numan編集部
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衝撃展開の連続に毎回Twitterトレンド入りを果たしていた本作。どうしてこれほどまでに読者をひきつけたのか。その理由には“鬱展開”以上に読者の心に響いたポイントがあるのではないでしょうか。
※一部、作品の内容について触れている部分があります。
INDEX
しかしストーリーは残酷であまりにも衝撃的です。壮絶ないじめ、家庭内暴力、学級崩壊、動物虐待、挙げ句の果てには殺人…。物語の開幕から衝撃のシーンが連続し、どう考えてもハッピーエンドを想像できない物語に強いショックを受けたという人も少なくありません。
しかし、複雑にこじれすぎた世界は簡単には変えることができません。その描写があまりにもリアルで、幾度も読者に「地獄」を突きつけます。
両親に愛されたい、褒められたい、愛犬に会いたい、好きな人の気を惹きたい……それぞれが求める救いや願いは小さなもので、一般的な他者にとっては些細なことかもしれません。
しかし、読者は地獄としか思えない現実における小さな救いの大きさ、偉大さに気付かされ、心を揺さぶられます。
誰でも一度は考えたことがあるであろう「ドラえもんがいてくれたら」という願い。しかし、現実は理不尽で思った通りに願いが叶うわけではありません。『タコピーの原罪』における主人公たちは、タコピーという願いを叶えてくれる存在がいつつも、結局は自分自身で願い、救いを見つけ出していく。そんな姿にリアルでもがきながら生きている私たちは惹かれてしまうのでしょう。
しかし物語が進むにつれてその行動に納得できる理由が説明されていき、しっかりとした仕掛け・ストーリーが用意されているのです。
しかし『タコピーの原罪』ではうまく場面転換をして過去と現在のシーンとを交差させ、視点の切り替えを行いながら謎を解き明かしていくため、漫画慣れした読者をも「一体どうなってしまうの?」とハラハラさせる作品となっています。
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