重度の二次元オタク兼ミュージシャン歴10年のライター・曽我美なつめがアニソンについて、音楽ファン的視点から本気で語る本シリーズ。今回ピックアップするのは、現在アニメ&マンガ好きの間でも話題騒然のアニメ『チェンソーマン』のEDについてで す。
先日、米津玄師&常田大希(King Gnu)のタッグが話題となった
OPについても解説 しましたが、今回は大きな注目を浴びた本作の週替わりEDを彩るアーティストの魅力を語ります。
マンガ・アニメのみならず、様々なカルチャーファンを魅力する『チェンソーマン』。今作が音楽ファンに与えた影響とは?
『Chainsaw Man Original Sound Track E.P Vol.1 (Episode 1-3)』ジャケット
via 『Chainsaw Man Original Sound Track E.P Vol.1 (Episode 1-3)』ジャケット
音楽ファンも大興奮!日本の音楽・ライブシーンを牽引する面々
2022年10月から放送されているアニメ『チェンソーマン』。様々な方面から注目を集めている本作ですが、今作が大きな話題を呼んだポイントのひとつに、豪華アーティストによる書き下ろしの週替わりED が挙げられますね。
これまでにも毎週ED楽曲が異なる演出は、様々なアニメやドラマなどで度々取り入れられてきた手法です。ですが今回これだけ『チェンソーマン』が注目を浴びたのは、作品の元々の人気に加え、全楽曲異なるアーティスト且つ書き下ろし曲であるということ。
加えて映像までが毎週異なるという、とんでもなくスケールの大きな演出 であったことが、非常に大きなポイントとも言えるでしょう。
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『チェンソーマン』第1話スペシャルエンディング │Vaundy 「CHAINSAW BLOOD」
さらに言えば今回EDに名前を連ねた面々は、本来アニメやマンガに普段あまり興味がない音楽ファンも、思わず唸ってしまう豪華メンツばかり です。
日本の邦楽ロック・バンドシーンを10年以上牽引し続ける大御所、マキシマムザホルモン。 テクニカルな演奏と焦燥感の溢れる歌声が大勢を惹きつけるTK from 凛として時雨。 「夜行性」と呼ばれる、令和の音楽シーンを牽引するネット発アーティストの一員・ずっと真夜中でいいのに。
唯一無二の世界観と鬼気迫るライブパフォーマンスがファンの心を掴んで離さない女王蜂。 デビューからわずか3年で大型タイアップを次々獲得し、今最も熱いアーティストの一人であるVaundy。
邦楽シーンや音楽フェスを愛好する人々の中で、上記アーティストの名前を知らない、という人はおそらくいないことでしょう。
その他にもアイドルグループ・ゆるめるモ!の元メンバー・
ano 、アニソン界を始め今や揺るぎない知名度を誇る歌姫・
Aimer 。そして今回がアニメタイアップ初となる新進気鋭のポップバンド、
PEOPLE 1 など。
その顔触れは文字通り実にバラエティに富んだ面々で、このメンバーだけで音楽フェスが開催できるのでは? というほどの幅広い布陣となっていますね。
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『チェンソーマン』第2話ノンクレジットエンディング / ずっと真夜中でいいのに。「残機」
一方で今回の面々は、元々日本の音楽シーン・フェス好きの間でもすでに人気が高いことに加え、実はこれまでにも様々なアニソンを手掛けているメンバー も多数。 普段あまりそのイメージがなくとも、よく調べれば今回の『チェンソーマン』が初めてのアニメ主題歌ではないアーティストが大半です。
マキシマムザホルモンは『デスノート』『終末のワルキューレ』『ドラゴンボール』などで主題歌を担当し、TK from 凛として時雨『東京喰種トーキョーグール』にて複数回主題歌を担当。 また、『王様ランキング』や『ONE PIECE FILM RED』など、話題作に名を連ねるVaundyや実写版『約束のネバーランド』主題歌を手掛けたずっと真夜中でいいのに。や、『TIGER & BUNNY 2』EDを歌唱したano。さらに女王蜂は『どろろ』『東京喰種:re』のみならず、同じく今期放送中の『後宮の烏』でもOPを務めています。
従来から多方面で音楽シーンを牽引する実力を持ちつつ、同時にアニソン界でも知る人ぞ知る活躍 を続けてきたアーティスト達。それが今回『チェンソーマン』で一堂に会した、という点も、大勢のアニメ好き&音楽好きが湧いたポイントでもあることでしょう。
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『チェンソーマン』第3話ノンクレジットエンディング │マキシマム ザ ホルモン 「刃渡り2億センチ」
ロック・ポップスだけじゃない。音楽シーンでも今注目のあのジャンルも?
