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ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社(以下、WotCと表記)は11月17日(金)より発売を予定しているトレーディングカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』(以下、『MtG』と表記)の最新拡張セット「イクサラン:失われし洞窟」に収録される新カード「千年暦/The Millennium Calendar」を公開した。
『MtG』はアメリカの数学者リチャード・ガーフィールド氏らが開発し、1993年にWotCより発売された世界初のトレーディングカードゲームである。ゲームのなかでプレイヤーは次元を渡る強大な魔法使い「プレインズウォーカー」となり、無数の世界から選りすぐった強大なクリーチャーや強力な魔法を用いて他プレイヤーを打倒する。
先の9月には『MtG』発売30周年を記念したイベント「マジック:ザ・ギャザリング 30th ANNIVERSARY CELEBRATION TOKYO」が東京・渋谷で開催され、多くのファンでにぎわった。
今回発表された「千年暦」はゲーム内世界に存在するマジックアイテムや古代の機械を示す種別“アーティファクト”の一枚で、カードの上に時間カウンターが1000個以上置かれていた場合、このカードを生贄に捧げて各対戦相手のライフを1000点失わせる能力を持っている。
プレイヤーの初期ライフが20、盤上で扱う数字やカウンターの数も大抵一桁~二桁前半程度の『MtG』において、1000個のカウンターを要求し1000点のライフを奪う千年暦は異彩を放っており、カードの公開直後から多くの『MtG』プレイヤーの間で話題となっていた。
放たれれば概ね勝ちになるだけの威力があるとはいえ、一見すると途方もない数字に思える1000個の時間カウンターだが、千年暦には起動することで自身の上にある時間カウンターを2倍にする能力が存在する。日本の漫画家、藤子・F・不二雄の傑作マンガ『ドラえもん』に登場するひみつ道具「バイバイン」よろしく、最初は少ないカウンターでも倍々ゲームを繰り返していけば4桁の大台に乗せることは決して夢物語ではない。
また、過去の拡張セット「ファイレクシア:完全なる統一」にて登場したカード「完全なる統一/All Will Be One」は、自身のコントロール下でカウンターが置かれるたび、置かれたカウンターの数のダメージを与える。このカードと千年暦を併用すれば、時間カウンターが1000個に到達するよりもずっと手前で相手プレイヤーのライフを削りきることも可能だろう。
ほかにも、起動する際にカードを横に傾ける「タップ」と呼ばれるコストを要求する千年暦を何らかの手段で「アンタップ」つまり元の状態に戻し、1ターンの間に何度も能力を起動することで本来必要なターン数を圧縮する方法も考えられる。
マヤやアステカの暦における終末論から着想を得たと思しき新カード「千年暦」をどうすればもっともうまく使いこなせるのか、興味のある方は各々のプレイするフォーマットにおけるカードプールを見つめなおしつつ、発売日を待ってみてはいかがだろうか。
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