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『遙かなる時空の中で6』内の”終末の予言”がダリウス(鈴村健一さん)のナレーションで読み上げられ、空気がピリッと引き締まる会場。
メインBGM『黒蝶』が流れると、そこはもう帝都東京――いえ、”蠱惑の森”。
そこにキャストが客席内の通路から登壇します!
「楽しませてくれるんだろ?」と本条政虎役の竹本英史さん。
「私についてきてください。」と神子をエスコートするかのようなルードハーネ役の立花慎之介さん。
「いっぱい笑顔を見せてほしいな、ね、?俺の女神様!」と笑顔がはじけるコハク役の阿部敦さん。
最後に、ダリウス役の鈴村さんが、ルードたちに迎えられるように、ステージ中央から静々と登場。
「どれだけに君を待っていたか……伝わるかい? 愛しい、俺の運命殿。」と囁くと、会場からは大きな拍手が送られました。
実は鈴村さんがダリウスとしてステージに立つのは約3年ぶり。待っていたのはこちらもです! という気持ちでいっぱいなのは、お客様も、そしてルードや虎、コハクたちも同じかもしれません。
梓がいなくなってから元気のないダリウスを励まそうと、広間で傘回しを披露するコハク。
ジャガイモだけでは飽き足らず、陽気に「おめでとうございまーす!!!」と、高価な骨董品の花瓶を回し始め、むしろダリウスを青ざめさせてしまいます。
「絶っ対に落としてはいけませんよ!」と呼びかけるルードに、「フリ?フリなの?」とおどけてみせるコハクでしたが、次の瞬間、花瓶が傘から転がってしまい……!?
すると間一髪、ダリウスが瞬間移動し、見事に花瓶をキャッチ! 思わぬ形で鬼の一族の力を使ってしまうのでした(笑)。
ダリウスにたしなめられ反省するコハクでしたが、虎はそもそも食事もとらずまだ年若いルードやコハクにまで心配をかけるダリウスが悪い、とダリウスに詰め寄ります。
皆に気遣われていたことを自覚したダリウスは謝りつつ、感謝の気持ちを伝えるのでした。
最後にはいつもの調子に戻り、自分も傘回しをやってみたいと言い始めるダリウス! 掛け声をかけるコハク、傘の上に物を投げる虎、ダリウスが落としたものをすべて拾っていくルード、「これは面白いな!」とマイペースに傘回しを楽しむダリウス――蠱惑の森は斯くもにぎやかでした。
まず初めは、精鋭分隊の片霧秋兵から「新作のシベリアを作りたいのですが、羊羹のほかに何を挟めばいいと思いますか?」というお悩み(?)が。秋兵の好物として有名なシベリアは、カステラの間に羊羹が挟まっている和菓子です。
鈴村さんは色々な案を出しつつ最終的には「やさしさ」と回答し「鎮痛剤か!」と竹本さんにツッコまれます。
そんな竹本さんは、もはや秋兵自身が挟まれてしまえ! と「お前」と回答。
立花さんは中の人(岡本信彦さん)も甘党だからという理由で「カステラを蒸し羊羹に変えて、羊羹で羊羹を挟む」という斬新な案を提案します。
阿部さんは「食べながら歯を磨ける、3色の歯磨き粉」と回答し、アンフィニのKanさんから「インスタ映えはしますね!」とフォローされ……全員が迷回答でしたが、会場の判定で竹本さんが優勝!
秋兵が挟まれたシベリア、売っていたら言い値で買ってしまいそうです(笑)。
続いては里谷村雨から「珈琲を飲んでも眠い時にはどうしたらいいのか」という小説家らしいお悩み相談です。
竹本さんは中の人(安元洋貴さん)に向けて「いつもの動画探しをすればいいじゃん安元くん」とネオロマンス的にギリギリな回答、続けて立花さんも「ハイになる薬を打つ」と回答し、司会の久遠さんもたじたじです。
流れを変えてくれるかと思った鈴村さんでしたが、「斧でドーーーン!」と斧で頭を殴っている個性的なイラストで回答します!
