numan用語集「花吐き病」

花吐き病(はなはきびょう)

「花吐き病」の意味

「花吐き病」(はなはきびょう)とは、松田奈緒子の漫画作品『花吐き乙女』に登場する病気(※1)。片思いをこじらせると、突然花を吐いてしまう。この花に接触することで二次感染が起きる。

転じて、一次・二次創作などで使用されるパロディ設定のこと。
この場合「口から花を吐く」という設定は概ね共通だが、その他の「片思いをこじらせると発症する」「吐いた花に触れると感染する」という元ネタの設定は転用されていないことも多い。

「口から花(花びら)を吐く」という、描き方によっては非常にロマンチックなシチュエーションかつ「片思い」という切ないトリガーを持つことから、様々な作品のパロディに使用される、根強い人気を持つモチーフである。

「花吐き病」の由来・語源

元ネタはドラマ化もされた『重版出来!』などを生み出した漫画家・松田奈緒子の『花吐き乙女』に登場する病気。
作中の正式名称は「嘔吐中枢花被性疾患」で、「花吐き病」は通称である。片思いをこじらせると、突然花を吐いてしまうという症状が出る。吐いた花は「吐瀉花(ゲロばな)」と呼ばれている。古くから流行・潜伏を繰り返す奇病という扱いになっており、完治するためにはその恋が成就するしかないとされている。

本作の1巻は2009年に発売されており、当時から現在に至るまで、インターネットを中心とした同人界隈で根強い人気を持ち続けている。一方で長年人気のモチーフということもあり、現在では「『花吐き乙女』を読んだことがない」「元ネタがあることを知らなかった」という層も厚くなっている。

なお『花吐き乙女』は「ゲロ花と連呼する」「かなり激しく花を吐く」「ちくわを食べると予防になるというウワサがある」など、コメディタッチで描かれている作品だが、同人設定の「花吐き病」を用いた作品はシリアス系、耽美系であることが多い。

 

「花吐き病」の活用例

「自カプの花吐き病漫画描きました」
「花吐き病ネタ大好き。どの作品でもパロを想像しちゃう」
「花吐き病にかかった推しが見たい」
「どのジャンルでも一回は花吐き病の妄想をしてしまう」
「推しカプの花吐き病のアンソロ買った」

▼英語圏にも広まっている
日本の同人文化から派生し、英語圏では「hanahaki disease」と表記されている。

▼吐く花にもこだわりが目立つ
「花吐き病」をモチーフにした同人作品は、吐く花の種類にこだわったものも目立つ。キャラクターをイメージした花を使用したり、花言葉にこだわったりする作品も多い。

▼その他にも「花を吐く病気」というモチーフはある
現在の同人文化で見られる「花吐き病」の大半は、前述した『花吐き乙女』からの派生である。
一方で「花を吐く(病気)」というモチーフは、それ以前・以後にも散見される。ボリス・ヴィアンの小説『うたかたの日々』では、ヒロインは肺の中で睡蓮が育つ奇病に犯され花を吐く。アダルトゲームシリーズ『D.C. ~ダ・カーポ~』にも、ヒロインのひとりが桜の花びらを吐くシーンがある。
また、上記の作品のパロディ以外にも『花吐き乙女』以前の同人界隈において、花吐き病に類似した作品を描いている人もいる。

 

※1
『花吐き乙女』著:松田奈緒子
https://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000035710

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