numan編集部
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――エド以外にもロイ・マスタング役が蒼木陣さん、和田琢磨さん、ニーナ・タッカー役が小川向日葵さん、尻引結馨さんとWキャストでしたが、それぞれの演じるロイとニーナはいかがでしたか?
一色:
子役のふたりもやっぱり違いはあったよね。結馨ちゃんのほうがガーリーで、向日葵ちゃんのほうが飾らない感じのニーナだったかな。
廣野:
たしかに、あどけない感じがあった! 尻引ちゃんのほうが“女の子”って感じで。
眞嶋:
本棚のセットだったのもあり、ふたりとも本が似合う感じはありましたよね。
廣野:
マスタングは陣くんのほうがより青年っぽい印象がありました。彼も若くして軍の上層部に上り詰めたというのもあり、エドたちと一緒に成長している感じがあって。琢磨さんのマスタングは堂に入っている感じでよりどっしりしていて、エドたちの成長を見守ってくれている感じがありました。どっちもマスタングなんですが、印象が違いますね。
一色:
うんうん。今の例えが絶妙で、たしかに陣くんのほうが大佐になってまだ間がない感じで、琢磨さんのほうは大佐になってからひとつふたつ死闘を繰り広げたあとのような目の据わり方をしている印象があります。
お芝居で言うと琢磨さんのマスタングは柔軟性がすごくて。制作発表のときだと思うんですけど「自分はいろいろな愛情があるなかで、深い愛情をマスタングに持たせたい」みたいなことをおっしゃっていて。それを稽古初日から見事に体現されていたんです。マスタングは戦友が亡くなるというかなり難しいシーンがありましたが、あの墓前のシーンは如実にマスタングふたりのお芝居が違ったところかと思います。
陣くんのほうはそばにいた友人が亡くなって、まだ自分のなかでも整理がついていないような印象を受けました。琢磨さんのほうは「“死”そのものに慣れている自分が嫌だ」みたいなところがあって、戦友の死にすら冷静さを保っていて、復讐に燃えている自分が嫌で、その気持ちを落ち着けることで手いっぱいで涙が溢れてくる……みたいな。涙の質が違うのが面白かったですね。
眞嶋:
抽象的になっちゃうんですけど、陣さんのマスタングにはフィジカルの強さやどしっとした炎を感じました。稽古場でもずっと足を浮かせて体幹を鍛えていたりして。
廣野:
逆立ちとかしてたよね(笑)。
眞嶋:
そうですそうです! 逆に琢磨さんのマスタングは、冷静さだったりちょっとひやっとするところの出し方が素敵で、ふたりのマスタングは対照的に感じました。
――Wキャスト配役であることの楽しさ・大変さとはどんなことでしょう?
一色:
ふたりいるので、休憩時間があるのは単純に嬉しいですけど。
廣野:
そうだね(笑)。
眞嶋:
通し稽古のときに真ん中で見ていましたよね? あれ「いいな」ってずっと思ってました。
一色:
演出家さんみたいな気分で見てた。
眞嶋:
あの景色は、自分が出演している限り見られないので……。
廣野:
あれはね、さち子さんに「あんたらは真ん中で見なさい」って言われたから。「将軍の見る景色」じゃないですけど、たしかに真ん前の演出家目線で見ると「このアクションだと足りない」みたいに気が付けることが多かったです。それがひとつの楽しさでしたね。大変な部分は、自分はもちろんさち子さんや観客全員に比べられること。まったく同じことをする必要はないと分かってはいますが、Wキャストに付きまとうものなので、このプレッシャーは仕方がないことだと思いますけどね。
一色:
やっぱりさ、お互いのいい部分は目に留まるんだよね。
廣野:
自分もこなせてはいるんだけど、それよりいいことをしているのを見ると「そうか~」って思っちゃう。大変さは、自分にはないものを相手に見たときですね。
一色:
しかも、そのいいところほど手が届かないんだよね。「ああすればいいのか」というレベルではない、即座に修正できないものばかりが目についてしまう。役者として何年かやってきて、悪い意味で凝り固まっている部分が僕の中にもあって。でも凌ちゃんが何気なくやってのけることの大半が、僕にとっては即座に対応できないものばかりなんですよ。それにもまたダメージを食らうんだよね。
「これは今回だけで修正できるものじゃないぞ」みたいな。「今後の俳優人生の課題」じゃないかと思わせられることも多かったので、後々には恵まれていたなと思える財産になると思うのですが、参加しているときは大変だと思うことが多かったです。
廣野:
(ひとりで一役を演じている)シングルキャストのときは答えが自分だけしかないけれど、Wキャストだと答えが何通りもあるというのを視覚化されるわけなので。普段も自分のなかでいくつものパターンがあって、そのなかから選んだものを「これが答えだ!」って見せているわけですが、もうひとつ答えがあると証明問題みたいじゃない?