すべてを託された阿部さんは「まぶたの上に目を描く」という回答をこちらもイラストで披露、どうやら昼公演で有馬が笑顔を作るにはどうすればよいかというお悩みにて、「笑顔を顔に描く」回答したものの”天丼ネタ”だったようです。
結果は唯一実践可能そうな阿部さんの回答が優勝!
キャストの自由な発想がはじけた、名(迷?)バラエティコーナーとなりました。
”帝国商事”の片霧秋兵企画部長から業務提携をもちかけられたコハクは、”帝国商事”が以前に出版を断念した里谷村雨の書き下ろし小説を自社で買い取って出版するのはどうか、という企画案を出します。
”帝国商事”の有馬営業部長には「止めはしないが、やめておいた方が身のためだ。」と言われたというダリウス……ところで非常に有馬部長の物真似が上手です(笑)。しかし目の前のビジネスチャンスを逃すまいと燃える虎とコハクの勢いに押され、今回の企画を進めることに。
しかし、届いた本を見ると、非常に個性的な挿絵と、“絵師:萩尾九段”の記載が……。これは売れそうにない、と責任を取って図書館に寄贈して回る羽目になる虎とコハクなのでした。
想像以上に沢山のキャラクターが登場し、盛り上がったパロディミニドラマ。機会があれば、”帝国商事”側も覗いてみたいものです。
この日の会場を1番熱くしたのは、コハクと虎のデュエットソング『恋祭』でした。間奏で竹本さんが「あの女のこと、好きなんだろ? だがな、俺は絶対にあの女を譲らねぇ。」と喧嘩を吹っ掛けると、阿部さんは「奇遇だね政虎さん。おれも絶対譲らないよ。女神様はおれのものだよ。」と客席に微笑みかけ、神子様に猛烈アピール! “花火”ではなく”火花”が飛んだ『恋祭』となりました。
キャラクターソングコーナーの後は、あっという間にエンディングとなり、アンコールでステージに登場したキャストの皆さん。アンフィニのユーキさんからは「皆さんから分厚い声援をいただいて……」という迷言が飛び出し、鈴村さんは「そういう面白い発言は早めに出してよ!」と大爆笑でした。
コハク役の阿部さんからは「今日の『恋祭』の間奏での(虎との)掛け合いはアドリブでした」という驚きのカミングアウトがありました! 2015年3月に発売された『遙か6』はまもなく4周年。「とっさにああいった会話がキャラクターとして出来るようになったのは、年数を重ねてきた成果であり、作品とキャラクターを応援してくださっている皆さんのおかげです」と感謝を述べる阿部さんでした。
鈴村さんは、今回の会場となった綾瀬市オーエンス文化会館は初めて来たそうで、「このチームがいれば、どこでイベントが開催されても作品、物語がついてきてくれるんだなと思いました。ここで開催されたことも何かの“運命”。またいろいろなところで皆さんと会えるように精進します」と締めくくりました。
最後は蠱惑の森キャスト全員で『時空を旅する君へ』を大合唱し、イベントは終了。綾瀬市に1日限りの“蠱惑の森”が現れた夜となりました。
撮影/大山雅夫
執筆/通崎千穂(@tsu_otometsu)
編集/白鳥雅(@numan_miyabi)
■DATA
『遙かなる時空の中で6 ファン感謝祭 ~蠱惑の森~』 | |
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公演日程 | 2019年2月10日(日) 〈昼の部〉14:30開場 15:00開演 〈夜の部〉17:30開場 18:00開演 |
会場 | 綾瀬市オーエンス文化会館 大ホール |
出演者 | ダリウス役:鈴村健一 コハク役:阿部 敦 ルードハーネ役:立花慎之介 本条政虎役:竹本英史 |
司会 | 久遠一 |
アシスタント | アンフィニ(Kan、ユーキ) |
公式サイト | https://www.gamecity.ne.jp/event/2019/kowaku/ |
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