羽賀こはく
横浜市出身。インタビュー記事をメインで執筆。愛猫2匹に邪魔をされながらゲームや漫画を楽しむことが生き甲斐。
推させる側にも推しがいる。
そして、推される側だからこそ”推し方のコダワリ”があるはず。
そんな推されている人たちがどのように推し活をしているのか話を聞く「推し活マイルール」。
今回登場いただくのは、2024年にアーティストデビュー10周年を迎える声優アーティスト・大橋彩香さん。
『黒子のバスケ』『東京卍リベンジャーズ』『ブルーロック』など、男子キャラクターがたくさん登場するアニメや漫画にハマりがちな大橋さん。最近は、映画の影響で『ハイキュー‼』に再燃しているそう。
また、幼少期からコレクション癖があり、「グッズやガチャでとにかく推しにお金を使う」「推しのグッズで家の中を彩る」といった推し活エピソードを繰り広げます。
そんな大橋さんが掲げる推し活マイルールは、「出来る限りコンテンツの経済を回す」。そして、声優・アーティストとして推される側でもある彼女の今の目標を、「ファンにとって自慢の推しになる」と話します。
推す側、推される側、どちらの気持ちも理解している大橋さんの推しトークをたっぷりとお届け!
さらに、ずっと抱いてきた「個性がない」という悩みを表現し、自分らしい歌い方や新しい一面を見い出した4th Album『Reflection』についてもお聞きしました。
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INDEX
――早速ですが、大橋さんの“今の推し”についてお聞かせください!
大橋彩香(以下、大橋):
いつも同時並行でいろんなものにハマりがちなのですが、最近だと『ハイキュー‼』ですね。声優になる前、かれこれ10年以上好きな作品ではあるものの、映画(『劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦』)を観に行ったのをきっかけに再燃してしまいました。
『ゴミ捨て場の決戦』が本当に最高で……顔を左右に傾けて涙が流れないように、必死で涙を目に馴染ませていました(笑)。あと5回は観に行こうかなと思っています!
――もともとバレーボールはお好きだったんですか?
大橋:
いえ、『ハイキュー‼』にハマる前はテレビで試合が放送していたら観るくらいで。そこまでバレーボールに詳しくありませんでした。
だけど、私は推しの気持ちを知りたいタイプなので、『ハイキュー‼』にハマってから実際にバレーボールの試合を観に行ったり、実際に自分でもプレーしてみたりして、「推したちはとんでもないことをしているんだな!」と身をもって体感しました(笑)。
――ご自身でバレーボールをプレーするまでハマっていたとは……! そこまで大橋さんを熱くさせる『ハイキュー‼』の魅力とは?
大橋:
ストーリーもキャラクターも全部魅力的です。原作漫画はもちろん面白いのですが、アニメになると演出や音楽周りのこだわりをすごく感じて、トータルで総合点数が高すぎる作品だと思います。
また、『ハイキュー‼』はキャラ同士の関係性もすごく好きです。関係性オタクなところもあるので、研磨(弧爪研磨)とクロ(黒尾鉄朗)の幼馴染の関係性や、及川さん(及川徹)と岩ちゃん(岩泉一)の最高の相棒の関係性がたまらない……。
ちなみに、『ゴミ捨て場の決戦』でクロの株が爆上がりしました。漫画で読んでいた時よりも好きになって、『ハイキュー‼』好きな友達と「クロはいい男だな……」と盛り上がりました(笑)。
――『ゴミ捨て場の決戦』で活躍する黒尾を含め、『ハイキュー‼』は個性豊かで魅力的な学校やキャラクターが多く登場する作品ですが、中でも大橋さんが推している学校やキャラクターを教えてください!
大橋:
推し学校は主人公・日向翔陽が所属する烏野高校なのですが、どの学校も試合に負けてほしくなくて「みんな優勝でよくない!?」という気持ちでいつも彼らの試合を観ています。
最推しキャラは及川さんです。及川さんへの愛が1番深い気がします。
――及川さんのどんなところが推しポイントですか?