一色:
いろんな解き方がある証明問題ね。
廣野:
自分が得意ではないことで誰かが答えを証明しているのを見ると「隣の芝生は青く見える」かもしれないですが、悔しく思ってしまいますね。
――昨年の舞台『鋼の錬金術師』でとくに思い出深いことを教えてください。
一色:
東京公演の初日を、原作者の荒川弘先生が観にきてくださって。それは廣野エドと和田マスタングの回だったんですよね。僕・陣くん・さち子さんは客席に並んで観ていたんですけど「この客席のどこかにこの作品を生み出した人がいて、原作に携わったスタッフさんたちも観ていて、ステージではその物語が展開されていて……」と考えていた、あの劇場での鳥肌が立つ空気感は今でも忘れられません。
廣野:
こっちはもう「やるしかないな」という気持ちでした。洋平さんだってきっと荒川先生に自分が演じるエドを見せたかったと思うから、いろんな思いを背負って演じていたのでそこまでのプレッシャーはなかったです。
僕が思い出深かったのは、大千穐楽。みんなで壇上に上がってあいさつをしたときに改めて「絆が深まったな」と思いました。本当に1年に1回でいいなというくらいのキツイ現場でしたが、いいものを作るために自分で自分を追い込んで臨めた舞台だと思うんです。2か月みっちり稽古をして、休みも全然なくて本当にずっと「ハガレン」と向き合ってた。これは文句なんですけど(笑)。
一色:
元日から稽古してたからね(笑)。
廣野:
「その全部が終わる」というときの達成感はなかなか味わえないものでした。
眞嶋:
僕は稽古場からいちいち起きることに感動していました。電話ボックスの演出で、みんなの手によってシーンが出来上がった瞬間とか、石丸さんのアイデアにみんなが食らいついて行く瞬間だとか。生バンドだったので演奏者の方たちも一緒に演技をしているように息が合わさっていってそれにも感動しました。
――前作を受けての「それぞれの戦場」での役作り、お芝居などで意識したいことは?
一色:
1年経つとけっこう俳優としての感覚も変わっています。なんだったら、1週間とか1か月で変わることもあるんです、俳優観って。それで今戯曲のエドを読むと全然違う感じ方をする部分もあって。1年という時間の長さを改めて感じました。前回の舞台で俳優として手に入れたものって、別の現場はもちろん次作でさえまったく使えない場合もたくさんあるんです。でもエドとしては物語のなかで前作を踏まえた成長をしていないといけないから、そこの反比例が難しいなとは思います。
廣野:
前作を経てエドも成長していますが、今回の「それぞれの戦場」のなかでこそエドの人格とメンタルが完成する瞬間がある気がしています。この1年で俳優として成長した部分を込めつつもう一度エドを作ったら、前作よりも成長したエドが見せられるんじゃないかと思うので、今回も自然体でいきたいなという気持ちはあります。
前作に自信がある分、それをなぞってしまうと前作を超えられる気がしないので、僕らが千穐楽までで培ったものではないエドを再構築しないといけないだろうなと思っています。
眞嶋:
アルとしては前作もそうでしたが、新たなキャラクターとの関わりですね。エドとアルの旅ではありますが、サブタイトルの「それぞれの戦場」の通り、いろんな人の物語が描かれるなかで、どうなっていくのかというドキドキはありますし、また航成さんとアルを作れるのも楽しみで心強いです。
――舞台『鋼の錬金術師』―それぞれの戦場― に向けての意気込みをお願いします。
一色:
できれば戦わずに穏便にいきたいところですが、そうもいかないのが「鋼の錬金術師」です。楽しみなのは今回から参戦するシン国チーム。
廣野:
僕もシン国チームと軍部が楽しみですね。人数が増えた分、演出の矛先も分散してくれるかも……(笑)。
一色:
軍部もメンバーがすごく増えてるからね(笑)。
廣野:
前作からとか新キャストだとか関係なく、みんなで手を取り合っていきましょう! 戦うというより、助けてほしい。「一緒にさち子さんと戦ってください!」という感じです(笑)。
一色:
みんなでさち子さんに立ち向かわないといけないからね(笑)。
廣野:
前作の強力なキャスト陣が、今回も出演してくれるのが心強いです。ヨキ役の大石継太さんは、前回はショウ・タッカー役で出演されていましたし。
眞嶋:
全然違う役なのにすごいですよね。フー役の新田健太さんは、前作では殺陣を担当されていた方なので、楽しみでもありますがちょっと怖い気もしています。
一色:
舞台になったときに、人数の都合で登場人物が減ってしまうことってあると思うんですよ。そんななかでシン国チームや軍部を勢揃いさせてくれるのが嬉しかった。
