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主人公・久能整の独特な視点と、一見とりとめのないおしゃべりが鍵となり事件を解決に導いていく新感覚のストーリー展開と独特の世界観が見どころの本作ですが、この整の言葉の中にはハッとするような格言がいくつもあるのです。核心を突くその言葉は、犯人の心をも解きほぐしていきます。
ほとんどの家事は妻に任せているが“ゴミ捨て”はしている、と誇らしげに主張する池本(演・尾上松也さん)に対し、整(演・菅田将暉さん)は「ゴミ捨てって家中のゴミを集めるとこから始まるんですよ」「分別できてなかったらして 袋を取り替えて 生ゴミも水切って (中略)そうやってやっと一つにまとめるんですよ」とぴしゃり。
INDEX
整は「階段でAとBがぶつかって、Bが落ちて怪我をした時」のシチュエーションを例に解説します。
Bは日頃Aにいじめられていることから、Aがわざとぶつかってきた“事件”だと主張する。
一方でAはたまたまBにぶつかってしまった“事故”だと主張して、そもそも日頃も“いじめ”ではなく遊んでいるのだと言う。
果たして、この場合の真実とは?
このようにAとB、どちらもウソをついているわけではないが、どの立場から見るかによって真実とされるものは変わってくると整は考えます。
だから、「真実は一つじゃない 2つや3つでもない」「真実は 人の数だけあるんですよ」「でも 事実は一つです」と。
某アニメではお馴染みの「真実は一つ」のフレーズですが、確かに事実の背景にある真実は、それぞれの思いや感じ方によって食い違ってくるでしょう。
自分の主観だけで捉えたことが全てではないのだと、ハッとさせられる言葉です。
「どうしていじめられてる方が逃げなきゃならないんでしょう」「どうして被害者側に逃げさせるんだろう 病んでたり 迷惑だったり 恥ずかしくて問題があるのは いじめてる方なのに」整がそう素直な疑問をぶつけることで、淡路は“いじめる側こそが病んでいる”という新たな視点に出会い、いじめられていたのは自分のせいではないと気づけた様子。
犬堂我路(いぬどうがろ)と縁のある少女・汐路(しおじ)に見初められ、狩集(かりあつまり)家の遺産争いに協力することになった整。
遺産相続候補の一人・波々壁新音(ははかべ ねお)が、ライバルの幼い娘を甘い言葉で釣り、情報を得ようとしているのを目撃した整は「こういうことやっちゃダメです」と止めにかかります。
「子供をスパイにしちゃダメです」「一生悔やむことになる 自分がうっかり話してしまったことを 親の足を引っぱってしまったことを 一生悔やむんです」と、幼な子の一生の傷になってしまうことを説明しても子供にはわからないと聞き入れない波々壁。
整はさらに「子供はバカじゃないです 自分が子供の頃バカでしたか?」と続けます。
しかも幼い頃のことって、怖かったり悲しかったり恥ずかしかったり、意外にも嫌な体験の方が強く記憶に残りふと思い出したりしてしまうもの。子供を都合よく使おうとするなんて、言語道断なのです。
才能がないと思って絵をやめたと語る汐路に整は「自分が下手だってわかる時って目が肥えてきた時なんですよ」「本当に下手な時って下手なのもわからない」「それに気づくのは上達してきたからなんです」「下手だと思った時こそ伸び時です」と言います。
下手だと思うのは自身のレベルを吟味できるほどの力がついているということ。これはなかなかハッとさせられる視点です。
語学でもスポーツでも音楽でも料理でも仕事でもきっと同じことが言えるでしょう。躓きを感じた時は成長の証だと思って、さらなるレベルアップを図っていきたいものです。
寝てしまわないようにと整は双子に“議論”の練習をさせて時間を潰すことにします。
自分の意見を言うのは大事だが、自分の気持ちとは関係ない意見のやりとり、つまり討論(ディベート)もできるようになってほしいと言う整。
「意見を戦わせているだけなのに つい人格攻撃になったり人格否定になったりします」「ケンカじゃなく議論をしてほしい 意見だけを激しく言い合っても 終わったらケロっと仲良くできる それが理想です」と双子に教えました。
意見を主張する時は、それに反する考えも一度受け入れて考えてみる。まさに整のように相手の視点に立って物事を考える力と、異なる考えを話すその相手にも心があるのだと忘れないようにすることが大切なのかもしれません。
小さなコマのなんてことない場面でも、整の言葉から得られる気づきがたくさんあります。
ぜひ『ミステリと言う勿れ』ではストーリーはもちろん、整の絶好調なおしゃべりにも着目してみてください。
ライカ 門脇 麦
犬堂愛珠 白石麻衣
天達春生 鈴木浩介
青砥成昭 筒井道隆
犬堂我路 永山瑛太
他
■原作
『ミステリと言う勿れ』
田村由美
(小学館『月刊フラワーズ』連載中)
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