大橋:
普段はニコニコして人当たりが良いのに、実は負けず嫌いで子どもっぽい、それなのにチームメイトからは絶対的な信頼を置かれているところが好きです。天才に対してコンプレックスがあって、飄々としているのにすごく努力家なところもギャップがあって魅力的ですね。私も天才に対してコンプレックスがあるので共感してしまいます(笑)。
ほかにも、どの学校でも「セッターが好き」という共通点があって、及川さんとの関係が深いキャラである影山飛雄も好きです。
――「同時並行でいろいろなものにハマっている」とお話されていましたが、『ハイキュー‼』のほかにどのような作品へハマってきたのでしょうか?
大橋:
昔から好みのキャラクターをモチベーションに作品へ触れることがほとんどなので、歴代ハマった作品はすべてキャラクターの男女比の割合で男子の方が多いと思います。『ハイキュー‼』もそうですし、『黒子のバスケ』『東京卍リベンジャーズ』『ブルーロック』とか。キャラ構成が基本男子!(笑)
よりどりみどりなので、そこから推しキャラを見つけています。
――どんなキャラクターを推しがちなのでしょうか。
大橋:
『ハイキュー‼』の及川さんのほかに『黒子のバスケ』の黄瀬涼太とかも好きなのですが、先ほどお話した関係性オタクでもあるので、ライバルや相棒など関係値の深いキャラがいるキャラを好きになりがちだと思います。
昔は、人にからかわれると「やめろよ!」と吠えるようなワンコ系のキャラか、自分の年齢より年上のキャラを好きになりがちだったんですけど……25歳を超えたあたりから年下のキャラを「カワイイな……」と思うように。
自分の年齢が上がったことにより、金髪で青い目、銀髪で赤い目などちょっと中二病心をくすぐられるような、母性を掻き立てられるようなキャラを好きになりました。ほかにも、今はクール系や少し変わり者のキャラも好きです。触ったらヤケドしそうなとげとげしいタイプのキャラも魅力的ですね……。
――かなり守備範囲が広いですよね。
大橋:
結構ブレブレだと思います。結局はイケメンだったら何でもいい!(笑)
――推しキャラの共通点が「イケメン」というのは分かりやすい(笑)。そんな推しキャラたちを大橋さんはどのように推しているのでしょう。
大橋:
そうですね……(逡巡しながら)とにかく推しにはお金を使うタイプですね(笑)。グッズを集めたり、コラボカフェやコラボイベントに足を運んだり。アプリゲームのガチャで推しキャラがピックアップされた時には、完突するまでガチャを回します。
例えば、今1番ハマっている『ハイキュー‼』だと、マネージャーさんを連れて『ハイキュー‼』コラボをしている回転寿司へ行きました。5皿で1回まわせるガチャガチャがあるのですが、ラバーストラップが欲しいのに缶バッジしか当たらなくて……「ひーひー」言いながら頑張ってたくさん食べました(笑)。
あと、最近はぬいぐるみを集めるのにもハマっています。
――“ぬい活”もしているんですね。
大橋:
はい! 推しキャラクターのぬいと一緒に出かけて、写真を撮っています。
中国の『未定事件簿』という乙女ゲームにハマっている時、ちょうど中国でファンミーティングをする機会があったんですね。
なので、『未定事件簿』の推しキャラのぬいと一緒に上海のディズニーランドへ。乙女ゲームのキャラぬいとジェラトーニ(ディズニー『ダッフィー&フレンズ』の世界に登場するキャラクター)のぬいぐるみという異質な組み合わせで楽しんでいました(笑)。
日本に帰国しました✈️𓈒𓂂𓏸
今日は初めて上海ディズニーランドに
行けて嬉しかったです🥹!!
カリブの海賊もトロンも2回ずつ、
しかも1回は最前で乗れちゃいました✌️❤滞在時間は短かったけど、
とっっっても楽しかったです!!#あやかとがんばる 内でも話そうかな🫶🏻❤
他にも楽しい思い出が… pic.twitter.com/Eh69IbKHZV— 大橋彩香 official (@AyakaOhashi) October 22, 2023
推しと一緒にいられる気持ちになったり、推しが形として残ったりするものが欲しいタイプのオタクなんです。
――お話を聞いていると収集癖もありそうだなと思うのですが、子どもの頃から何かを集めることが好きだったのでしょうか?
