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数々の名言を生み出した『鬼滅の刃』ですが、『遊郭編』にも胸を打つ言葉が多々あったかと思います。
多くのファンを魅了したあのキャラのギャップが垣間見えたセリフや、本エピソードのテーマを総括するあのキャラのセリフなど、遊郭編という物語の魅力が存分に凝縮された名言を振り返りましょう。
INDEX
「俺に才能なんてもんがあるように見えるか?
俺程度でそう見えるならテメェの人生幸せだな」
「俺が選ばれてる? ふざけんじゃねえ
俺の手のひらから今までどれだけの命が零れたと思ってるんだ」
(『鬼滅の刃』10巻より引用)
人であった頃から遊郭最下層の街で、虐げられながら生きてきた妓夫太郎。
そんな彼が相対した宇髄を酷く妬んだセリフに、宇髄が返した言葉が上記のセリフです。
そんな彼がこのセリフで垣間見せた、思わぬ一面であり彼のコンプレックス。そのギャップに、宇髄のイメージが180度変わった!という人もいたことでしょう。
妓夫太郎に相対した際に彼が発したセリフは、これまでに救うことができなかった多くの命への後悔や、自責の念が強く感じられます。
彼もまた、これまで鬼殺隊として、音柱として長年鬼殺の道を歩む中でそんな思いを幾度となく抱えた「ただの人間」の一人であることがうかがえるセリフです。
上弦の参と相対し、何一つできないままに目の前で炎柱・煉獄という大きな存在を喪った主人公・炭治郎。
彼が通った道は宇髄を始め、きっと鬼殺隊に携わる人々が必ずと言っていい程に通ってきた道であろうこともうかがえます。
それは到底簡単な道のりではありませんが、そうやって歩み続けることのできた宇髄や炭治郎だったからこそ。
彼らは上弦の鬼と、今回こそ対等に渡り合うことができ、あの激闘を終えてなお生還する未来を掴むことができたのかもしれません。
「その境遇はいつだって ひとつ違えばいつか自分自身がそうなっていたかもしれない状況
もし俺が鬼に堕ちたとしても 必ず
鬼殺隊の誰かが 俺の頚を切ってくれるはず」
(『鬼滅の刃』11巻より引用)
様々な人物や情景の対比性、そして類似性のもとに展開された遊郭編というエピソード。
その最もわかりやすい部分を表現したのが、この炭治郎のモノローグセリフとなっています。
『鬼滅の刃』という物語では、終始一貫して鬼と人は表裏一体かつ似た存在であることが描かれています。
そんな物語を通してのメッセージをぎゅっと濃縮したエピソードが今回の遊郭編である、と今回のアニメを見て、改めて強く感じた人も大勢いたのではないでしょうか。
鬼は元々人であるという自覚があり、一度は妹の禰豆子を切ろうとした人間と相対したにも関わらず上記のようなセリフを、炭治郎は口にしています。
彼のこのセリフは、それでも鬼殺隊という組織への、そしてそこに属する多くの仲間への強い信頼が込められているような、そんなことすら感じさせる言葉でもありますね。
それが多くの人を守るために、彼らが為すべき絶対で唯一の責務であるからこそ。炭治郎は、鬼殺隊の隊士は、これからも刃を振るい続けるのです。
(執筆:曽我美なつめ)
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