アイドル、アニメキャラクター、声優などを応援する“推し活”。もはや一般的ともなった言葉ですが、実際に推しを愛する人々はどんな気持ちを抱えているのでしょうか? 推し活は人それぞれですが、今回は「推し活でひきこもり生活を脱却した」というAさんのケースを伺います。
『ヒプマイ』榊原優希の推し活で人生が激変した話。アラサー女がひきこもり生活から脱却するまで
「元々、アニメが大好きだということもあり“声優さんみんな大好き!”というぐらいのライトなオタクでした。小学生の頃に読んでいた『GALS!』がアニメ化された際に”声優”という概念を知り尊敬はしていたものの、特定の“推し”というものは存在しませんでした」
そんな彼女が初めてハマった“声優沼”、それは『ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-』や『アルゴナビス from BanG Dream!』で注目を集める若手声優・榊原優希さんでした。
「榊原さんを初めて見たのは
『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- 5th LIVE』。ヒプマイはチラッと楽曲を聞いたことがあるくらいで、Abemaで無料放送されると聞きなんとなく見ることにしたんです。そんな軽い気持ちが申し訳なくなるくらい、初めて観るヒプマイのライブは皆かっこよくてエネルギッシュで一気に引き込まれてしまって」
そして、榊原さんとの出会い。彼が演じる“四十物十四”が登場したとき、Aさんの心に衝撃が走ったのだそう。
ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 5th LIVE@AbemaTV BD/DVD ナゴヤ・ディビジョンTrailer
「ナポレオンジャケットに首元にレースという派手な衣装を着こなし、マイクスタンドを使いこなすパフォーマンスに、華麗に歌声を乗せていた榊原さんがこの世のものとは思えないほど神々しくて!!
四十物十四くんというキャラはヴィジュアル系バンドのボーカリストということしか知らなかったけど、榊原さんのパフォーマンスを通して十四くんの魅力が伝わってきました。
榊原さん自身のことも“ビジュつよつよのイケメンでイケボ声優”“新人声優さんでここまでできるの?レベルが高すぎる”と、釘付けになったのを覚えています」
そこからはどんどん“沼”にハマっていったAさん。思いが加速していき、ヒプマイのドラマトラックを気づくと30回はリピート。そしてYoutubeで過去のアーカイブを漁りまくる日々。
それからは『ヒプマイ』だけではなく『fromアルゴナビス』など、ほか出演作品はもちろん、ラジオや生配信も聞くように。そしてラジオにメールが採用されたときのことをこう話します。
「コメントやお便りに親身になって答えてくれる姿勢に感動して。ファンのことをしっかり見てくれていることがわかるし、お返事を貰えるとこの世の嫌なことが全てなくなるんじゃないかと思えるほどです」
推し活で世界が変わった。ひきこもりから社会復帰を遂げる
じつはAさん、長年ひきこもり生活を送っていたのだそう。身体を壊し大学を中退、メンタルも崩してしまい20代の大半をベッドの上で過ごす生活でした。定職にも就くことができず、気づけば8年が経過。もう自分には何もできないんだ、と鬱々とする毎日でした。
そんなAさんが社会復帰するきっかけとなったのが“推し活”だったのです。
「榊原さん出演イベントの現場に行きたい、という一心でひきこもり生活を脱出することができたんです。家からでることもしなかった私が夜行バスに乗り、何度も遠方に足を運んでいます。イベント代を捻出するために就職活動も始めました」
『ヒプマイ』榊原優希の推し活で人生が激変した話。アラサー女がひきこもり生活から脱却するまで
20代後半で初めての就職活動は簡単ではありませんでした。不採用が続き、社会不適合者の烙印を押されたようで落ち込んだこともあったそう。それでも諦めなかったのはやはり推し活のためでした。
「たくさん稼いで全部のイベントに行けるようになる、という目標のため、頑張ることができたんだと思います。地方住みで交通費が高額なので行く現場は泣く泣く厳選していますが、コラボカフェや近くの観光地などで、ぬいちゃんと写真を撮る趣味もできました。
推し活がきっかけとなって、私はいろんな経験ができていると感じています」
正直感謝しかないと話すAさん、言葉をさらに続けます。
「才能もありながら、いつも全力で努力もされている榊原さんの姿を見ると私は仕事も、嫌なことも、ときには逃げ出したいことがあっても頑張ることができるんです」
そう笑顔で話すAさんからは、8年間引きこもっていたという印象はまったく感じられないほどです。
「ありがとうございます。もはや魔法だと思います(笑)」
『ヒプマイ』で人生が激変した話。推し活でアラサー女がひきこもりから脱却するまで
Aさんは客観的にみれば
“限界オタク”と呼ばれる存在かもしれませんが、推しによって人生が明るく変わったことは事実。例え、この推し活が終わることがあったとしても、Aさんの人生を豊かにしてくれた経験は永遠に残っていくはずです。
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