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「ヴィラン」(ゔぃらん)とは、悪役や悪者、悪党を指す英単語である。複数形は「ヴィランズ(villains)」。
主に小説や漫画、アニメなどに使われる。基本的に主人公と敵対する悪役のことを指し、物語の引き立て役として登場する。性格や過去の出来事、特技など詳細に明かされることが多い。女性形は「ヴィラネス(villainess)」と言うが日本では浸透しておらず、女性の悪役もヴィランと呼ばれることが多い。
主にディズニーやアメコミに登場する悪役をヴィランと呼ぶ。日本の作品では『僕のヒーローアカデミア』や『ウルトラマン』シリーズにヴィランと呼ばれる敵役が登場する。ヴィランが登場する代表的な作品は以下の通り。
▼ディズニー作品
『不思議の国のアリス』のハートの女王
『アラジン』のジャファー など
▼アメコミ作品
『ドクター・ストレンジ』のカエシリウス
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』ウィンター・ソルジャー など
▼日本の作品
『僕のヒーローアカデミア』の死柄木弔
『ウルトラマンギンガ』ダークルギエル など
なおアメコミでは、超人的な能力を持つヴィランとして「スーパーヴィラン」も登場する。いわば「スーパーヒーロー」の対極の位置づけにあるヴィランである。
英単語としては、中世ラテン語の「農場(villa)」に由来する「農夫(villanus)」から派生した中世英語「農民、小作人(vilain)」という単語から来ている。「農民」という語源からだんだんとイメージが悪くなり、「卑しい者、田舎者」から「悪役、悪者」に変わったとされている。
先の項目で説明した通り、小説や漫画、アニメ作品においてはディズニーやアメコミで主に使われており、両ジャンルのファンの間でも昔から使われていた。
ディズニーでは、1989年公開の『リトル・マーメイド』においてすでにヴィランという言葉が公式で使われていた。1995年から2001年まで行われていた東京ディズニーランドのパレード「ディズニー・ファンティリュージョン!」では、初めて「The Disney Villains」としてさまざまなヴィランを「ヴィランズ」としてひとまとめにして登場させたと言われている。
また2015年より東京ディズニーリゾートにて「ヴィランズの手下」が登場するショーがハロウィーンの時期に開催され人気を博している。ちなみに、これらの手下は原作には登場せず、イベント専用のオリジナルキャラクターである。
2020年にリリースされたアプリゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』は「ヴィランズ学園アドベンチャーゲーム」である。ディズニーのヴィランズからインスパイアされたキャラクターが登場し、いまだ多くのファンを抱えている。
アメコミでは、1960年代頃から本国アメリカにおいてはヴィランという呼び方がすでにされていたと言われている。日本でアメコミ映画が浸透してきたのは2010年頃からとされる。
一方、日本の作品ではこれまでヴィランという呼称に馴染みがなかった。しかし、2014年より週刊少年ジャンプにて連載されアニメ化もされている『僕のヒーローアカデミア』では敵を「敵(ヴィラン)」と呼称しており、日本における同単語の認知度を高めた作品のひとつといえる。
昨今ではヴィランの人間臭さや本能のままに生きる姿に魅力を感じる人が増えている。ディズニーやアメコミではヴィランを主役としたスピンオフ作品も製作されている。ヴィランを主役とする代表的な作品は以下の通り。
▼ディズニー
『マレフィセント』:『眠れる森の美女』に登場するヴィランの魔女マレフィセントが主役
『クルエラ』:『101匹わんちゃん』に登場するヴィランのクルエラ・ド・ヴィルが主役
▼アメコミ
『ヴェノム』:『スパイダーマン』シリーズに登場するヴィランのヴェノムが主役
『ジョーカー』:『バットマン』シリーズに登場するヴィランのジョーカーが主役
会話例①
A「この作品のヴィラン、まじ推せるんだよ……」
B「わかる。見た目も最高だし、過去知っちゃうと嫌いになれない、どころか好き」
A「推せる要素しかない」
会話例②
A「ヴィランがいるからヒーローが存在すると思うんだよね」
B「それは違うと思うな~。ヒーローはヴィランがいなくても、普通に人助けとか街の交通整理とかしてると思うよ。それだってヒーローでしょ?」
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