天才俳優・菅田将暉が演じた2次元キャラ。美青年も地味メガネも再現するスゴさ

まだ20代ながら、日本を代表する名優として数々の映画、ドラマに引っ張りだこ、歌手活動もしている多才な菅田将暉さん。言わずもがなの美貌と演技力で、再現の難しそうな2次元キャラも演じてきました。

今回はおすすめのマンガ実写化作品を振り返ります。

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『銀魂』志村新八:イケメンオーラ完全封印!?

何でもありのギャグマンガ『銀魂』では、実写化がきまり新八役が菅田将暉と発表された際は、マンガ本編内で、「なんでお前が将暉なんだよ」と銀さんがツッコみ出す始末でしたが、いざ完成された映画を見たら「原作そのままの新八がいる!」と思ってしまうくらいビジュアルもしゃべり方も完璧な新八がいました。

メガネと髪型とちょっと猫背な感じまで再現していて、イケメンオーラが完全封印されている様に驚いた観客も多かったのではないでしょうか。

原作、アニメともに『銀魂』ドンピシャ世代で、「生アフレコ会行きたいなっていうくらい大好き」とインタビューで語っている菅田さんは(※)、アニメの阪口大助さんのハイテンション「オイィィィ!」ツッコミも、その逆のローテンションなボソッとツッコミに少し寄せつつもしっかり自分の新八像を作っています。

強烈なキャラが多い中で、この常識人枠の新八役がしっかりしていたからこそ、実写化が上手くいったのかもしれません。

※映画ナタリー「銀魂」小栗旬×菅田将暉インタビュー より:https://natalie.mu/eiga/pp/gintama

『帝一の國』赤場帝一:“シリアスな笑い”に爆笑。コメディ俳優としての実力

菅田将暉さんを筆頭に、野村周平さん、竹内涼真さん、志尊淳さん、千葉雄大さん、間宮祥太朗さんと、超豪華なイケメン俳優陣で、古屋兎丸先生の同名マンガを実写化した本作。

ビジュアル面の美しさと反して、原作の異様なテンションと世界観を余すことなく再現しています。

かっちり過ぎる七三ヘア、大真面目な濃ゆい表情で「シリアスな笑い」を取り続ける菅田さん、コメディ俳優としての才能も抜群です。

吉田鋼太郎さん演じる父・譲介とのハイテンション「答え合わせ」シーンは劇場が揺れるような爆笑に包まれていました。後に何度も共演する永野芽郁さんとのカップル役も、可愛らしくて癒されます。

『アルキメデスの大戦』櫂直:戦前の昭和の“天才”がそこにいた。

『ドラゴン桜』の三田紀房先生が戦争を独自視点で描いた『アルキメデスの大戦』の実写化で、菅田さんは主人公の数学の天才の櫂直(かい・ただし)を演じています。

もう空軍が戦局を分ける時代だった当時、帝国海軍が進めている世界最大の戦艦・戦艦大和の建造費が異常に安い理由を探って大和誕生を止めるために山本五十六(舘ひろし)と彼に雇われた櫂の奮闘を描いています。

濃い目の昭和顔でもある菅田さんは、実際に数学が得意ということもあり、さらに勉強を重ねたうえで演じたクライマックスのリアルな大和建造費を算出する数式を黒板に書いていくシーンは圧巻です。数式を実際にしっかり理解して演じており、まさしく戦前の昭和の「天才」がそこにいました。
DVD『アルキメデスの大戦』

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その他、いろんな場所で思い立ったら巻き尺で測量を始めてしまう変人ぶりも違和感がなく、柄本佑さん演じる彼に付き添う叩き上げの堅物少尉・田中正二郎との関係性もエモいです。
そして、ラストでは、結局は大和が建造されてしまう理由が映画オリジナルの解釈で描かれており、最後の菅田さんの切なすぎる表情とあるセリフが心に残ります。山崎貴監督が「戦艦大和が抱える問題は、今の日本という国を考えるという点につながる」と語るのも納得の、考えさせられるラストです。

『セトウツミ』瀬戸小吉:“普通っぽい”菅田将暉が見られる

此元和津也先生の人気マンガ『セトウツミ』の実写化で、菅田さんは主人公の一人、サッカー部の瀬戸役を演じています。

大阪の男子高校生が川べりでだべるゆるい原作の雰囲気をしっかり再現しており、池松壮亮さん演じる内海と瀬戸のどうでもいい会話がクセになる内容です。

独特な間や表情、セリフ回しも原作を読んでいて感じるそのままで、演技巧者ふたりのやり取りに笑いつつ唸らされます。
実際に大阪出身でサッカーもやっていた菅田さんの、いちばん「普通っぽい」素の魅力が見られる作品です。

『溺れるナイフ』長谷川航一朗:神のような美しさと人間臭さ

人気少女マンガ『溺れるナイフ』(著:ジョージ朝倉)の実写映画で、菅田将暉さんはヒロインの望月夏芽(小松菜奈)と恋に落ちる神秘的な美少年・長谷川航一朗、通称・コウを演じました。

17巻ある原作を映画の尺にしているため、どうしても二人が互いを好きになっていく過程は端折られてしまいます。

小説『映画 溺れるナイフ』(講談社)

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しかし、白髪のような金髪で海を揺蕩う菅田さんの圧倒的なビジュアルの説得力もあり、初登場から小松菜奈さん演じる美少女が惚れてしまう「神に近い特別な少年」として納得できました。神のような美しさもありつつ、中盤以降に二人に降りかかる恐ろしい試練に翻弄されるさまは人間臭く、だんだんと特別感が剥がされていく過程も先生に演じていて見どころです。
2度目の共演だった菅田さん、小松さんは、2週間ちょっとの本作の撮影を「1年にも感じる特別な時間だった」と振り返っています。2人がのちに結婚するのも納得がいってしまう、特別な恋愛映画です。

(執筆:今泉)

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