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宇宙を舞台にしたMMORPG『EVE Online』にて、ChatGPTをリーダーに選んだプレイヤー企業が登場し、話題になっている。海外メディアのPolygonが報じているもの。
『EVE Online』はアイスランドのCCP Gamesが開発・運営するMMORPG。7000以上の星系が存在する広大な宇宙を舞台に、PvPやPvEバトル、採掘、探索、生産など様々な活動が体験できる。基本プレイは無料となっている。
今回話題になっているのは、ゲーム内のプレイヤーによって設立された企業「Neural Nexus」。AIの活用を目的に設立されたこの組織は、GPT-4をベースとしたチャットボットに意思決定を委ねている。同企業のポータルサイトには、「AIを使用して、人間の創造力の独創性と先進的な機械の知性を融合させ、初の“AI帝国”を築くことを目指します」とある。
具体的なAIの活用の例としては、月に一度の評議会においてChatGPTのDiscordボットと協議し、「重大な影響」を及ぼす可能性のある事柄について話し合う。例えば明日の目標について尋ねると、「明日の終わりまでに、最低3回艦隊作戦に参加する」という指示が得られたという。
ChatGPTは企業の採用にも活用されている。企業への応募者のEVE Onlineのプレイ時間や、AI主導の企業についてどう思うかなど、ChatGPTが4つの質問を作成。評議会が作成したプレイヤーのタイムゾーンなどについての質問と合わせて、応募者を審査する。約2週間の試用期間を経たのち、応募者の追加情報や採用担当者からの個人的な印象をChatGPTに入力。それに基づき、彼らを「正式メンバー」にするか、試用期間を終了するか決定する。
そのほか、「Neural Nexus」のロゴの作成や、宇宙船の命名、企業のウェルカムメッセージなど、さほど重要でない事柄もAIが担当している。
「Neural Nexus」では、日々の活動にAIの活用を推奨しているが、そのすべてをAIに委ねることは推奨していない。同企業のガイドラインには「メンバーはAIのアドバイスに従う際は、ゲームの特定の状況などを考慮して自ら判断すべき」とされている。
ゲームを運営するCCP Gamesもこの試みを注視している。それはAIによる暴走というような心配からではなく、「AIによる企業運営」という初の試みがゲーム内でどのように機能するのかという興味からくるものだと、代表者はPolygonに語っている。
最近何かと話題になるAI。人間のリーダーを排した「Neural Nexus」が目指す“AI帝国”の建国は果たして成るのか。興味深く見守って行きたい。
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