加えて今回の週替わりEDがさらに面白さを増している点として、現在の音楽シーンでも注目を集めるVOCALOIDジャンル出身者 が多いことも、ひとつ特徴として挙げられます。
社会現象を巻き起こしたAdo『うっせぇわ』作曲者でもあるsyudou 。『廻廻奇譚』で爆発的な知名度を広めたEveも、元は『ドラマツルギー』『ナンセンス文学』などで支持されたボカロP出身のシンガーです。 また『King』『エンヴィーベイビー』などの人気曲を手掛けたKanaria、『春嵐』がYouTube再生回数1400万回超というスマッシュヒットとなったjohn(TOOBOE)。彼らも現在、ボカロファンの間では非常に名前の知れた存在 ですね。
今回本作OPを手掛けた米津玄師を筆頭に、現在メジャーシーンで活躍するアーティストを大勢排出しているVOCALOIDジャンル。数年前に比べ確かに知名度はずいぶん上がりましたが、それでもここまでの面々を主題歌として起用するのは、
ある種、挑戦的な試みでもあるでしょう。
それが実現できるのも、ひとえにこの『チェンソーマン』という作品が、アニメ・マンガのみに収まらない「クロスカルチャー的作品」であることの象徴のひとつなのかもしれません。
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『チェンソーマン』第4話ノンクレジットエンディング │TOOBOE 「錠剤」
週替わりEDというユニークな話題で、アニメ・マンガオタクのみならず、いわゆる音楽オタクな人々からも多くの注目を集める『チェンソーマン』。 大胆かつインパクト大な今回の演出もまた、ある意味では非常にこの作品らしい一面であるとも言えるでしょう。
毎週物語が展開されていく中で徐々に公開されつつある、全12組のアーティストによる珠玉の楽曲たち。 音楽とアニメ本編を彩るED映像も含めて、こちらも毎週欠かさずチェックしていきたいポイントですね!
TV アニメ『チェンソーマン』作品概要
TVアニメ『チェンソーマン』メインビジュアル
via TVアニメ『チェンソーマン』メインビジュアル
TV アニメ『チェンソーマン』作品概要
【イントロダクション】 『チェンソーの悪魔』ポチタと共にデビルハンターとして暮らす少年デンジ。 親が遺した借金返済のため、貧乏な生活を送る中、 裏切りに遭い殺されてしまう。薄れる意識の中、デンジはポチタと契約し、 悪魔の心臓 を持つもの 『 チェンソーマン 』として蘇る ── 。
【放送情報】 2022年10月 11日(火)24:00よりテレビ東京系6局ネットにて放送開始 (テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送)
2022年10月21日(金)25:15より長崎放送にて放送開始 2022年10月21日(金)26:15より新潟放送にて放送開始 2022年10月27日(木)25:28よりテレビユー福島にて放送開始 2022年10月28日(金)25:55よりテレビユー山形にて放送開始 2022年11月3日(木)26:00より鹿児島テレビにて放送開始 2022年10月12日(水)21:30よりAT-Xにて放送開始 2022年10月29日(土)21:00よりアニマックスにて放送開始 ※放送日時は変更の可能性がございます
【配信情報】 2022年10月11日(火)25:00よりPrime Videoにて最速配信 2022年10月12日(水)25:00より各プラットフォームにて見逃し配信 ※配信情報の詳細は公式サイトをご覧ください。
【スタッフ】
原作:藤本タツキ(集英社「少年ジャンプ+」連載)
監督:中山 竜
脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:杉山和隆
アクションディレクター:吉原達矢
チーフ演出:中園真登
悪魔デザイン:押山清高
美術監督:竹田悠介
色彩設計:中野尚美
撮影監修:宮原洋平
音楽:牛尾憲輔
オープニング・テーマ:米津玄師「KICK BACK」
挿入歌:マキシマム ザ ホルモン「刃渡り2億センチ」
エンディング・テーマ:
ano「ちゅ、多様性。」
Eve「ファイトソング」
Aimer「Deep down」
Kanaria「大脳的なランデブー」
syudou「インザバックルーム」
女王蜂「バイオレンス」
ずっと真夜中でいいのに。「残機」
TK from 凛として時雨「first death」
TOOBOE「錠剤」
Vaundy「CHAINSAW BLOOD」
PEOPLE 1「DOGLAND」
マキシマム ザ ホルモン「刃渡り2億センチ」
アニメーションプロデューサー:瀬下恵介
制作:MAPPA
【キャスト】 デンジ:戸谷菊之介 ポチタ:井澤詩織 マキマ:楠木ともり 早川アキ:坂田将吾 パワー:ファイルーズあい 姫野:伊瀬茉莉也 東山コベニ:高橋花林 荒井ヒロカズ:八代 拓 岸辺:津田健次郎
【WEB】 公式サイト:https://chainsawman.dog/ 公式Twitter:@CHAINSAWMAN_PR(https://twitter.com/CHAINSAWMAN_PR )
©藤本タツキ/集英社・MAPPA
【原作情報】 第二部「少年ジャンプ+」にて連載中! コミックス1~11巻発売中! 待望の最新刊・12巻は10月4日発売!