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「〇〇なさい、シンジくん!」(〇〇なさい、しんじくん!)とは、誰かが、何かを決断しようとして迷っている時に、背中を押すふりをして煽る台詞。言われた側は「言質とったぞ」など、無責任な煽りにツッコミをいれるのがお約束。
元ネタは、2009年に公開された劇場版アニメ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』のクライマックスシーンで葛城ミサトが主人公シンジに向かって叫んだ台詞。
ヒロインのひとり、綾波レイを助けるべきか迷うシンジに「行きなさい、シンジくん。誰かのためじゃない、自分自身の願いのために」と背中を押した。今まで主人公に負担をかけてばかりだった大人のひとりが主人公の行動を応援してくれた、作中屈指の胸アツシーンとして、公開当時話題を呼んだ。
しかし、3年後に公開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』では、とんでもない掌返しが発生。観客の多くが心に深い傷を負う事態となった。
2021年に『ヱヴァンゲリヲン』新劇場版4部作の最終話公開にあわせて、地上波で『序』『破』『Q』の3作が連続放送された。『破』にて「行きなさい、シンジくん!」と叫ぶシーンが放映されると、多くのファンがツイッター等のSNSにて「言質とったぞ」などと書き込んだ。
『Q』の残酷な展開を知っている古参ファンほど、黙ってはいられなかったらしい。
そして、話題が話題を呼んだ結果、背中を押すふりをして煽るネットジョークとして使われるようになっていった。
葛城ミサトの名言の人気は根強く、さらに2年後の2024年には、X(旧Twitter)で新たな「〇〇なさい」トレンドが生まれた。
エヴァンゲリオン初号機の特徴的なカラーリング、紫と緑のアイテムを写真にとり「乗りなさい、シンジくん」とコメントをつけてポストするのである。
自転車や乗用車、トラックなど色は似ているけど、絶対初号機じゃないものに、初号機として搭乗を命じられるシュールさが受け、Xの画像つきポストをにぎわせている。中には、ぬいぐるみやキャンディなど、そもそも乗ることすらできないものまであり、シュールさを加速させている。
ただし、エヴァンゲリオン本編にて、葛城ミサトが「乗りなさい、シンジくん」と言ったことはなく、正確には「シンジくん、エヴァに乗りなさい」(アニメ版第1話)と発言している。
「う~ん、さすがに舞台を全部見に行くと、予算オーバーなんだよな。どうしようか……」
「買いなさい、シンジくん!」
「言質とったぞ」
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