巣作り（すづくり）

「巣作り」（すづくり）とは、「オメガバース」から派生した特殊設定のひとつ。

「オメガバース」とは、人類が男女の性別だけではなく、α（アルファ）、Ω（オメガ）、β（ベータ）という第二の性を持つ設定のことである。
αに対しての「発情期」を定期的に迎えるΩが「αのにおいに包まれたい」と本能的にαの衣類をベッドなどのΩにとって居心地が良い場所に持ち込み、くるまってαを待つ行為である。

「巣作り」の由来・語源

具体的な発祥は不明である。
何枚も衣類を持ち込み、もこもこしている様が、小動物が巣を作っているように見えることから、「巣作り」と表現される。
また、Ωがαの衣類を寝室に持ち込みやすい、「同棲カップル」設定であることが多い。

日本においては、特に、『ユーリ!!! On ICE』のヴィクトル・ニキフォロフと勝生勇利のカップルの二次創作で見られることが多い。
これは、もともとヴィクトルと勇利が同棲設定であること、ヴィクトルが「着道楽」の衣装持ちであること、さらに勇利がちょっと一線を越えた「ヴィクトルマニア」だったことが、巣作り設定と相性がよかったためと思われる。

「オメガバース」自体は2010年にアメリカを中心に放送されたドラマ『スーパーナチュラル』の二次創作から始まったものである。日本に入ってきたのは2013年頃であるが、2015年には書店で販売される「商業BL」にも「オメガバース」やそれに伴う「巣作り」を描く作品が登場している。

「巣作り」の活用例

・「推しカプの巣作り絵見つけてハッピー」

・「Ωの巣作りかわいすぎんか」

・「巣作りマジで良すぎる……」
「Ωのために巣作ってあげてるαもよくない？」
「なにそれ最高かよ（天を仰ぐ）」
→オタクは感情がたぎると天を仰ぎがちである。

「巣作り」の他にも様々な派生用語がある。
・「Dom/Subユニバース」→男女の性別以外に「Dom」と「Sub」という第二の性別が存在する作品群。「Dom」が攻めにあたり、「Sub」が受けに該当する。本能的な主従関係であり、「コマンド」「セーフワード」といったワードが登場する。

・「ケーキバース」→男女の性別以外に「フォーク」と「ケーキ」という第二の性別が存在する作品群。「フォーク」が攻め、「ケーキ」が受けに該当する。味覚を失った「フォーク」が「ケーキ」にだけは味覚（主に甘味）を感じるという設定。

ほかにも「ドールバース」「アイスバース」などがあるが、そもそも「オメガバース」自体が特殊な設定を持つジャンルであるため、いずれにしてもネットで公開する際には配慮が必要なジャンルである。

オメガバース（おめがばーす）

Dom/Sub（どむ/さぶ）