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「異世界」(いせかい)とは、自分たちが現在いる世界とは異なる世界のこと。
ただ単に別の世界というだけでなく、主に魔法など現実世界ではあり得ないファンタジー要素のある世界のことを指すことが多い。
昨今では小説やアニメで異世界を舞台にした設定、いわゆる「異世界もの」が流行っており作品のジャンルとして確立されている。海外においてもアニメのジャンルとして「異世界もの」はそのまま「isekai」で通じるほど認知されている。「異世界モノ」のなかにもそれぞれ種類があり、おおまかに「転生モノ」「転移モノ」「憑依モノ」に分けられる。
▼「転生モノ」とは
現実世界で一度死亡し、異世界で別の人物として新たに転生(生まれ変わる)すること。
前世の記憶として現実世界の知識を持ち合わせており、その知識を活かして異世界で生き抜く、成りあがるという設定が多い。なお、前世の記憶は転生した直後から持ち合わせている場合と、成長途中で何らかの出来事を機に思い出す場合がある。
転生先が人間とは限らず、人外やモンスター、無機物に転生する作品も多々見受けられる。
・「転生モノ」の代表的な作品
『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』
34歳の無職男性がトラックに轢かれて亡くなり、目が覚めると赤ん坊のルーデウス・グレイラットとして剣と魔法の異世界に転生していた。前世での後悔を振り返り、今世こそ本気を出すと決め、努力し成長していく姿が描かれている。
▼「転移モノ」とは
現実世界で生きていた人間が、そのままの姿で異世界へと転移すること。
「勇者召喚」や「聖女召喚」の際に無理やり転移させられる人為的なパターンと、ふとした瞬間や事故によって異世界に飛ばされる自然的なパターンがある。
・「転移もの」の代表的な作品
『聖女の魔力は万能です』
20代のOL・小鳥遊聖が聖女召喚によって、魔法のある異世界へと転移。勝手に召喚されたのにも拘わらず放置され、薬用植物の研究員としてスローライフを始める。しかし徐々に聖女としての力を発揮し始め……。
▼「憑依もの」とは
現実世界の人間が、事故などによって異世界の人物へと憑依すること。
「憑依転生」とも呼ばれ「転移もの」の一種としても考えられている。乗っ取られた人物の人格は共存することなく消滅するか、自分を乗っ取った人間へと逆に憑依しているパターンなどがある。
・「憑依もの」の代表的な作品
『悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~』
高熱を出して意識を失い目が覚めると「エミ」に憑依され体を奪われていた乙女ゲームの悪役令嬢・レミリア。心優しい「エミ」を自身の体の中から覗き見て愛を知っていくレミリアだが、醜いヒロインの手にかかり断罪されてしまう。ショックを受け意識を失った「エミ」の代わりに11年ぶりに本物のレミリアが登場。「エミ」のためにヒロインへ復讐すべく動き始める。
本作は主人公が憑依された側のキャラクターで、「エミ」が憑依した側の人間であるという設定。憑依された主人公は消滅しておらず、体の中で憑依された自分を覗き見ていたほか、憑依した側の人間の意識が無くなると再び体を取り戻している。
なお、上記3つのジャンルは明確に区別されておらず、混同されることもしばしば見受けられる。女性向けジャンルの「悪役令嬢もの」は憑依設定がよく見られるが「転生もの」として扱われることが多い。男性ジャンルでは、主人公がチート能力を持ち異世界で無双する、女性からモテまくるなどの「異世界チートもの」が多く見られる。
なお、現実世界から異世界へ行くパターンだけでなく、異世界から現実世界へ行く作品もある。
この項目では「異世界もの」の由来を記載する。
「異世界もの」自体は1800年代後半ころからファンタジー作品の設定として使用されている。
主な例としてマーク・トウェイン氏の『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』、ライマン・フランク・ボーム氏の『オズの魔法使い』、C・S・ルイス氏の『ナルニア国物語』などが挙げられる。
日本の作品としては、細川智栄子氏と芙~みん氏による『王家の紋章』、小野不由美氏の『十二国記』や渡瀬悠宇氏の『ふしぎ遊戯』などが挙げられる。
「異世界もの」が昨今の形で流行り出したのは2010年頃からで、ヤマグチノボル氏の『ゼロの使い魔』および同作の二次創作が流行りだしたのがキッカケと言われている。
小説投稿サイト「小説家になろう」での同ジャンルの人気や、人気作を持つ中堅作家による「異世界もの」への参入なども、一大ジャンルとなった理由として挙げられる。
①現実逃避したいとき
「私も異世界転生してプリンセスになりたい」
②雰囲気のある場所を発見したとき
「異世界に繋がる神社発見した!」
「神秘的すぎてこのまま異世界行けそう」
③事故に遭いそうになったとき
「危うく異世界へ飛ばされるところだった」
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