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そんな2022年、新ヒーローとして降臨したのが、7月からテレビ東京系にて放送が始まった『ウルトラマンデッカー』。本稿では古参ファンの筆者がウルトラマンシリーズの歴史を紐解きながら、最新作の見どころに迫ります。これまでのウルトラマンシリーズには見られなかった数々の挑戦的な点とは。
INDEX
『ウルトラQ』は、ごくごく普通の人間たちが怪獣や宇宙人たちによる不可思議な事件を目撃し、いかにして解決されていくかというものを映し出したミステリー色の強い作品だったのに対し、『ウルトラマン』は怪獣退治の専門家である科学特捜隊や正義のヒーローであるウルトラマンを登場させることによって、「対怪獣」というバトルものに仕上げることに成功。
同作が今なお続く「ウルトラマンシリーズ」もとい特撮ドラマのフォーマットを築き上げたと言えるのです。
現在は、2013年の『ウルトラマンギンガ』よりスタートした「ニュージェネレーションヒーローズ」シリーズが展開中となっています。
そして言わずもがな、2022年は「平成ウルトラマン」シリーズ第2作となった『ウルトラマンダイナ』25周年のアニバーサリーイヤーとなります。つまりは『ウルトラマンデッカー』は、まさに令和版の『ウルトラマンダイナ』と言えるわけです。
そんな中、謎の生命体スフィアが人類の宇宙進出を阻み、スーパーGUTSのアスカ・シン隊員はスフィアから火星基地を守るために立ち向かいますが、絶体絶命のピンチに陥ってしまいます。その時、彼のもとに光が現れ、新たなる光の巨人・ウルトラマンダイナとなるのです。
『ウルトラマンティガ』と同じく、敵に合わせて、バランスの取れたフラッシュタイプ、超能力を操るミラクルタイプ、パワーに優れたストロングタイプの三形態を駆使して、地球の怪獣や様々な侵略者たちと戦闘を繰り広げました。『ウルトラマンティガ』の延長線上にあるような作品ではありますが、より明るく、コメディ要素にも優れた作品だったのが印象深いです。
物語は、トリガーの戦いから7年後。人類の未知なる世界への探求心「ネオフロンティアス ピリッツ」が宇宙へと拡大した時代が舞台。
物語の導入部や主人公アスミ カナタの熱血漢で向こう見ずなキャラクター設定は、かつての『ウルトラマンダイナ』の流れと似ており、まさに『ダイナ』のエッセンスを引き継いでいるということを印象づけます。
まずウルトラマンデッカーのデザインに注目してみましょう。基本形態となるフラッシュタイプ、パワーに特化したストロングタイプ、超能力を駆使するミラクルタイプ…ダイナとタイプ名は同じものなのですが、デザインが全く異なっているのです。
背面から観た時でも左右非対称のデザインになっており、これまでのウルトラマンにはなかった斬新なフォルムが目を引くのです。
こういった“変身者の怪我”というのは暗黙のルールであるかのように、これまで多くの「ウルトラマン」作品では曖昧模糊にされてきた部分でした。そこをあえて明確にすることでリアルな印象を与えていることに大変驚かされた次第であります。
導入部でメインキャラクターを訓練生という位置付けにしておき、そこから防衛チームであるGUTS- SELECTへの入隊を目指すための試験のようなものを描き、入隊後も力が拮抗したメンバー同士で切磋琢磨し合い、時にはぶつかり、時には協力することで難局を乗り越えていく……まさに「友情・努力・勝利」の少年漫画のような三大要素が組み込まれた作品になっています。
1990年代に幼少期を過ごした身としては、いずれは『ウルトラマンダイナ』と物語が繋がることを大いに期待したいところです。
メイン監督:武居正能/シリーズ構成・脚本:根元歳三・足木淳一郎
監督:辻本貴則・坂本浩一・越知靖・内田直之・中川和博・田口清隆
脚本:中野貴雄・継田淳・ハヤシナオキ・皐月彩・鶴田幸伸
オープニング主題歌:SCREEN mode/エンディングテーマ:影山ヒロノブ
■エンディングテーマ 「カナタトオク」
歌:影山ヒロノブ 作詞・作曲:影山ヒロノブ 編曲:寺田志保
リリース情報:後日発表
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