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「積読」(つんどく)とは、手に入れた書籍を読まずにそのまま放置しておくこと。またその書籍自体のこと。
表記揺れとして「積ん読」「つんどく」「ツンドク」などがある。近年は英語圏でも「Tsundoku」という表現が認知されており、国際語にもなりつつある。
「読書」「読むもの」を「積んでおく(=読まずに放置する)」ことから。
ふたつの言葉を組み合わせた混成語である。
発祥した具体的な時期は不明だが、明治時代の書物では、既に現在と同じような使われ方をしている。発案者は諸説あるが、政治家、経済学者の田尻稲次郎という説が強い。
明治から昭和初期には、カタカナ表記の「ツンドク」がメジャーだった。随筆家・小説家の内田魯庵の著作『紙魚繁昌記』にもカタカナ表記で頻出している。
「最近忙しくて、買った本ほとんど積読にしちゃってる……」
「私の今の積本、50冊あった」
「また積読が増えてしまった……」
「そろそろ積本を消化したいな」
「ちょっと前に買ったけど、ずっと積ん読させてた◯◯をようやく読みました」
「最近積ん読を崩すキャンペーンをしてるんだよね」
▼発祥と思われる明治期の使用例
「書籍つんどく者を奨説す」
「ツンドク家またツンドク先生」
「音読、黙読以外に、書物につんどくあり」
「積んで置く法のつゞまりにて書籍を購ひて讀まず徒に積み置くをいふ」
▼展示や特集に用いられることも
「積読」の多くは、「いつかは読もうと思っている」本である傾向が強い。そのため「積読」をテーマにした企画や特集は、様々なシーンで紹介されている。
朝日新聞デジタルでは、エッセイシリーズ『つんどく本を開く』が不定期掲載されている。こちらは読書好きの著名人が、積読にしていた本を開いて感想を綴るもの。
2022年には、東京都立中央図書館で『みんなの積ん読展』が開催された。実際に「積読」されている本を調査して展示したり、ウェブページでランキングを紹介したりした。
▼「積読」をネタにしたアイテムも登場
「積読」とは言いつつ、未読の本は積まれて放置されているばかりではない。これを逆手に取った本棚も登場している。一般的な本棚は、本を縦に収納するようになっているが、本を横に「積んだ」状態で収納できるデザインとなっている。こういったタイプの本棚がSNSで拡散されると、積読を抱えるユーザーたちからは「積読が綺麗に飾れて嬉しい」「これは積本が捗る」「一生積読が消化されない」など様々な声が上がる。
▼英語では言い換えられない?
近年国際語化している「Tsundoku」。
2014年にはWikipediaの英語ページが作成され、その後スペイン語やフランス語、アラビア語のページも続いた。2018年のBBCニュースでは「Tsundoku:本を買い、それを決して読まないということ」というタイトルの記事がウェブ掲載された。英語圏には「積読」にぴったりの同意語がない。そのため「すき焼き」「旨み」「津波」などのように、日本語がそのまま国際語として定着する流れになりつつある。
▼「積読」ならぬ「積聴」も
近年は「積読」がかなりメジャーな表現になっていることもあり「積聴」という表現もたびたび使用されている。読み方は「つんきく」「つんちょう」など。これは「聴かずに放置されている◯◯」のことで、耳で聴くものであれば、音楽やラジオなど具体的な内容は問わずに使用されている。
(使用例)
「CDとレコードを並べただけで満足してる。積読ならぬ積聴」
「大人買いしたCDの積聴をようやく消化しきれた」
「勢いでダウンロードしたけど、半分以上積聴なんだよね」
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