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ゲイであることを隠して生活する高校生・安藤純(金子大地さん)と、腐女子である三浦紗枝(藤野涼子さん)2人が直面する葛藤や、周囲を巻き込んで築き上げられていく関係性が描かれます。
そして同じくゲイであるミスター・ファーレンハイト(声:小野賢章さん)。ネット上だけの友人でありながら、純が唯一すべてを打ち明けられる彼の言葉が、純の心と物語を動かしていきます。
第7話の前に印象的なシーンとともに振り返っていきましょう!
INDEX
入院中の純のもとに、恋人のマコト(谷原章介さん)から電話が。温泉での一件以来、メールの返信をしなかった純に、近い内に会おうというマコト。「駅の階段で転んで入院してるから無理」と純は断りますが、「退院したら会いたい」と食い下がられてしまいました。
一方紗枝は、しばらく学校を休んでいた亮平(小越勇輝さん)に「純との思い出の場所を案内してほしい」と頼み、公園を訪れました。ベンチに腰かけ、少年漫画の話題や、純がこの公園でどんなふうに過ごしていたのかを亮平に聞きながら、紗枝は自分が純のことを何も知らなかったことを思い知ります。
思いがけない二人の見舞いに驚く純。学校へはもう行かないかもしれない、と伝える純の言葉に動揺しつつも「大丈夫だよ、何かあっても私と高岡くんが守る」と気丈に言う紗枝。そんな紗枝の姿を見て、亮平は二人きりで話せるようにと席を外しました。
紗枝は“個人的なお土産”として持ってきたBL本を、ベッドの端に腰かけて純と並んで読みながら「同じ速度で同じものを見つめられるって最高だよね」笑うのでした。
亮平との会話を経て、自分が純のことを何も知らないと知った紗枝は、同様に「自分が何を好きなのか」を通して、純にも自分のことを知ってもらいたかったのです。そのあと、紗枝はこんなふうに続けます。
「言っておくけど、私まだ安藤くんと別れるつもりないから」
「そう簡単に逃さないよ」
6話の冒頭では「体がまだ生きたいんだと悲鳴をあげている」「心はもうとっくに死んでしまったのに」と、茫然自失だった純。紗枝はそんな純の心に、確実に、生きる気力を呼び戻しはじめているのだと感じました。
母親の前では笑えなかった純が、紗枝と亮平の見舞いから、徐々に笑うようになった姿からも、そのことがうかがえます。紗枝の愛情が揺らがないことが、純にとってどれほどの救いとなっているのかを感じられるシーンでした。
その説明を聞いた純は「なるほど BLはファンタジーじゃなくてSFだったんですね」と紗枝を茶化しますが、紗枝はニッコリ笑って「BL星人は、男であることと自分の性指向にめっちゃ肯定的なんだよ」と返します。
その言葉を聞き、少し考えるような表情をしたあとつぶやく純。
「僕もBL星に行きたいなあ……」
きっとそれは、調子をあわせたわけでもなく、純らしい皮肉でもなく、純の本心だったのではないでしょうか。
「もう疲れた」「僕自身が嫌で嫌で仕方なかった」--そんな純の苦しみを考えれば、「普通じゃない」と悩む必要がなく、自分自身に肯定的でいられる“BL星”は、純にとってどれほど生きやすい世界か想像ができてしまいます。
純のつぶやきを聞き、真顔で「私も一緒に行きたい!」と迫った紗枝に純は笑いますが、きっと紗枝は、純が純らしく生きられる世界で共に生きたいと願っているはずです。
そこにはもちろん「BLが好き!」ということも含まれているでしょう。だって紗枝自身も、自分が好きなものを隠さずに生きられる世界を求めているのですから。二人が生きたい世界は、究極的には同じ世界なのでは、と思うのです。
ざわつく生徒、クラスメートたちも動揺しますが……純は一直線に駆け出し、壇上に飛び上がって紗枝に並び立ちます。二人の「恋」と「愛情」の行方は、いよいよクライマックス。第7話も見逃せません!
執筆:森本マリ
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