ご査収ください（ごさしゅうください）

「ご査収ください」の意味

「ご査収ください」（ごさしゅうください）とは、中身を確かめて受け取ることを促す慣用句。
請求書や見積書など相手に確認して受け取ってもらいたいファイルを添付したメールを送り、本文に「ご査収ください」と付け加える。主にビジネスメールで使われる表現のひとつである。

しかし、何故か2016年頃よりTwitter上で頻繁に使用されるようになった。
「ご査収ください」が使われるのは決まってネタツイ。ナンセンスギャグツイートや、おもしろ動画、珍風景など、クスっと笑ってしまうネタに「ご査収ください」と書き添えられている。
ネタツイに突然突っ込まれるビジネス用語。しかも、「査収ください」と言われても何を確認し、収めなくてはいけないのか、話の辻褄があっておらず一瞬頭が混乱する。明らかな誤用ビジネス語なのだが、確認して受け取れという問答無用の妙な圧力があり、ネタツイの笑いに花を添える結果となっている。

よく査収を強要されているネタのジャンルは「一枚写真大喜利」「１ページ漫画」など。
中にはただ動物や人の尻画像を貼って「今日の尻です、ご査収ください」と書き、「何をどう査収しろと」とつっこみを待つものも多い。猫画像やモルモット画像など、ほっこりとさせる画像に「ご査収ください」とつけてTwitterに流し、愛好家から「査収しました」とリプを貰うことも。

有名な「査収ください」シリーズのひとつが、家族会議議事録シリーズ。週一で行われるご家庭会議の議事録を、ただただTwitterにアップしているものである。ヨソのご家庭の事情をなぜか査収させされるという、ナンセンスな状況に、出書きで描かれるほのぼのとした議事内容がなんかほのぼのする、として人気を集めた。

「ご査収ください」の由来・語源

査収ください、の語源は「査（調べて）」「収（収める）」ことから。
「ご確認ください」との違いは、「受け取るモノ」があるかどうか。確認、だけだと内容を見るだけの意味しか持たないが、「査収」は確認して「受け取る」という意味を持つ。

また類義語に「検収する」という言葉もあるが、これも意味合いは微妙に違う。
「検収」は検品して受け取るという意味。あらかじめ発注時に決められた内容の品物を納品するので、契約通りか確認した上で受け取ってほしい、という意味となる。
「査収」は金銭や契約書などの書類を確認して受け取ること、「検収」は納品物を確認して受け取ること、と考えると覚えやすい。

似たような響きの言葉として「査証」があるが、これはまったく意味が違う。
「査（調べて）」「証（証明する）」という意味であり、「査証ください」とは「そちらでよく調べて、（訴えている内容を）証明してください」という意味になる。
企業間でクレームを入れる場合などに使われる言いまわしである。

「プログラムを修正し、問題を解決したとのことでしたが、弊社側では依然同様の問題が発生しています。ご査証ください」など、（対応したというなら）きちんと調べて証明してほしい、と要求する文書で使われる。これは目上から目下に対して使われる、強い言葉であるため気を付けて使う必要がある。間違っても「査収ください」をタイプミスして取引先に「査証ください」と送ってはいけない。大問題に発展することうけあいである。