大橋:
昔からコレクション癖はありますね。これは同じくコレクション癖があるお父さんの影響です……。
子どもの頃から大きな本棚に漫画を出版社別、さらに作家名で「あいうえお」順に綺麗に並べるとか。CDやブルーレイも同じようにキレイに並べて「これだけ集めたぞ!」と達成感を得るのがすごく大好きでした。
カードゲームにハマっていた時も、「全種類揃えたい!」とコツコツ集めていたこともあります。プレミア価格のついたカードはお父さんに買ってもらっていました(笑)。お父さんもコレクション癖があるから、私の気持ちを理解してくれていたと思います。
――コレクション癖があると部屋の中が物で埋め尽くされそうですね(笑)。
大橋:
実家も自分の家もすごく物が多いです(笑)。アクリルスタンドが部屋の中に大量にありますよ。空気清浄機の上、トイレ、玄関、台所のカウンター……「とにかくこのキャラのビジュアルが好きだから、このキャラに家の中を彩ってほしい!」と、いろんなところにグッズを置いています(笑)。
――大橋さん、猫ちゃんと一緒に暮らしていますよね。飾っていると落とされたりしませんか……?
最近の猫たち😸🐱
ねこベッドがお気に入りです( 👍 ˙-˙ )(あやか) pic.twitter.com/eTgpEkWPEF— 大橋彩香 official (@AyakaOhashi) May 31, 2021
大橋:
猫ちゃんと暮らしていても意外と大丈夫なのですが、一度だけグッズを飾っているところにジャンプされて、アクスタが何個か割れました。「アクスタってめちゃめちゃ高いんだからな!」と猫ちゃんに言いました(笑)。
そういうリスクはあるものの、買ったらすぐに見える場所に飾りたいんですよ。それで、家に来客があった時には、「見て! 私の推し!」とやりたくて(笑)。推しを布教して推しが褒められると嬉しくなるので、来客があった時にはできるだけ布教するようにしています。
――推しは布教したいタイプなんですね。
大橋:
中学生の頃は「同担拒否!」という気持ちがありましたけど、今はむしろ仲間をつくりたいです! 推しの良さを一緒に語りたい。人に教えてもらって知る推しの魅力もあるから、今は同じ推しの人が推しの魅力を話してくれるとすごく嬉しいです。
――大橋さんが推し活をするにあたってこだわっていることや常に意識していることはありますか?
大橋:
「出来る限りコンテンツの経済を回したい!」と思っているところがあります。好きなコンテンツが永続的に続くことが1番嬉しいですから! 人気コンテンツになってもらうこと自体もすごく嬉しいですし、人気があることによってグッズの供給も増えるので、協力できることは出来る限りしたいですね。
とはいえ、やみくもにお金を使うのではなく、大人なのでお金の使い方はちゃんと考えています。アプリゲームでガチャを引くタイミングもしっかり決めているんです。
推しキャラのピックアップまでは召喚石を貯めておいて、いざその時がきた時に引きます。完突までは課金することもありますけど、それ以外で課金することはありません。そして、推しのピックアップが終わったら別の推しに貢ぐ……そうやって経済を循環させています。
それに、もし破産したら推しコンテンツを応援できなくなってしまいますしね(笑)。「今だ!!」というタイミングをしっかり見極めるようにしています。長く応援できることが1番ですから。
――「コンテンツを長く応援できるように経済を回す」という価値観は、大橋さん自身が“推される側”として得たことなのでしょうか。
大橋:
声優になる前もなった後もオタクとしてのスタンスは変わらずに続けているかもしれないです。子どもの頃からコレクション癖があるので、そこに通ずる考え方なのかなと。
少し話は逸れますが、好きなコンテンツに近いお仕事をしていても、お仕事に関係なくただただファンでいられるんですよ。「もともと乙女ゲームが好きだったのに、この仕事を始めたらできなくなってしまった」という人もいるみたいだけど、私は「趣味は趣味」「仕事は仕事」「推しは推し!」と考えるタイプなので、今でも乙女ゲームが好きでプレイしています。アニメイトにも行きますよ。
――自分がキャストとして参加する可能性もありますよね。
大橋:
ありますね。実際にモブキャラクターのキャストとして好きな作品に参加したこともあります。だけど、「その作品を好き」という気持ちに変わりはありません。
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羽賀こはく
横浜市出身。インタビュー記事をメインで執筆。愛猫2匹に邪魔をされながらゲームや漫画を楽しむことが生き甲斐。
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