僕が帝国劇場を強く意識し始めたのは、去年のミュージカル『レ・ミゼラブル』で三浦宏規くんがマリウス役で出演した時です。
ミュージカル『刀剣乱舞』で共演していた頃、まだ宏規は10代で僕にとってはとても可愛い愛すべき後輩だったんです。
そんな彼が主演で帝国劇場で立つということを聞いた時に、自分も負けてられないと思ったんです。
それから帝国劇場を意識し始めて、昨年ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で帝国劇場に多く立たれているキャストの皆さんとお仕事をするようになり、ミュージカルとして最高峰の場所に立てたらいいなとさらに思うようになりました。
野球少年が東京ドームとかに憧れるような感覚でしょうか(笑)。
僕の初日は4月11日ですが、記念すべき帝国劇場で自分が宏規にそう思ったように、誰か後輩が僕のことをそういうふうに思ってくれたら嬉しいと思います。
ミュージカル『テニスの王子様』出身で2.5次元と言われる作品に数多く出演させていただいた自分としては、後輩にも、こういったグランドミュージカルの作品にも興味を持ってもらえる最初の存在であれば僕も嬉しいと思います。
 グランドミュージカルを今まで見たことのないファンの方にも観ていきたいですし、もし今回『エリザベート』で僕を観てくださった方が少しでも自分に興味を持っていただいたのなら、以前僕が出演していた2.5次元ミュージカルのシリーズ等に興味を持っていただけたらとても嬉しいです。
演劇好きの人間としては、いい橋渡し役になれたらと思っています。
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――現在は稽古前という事ですが、今、自分で準備されている事は?
 まず体重を増やしています。あとはボイトレに通って、役作りというと違うかもしれないですが、いろいろ調べてノートを作ったりしています。

――稽古で楽しみにしている事はありますか?
 ルキーニを演じているときに自分がどういう風に感じるのか楽しみです。皆さん一緒にお芝居を作っているときに楽しいと思えるのか、大変だと思うのかどっちなんだろう。楽しいと思える自分でありたいです。

ビジュアル写真「似合っている、これならいける!」

――ルキーニでビジュアル写真を撮った時の感想を教えてください。
 自分で言うのものなんですが、「似合ってる、これならいける」ってちょっと思ってしまったんですよ(笑)。
ヒゲ等、こういうビジュアルを今まで経験したことがないので、新鮮でありつつ、望んでいたことでした。
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Photo by Leslie Kee
――2020年、さらに成し遂げてみたいこと、目指してみたい俳優像などありましたら教えていただきたいです。
 今年の目標がまだないんです。目の前の『エリザベート』が大きすぎて明確に出て来なくて。
仕事と関係がない事であればスカイダイビングがしたいです。経験値が上がって、人生観が変わりそうな気がするから(笑)。
 でも、たぶん今年は『エリザベート』一色だと思います。なかなかそこまで自分を捧げられる役はないと思うので楽しみです。ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の時に芝居が上手くなりたいと強く思ったんです。心の底からこのままじゃだめだというの実感して、「ミュージカルが上手くなりたい、表現者として高いところに行きたい」と思いました。
今回そういうチャンスをいただけたので、トリプルキャストということで先輩方の演技見ることができるので、学ぶ事は恥ずかしいことではないですし、いいところは盗みながら僕なりの新しい風を入れたいと思います。
 2020年は『エリザベート』の20周年、そして僕自身も10周年なんです。いろいろなものが重なったなかで、『エリザベート』という作品に運命的なものを感じています。ルキーニが、俳優、黒羽麻璃央の名刺になるような役になれたらと思っていますし、それはもちろん自分次第ですので頑張りたいと思います。
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黒羽麻璃央(くろば・まりお)
1993年7月6日生まれ、宮城県出身。身長180cm、AB型。
ドラマ『LINEの答えあわせ~男と女の勘違い~』(読売テレビほか)、Paraviオリジナルストーリー『まだまだ恋はつづくよどこまでも』に出演。

作品情報

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ミュージカル『エリザベート』

【東京公演】帝国劇場 4月9日(木)~5月4日(月・祝)
【大阪公演】梅田芸術劇場 メインホール 5月11日(月)~6月2日(火)
【名古屋公演】 御園座 6月10日(水)~28日(日)
【福岡公演】博多座 7月6日(月)~8月3日(月)

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞:小池修一郎
キャスト:
エリザベート(オーストリア皇后):花總まり / 愛希れいか
トート(黄泉の帝王):井上芳雄 / 山崎育三郎 / 古川雄大
フランツ・ヨーゼフ(オーストリア皇帝):田代万里生 / 佐藤隆紀
ルドルフ(オーストリア皇太子):三浦涼介
ルドヴィカ / マダム・ヴォルフ:未来優希
ゾフィー(皇太后):剣幸 / 涼風真世 / 香寿たつき
ルイジ・ルキーニ(皇后暗殺者):尾上松也 / 上山竜治 / 黒羽麻璃央
ほか

※ポスター
Photo by Leslie Kee
Design by COM Works

ヘアメイク:Haruka(Lomalia)
スタイリスト:ホカリキュウ
撮影・取材・文/富田陽美

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numan編集部

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