廣野:
頼りになる仲間たちなので、みんなで戦っていきたいし、お客さんも巻き込んで楽しみたいと思います。
撮影/徳永徹
スタイリスト/津野真吾(impiger)
ヘアメイク/アトリエレオパード
●一色さん
シャツ¥35,750、中に着たシャツ¥34,650/lees、パンツ¥30,800/Mizuid、その他スタイリスト私物
●廣野さん
シャツ¥46,200/THE JEAN PIERRE(ADONUST)、中に着たシャツ¥3,850/原宿シカゴ、その他スタイリスト私物
●眞嶋さん
ブルゾン¥4,950/原宿シカゴ、その他スタイリスト私物
※全て税込価格
舞台『鋼の錬金術師』―それぞれの戦場(いくさば)―
■公演スケジュール
東京公演:2024年6月8日(土)~6月16日(日)日本青年館ホール
大阪公演:2024年6月29日(土)~6月30日(日)SkyシアターMBS
■チケット(全席指定/税込)
グッズ付S席(1階席) 12,500円
※劇場にて【限定グッズ(非売品)】をお渡しします。
A席(2階席) 9,500円
注釈付きS席(グッズ付) 12,500円
※ステージや演出、映像の一部が見えにくい可能性がございます。ご了承の上、お買い求めください。
■チケットに関するお問い合わせ
ローソンチケット:https://faq.l-tike.com/
【公演に関するお問合わせ マーベラス ユーザーサポート】
https://www.marv.jp/support/st/
ユーザーサポート営業時間【10:00~17:00 土日祝日休業日を除く】
※営業時間外にいただいたお問い合わせは翌営業日以降のご返信となります。
■STAFF
原作:「鋼の錬金術師」 荒川 弘(「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
脚本・演出:石丸さち子
音楽監督:森 大輔
作詞:石丸さち子
作曲:森 大輔
美術:伊藤雅子
照明:日下靖順
音響効果:天野高志
音響:増澤 努
映像:O-beron inc.
舞台監督:今野健一
ヘアメイク:馮 啓孝 井村祥子
衣裳:渡邊礼子
小道具:羽鳥健一
殺陣:新田健太
演出助手:矢本翼子
楽器:中平チェリー皓也
制作進行:麻田幹太
宣伝デザイン:山代政一
グッズデザイン:山代政一 石本寛絵
デザイン協力:石本茂幸
フォトグラファー:TOBI
■CAST
エドワード・エルリック 役:一色洋平/廣野凌大(Wキャスト)
アルフォンス・エルリック 役:眞嶋秀斗
ウィンリィ・ロックベル 役:岡部 麟
ロイ・マスタング 役:蒼木 陣/和田琢磨 (Wキャスト)
リザ・ホークアイ:佃井皆美
ジャン・ハボック:君沢ユウキ
ヴァトー・ファルマン:寿里
デニー・ブロッシュ:原嶋元久
ハイマンス・ブレダ:滝川広大
ケイン・フュリー:野口 準
マリア・ロス:七木奏音
リン・ヤオ:本田礼生
メイ・チャン:柿澤ゆりあ
フー:新田健太
ランファン:星波
ティム・マルコー:阿部 裕
ヨキ:大石継太
イズミ・カーティス:小野妃香里
ラスト:大湖せしる(※※)
エンヴィー:平松來馬
グラトニー:草野大成
ピナコ・ロックベル:久下恵美
キング・ブラッドレイ:谷口賢志
傷の男(スカー):星 智也
ゾルフ・J・キンブリー:鈴木勝吾
ヴァン・ホーエンハイム:鍛治直人
スーツアクター アルフォンス・エルリック 役:桜田航成
ENSEMBLE:真鍋恭輔 田嶋悠理 榮 桃太郎 丸山雄也
※Wキャストは五十音順
※※出演者が変更になっております
■BAND MEMBER
Band Master & Key.:森 大輔
Gt.:オオニシユウスケ
Dr.:直井弦太
Ba. :富岡陽向
主催:舞台『鋼の錬金術師』製作委員会
■公式HP
https://stage-hagaren.jp/
■公式X
@stage_hagaren
■公式Instagram
stage_hagaren_official
https://instagram.com/stage_hagaren_official
■【第二弾上演記念】舞台『鋼の錬金術師』超ロングダイジェスト
https://youtu.be/3Js16rTaS4c?si=Tep6CR9fI1k_rWz3
■推奨タグ
#舞台ハガレン
#FULLMETALALCHEMIST
©荒川弘/SQUARE ENIX・舞台「鋼の錬金術師」製作委員会
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