内田雄馬のライブに行けばわかる、みんなが“内田雄馬化”する理由。5年で培った一体感を武器に、いざ6年目へ

内田雄馬のライブに行けばわかる、みんなが“内田雄馬化”する理由。5年で培った一体感を武器に、いざ6年目へ

「今日からあなたはポジティブです」

アーティスト内田雄馬が語ったこの言葉が、帰り道に心のなかでじんわりと熱を持った。なぜなら、内田の歌もダンスもMCも、そしてファン「内田雄馬」たちの熱量も。どれを思い返してみても、前向きな力に満ちていたからだ。

心配事や悩みはいったん置いておいて、心のままに音を楽しめばいい。ともすれば多忙な日々のなか忘れがちな音楽の原点を、内田雄馬は自らの音楽で示してくれた。

声優として文字通り飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍する内田雄馬。彼のアーティストデビュー5周年のメモリアルイヤーを締めくくる『YUMA UCHIDA 5th Anniversary LIVE 「Y」』が、日本武道館にて2024年4月13日(土)に開催された。

ライブロゴの「Y」は、2本の道が1本の道へと交わるデザインとなっている。内田とファンが出会い、ファンとファンが出会い、この5年間の活動で広がった道の先はどこへと続いていくのか。MCを減らし、これまで以上に多くの歌を届けてくれた本ライブに、その答えのヒントがあるのかもしれない。

本記事では、彼の進む未来に思いを馳せながら、この日、地球のどこよりも「内田雄馬」濃度が濃くなった本ライブの様子をお届けする。

アカペラ、デビュー曲、そしてメドレーへ…どこまでも広がる“アーティスト内田雄馬の可能性”

クラウチングスタートを切って真っ青な大空を飛ぶ。内田雄馬が飛び立つ“これから”を予感させるオープニングムービーから、1stアルバムの1曲目を飾ったアカペラ楽曲「Harmony of waves」へ。彼の圧巻の声量が瞬く間に武道館に広がり、客席のボルテージも静かに上がっていく。青いサインライトに染まった空間は、空のようでもあり海のようでもあり、そのなかで響く内田のアカペラに、思わず鳥肌が立った。

感嘆のため息があちこちから漏れるなか、静けさを打ち破り鳴り響くのは、デビューシングル「NEW WORLD」のイントロだ。このメモリアルなライブにぴったりな、あまりに粋な選曲に、あちこちから悲鳴に似た歓声があがる。背後のモニターに広がる雄大な景色は、デビュー曲から広がり続ける“アーティスト内田雄馬の可能性”ともリンクし、デビューから見守ってきた「内田雄馬」にとってはよりグッとくる演出だったのではないだろうか。

内田雄馬のライブに行けばわかる、みんなが“内田雄馬化”する理由。5年で培った一体感を武器に、いざ6年目へ

M2は2ndシングル「Before Dawn」、3rdシングル「Speechless」、4thシングル「Rainbow」のメドレー。このライブに込められたであろう、“5年の軌跡を改めてファンと歩もう”という思いを感じずにはいられない構成だ。序盤からまさにフルスロットル。大粒の汗をしたたらせながらも、鮮やかなオレンジのジャケットに負けないくらいの明るい笑顔からは、彼自身が誰よりもこの空間を楽しんでいることが伝わってくる。

1回目のMCでは、暑かった日中を振り返ってファンの体調を気遣いながらも、「ここからみなさん、もっと熱くなります! もっと汗かきます! その体力ありますか! 最高の1日作ってくれますか!」と全力でシャウト。「みんなと一緒に歩いてきた5年間、そして今日から始まる俺達の一歩、最高の一歩を踏み出そうぜ!」と短い言葉ながらもしっかりと客席を温めた。

続くM3は、疾走感あふれるビートに乗せて、アニメ『あひるの空』の第二弾 EDテーマでもおなじみの5thシングル「Over」を披露。ステージ中央から伸びるY字の花道を全力で駆け抜けたり、マイクスタンドキックをお披露目したりしながら、それでも一切ブレない高い歌唱力を見せつける。

内田雄馬のライブに行けばわかる、みんなが“内田雄馬化”する理由。5年で培った一体感を武器に、いざ6年目へ

曲終わりには、ステージ上で爽やかなホワイトデニムジャケットへと衣装チェンジ「DNA」「Image」「SOS」とアルバム収録曲やシングルカップリング曲が続き、まだM6なのにこんなに満足度が高くていいのかと、思わず心配になってしまったほどだ。

「内田雄馬の曲はみんなで作りたい」武道館が気持ちいいほど一丸となった「I'm not complete」

2度目のMCでは、「シングル11枚、1が2つ並んでますね。アルバム3枚、いい数字だなあ(笑)」とこれまでの5年を振り返りながら、「内田雄馬を知ってくれていた人にもそうでない人にも、たくさんの人に内田雄馬の音楽を伝えたいと思って今日は作っています」とライブへ込めた思いを語った。

そして、「内田雄馬の曲はみんなで作りたい」MCでのこの発言を受けて次に披露されたのは「I'm not complete」。今年1月に開催されたFCイベント内で、内田の指導のもと「内田雄馬」たちはばっちり練習済みのこの楽曲。「1月から仕込んでまいりました(笑)。今日初めて来たよという人も、隣の人を真似すれば歌えるようになってます(笑)」という内田の言葉通り、訓練された「内田雄馬」たちの歌声と内田自身の歌声が見事なハーモニーを生み出した。

曲に入る前のコーレスでは、アリーナに向けて「そのへん~!」と呼びかけて、歓声と笑いを同時に起こす一幕も。「I'm not complete」での一体感もそうだが、底抜けに明るい内田と、そんな彼に惹かれて集った「内田雄馬」たちが生み出す空間は、どこまでも温かいのだ。

一緒に歌って客席の一体感がより増したところで、全世界を「内田雄馬」にするための「内田雄馬化コーナー」と称して、スマホ撮影OKコーナーへ。今回撮影OKだった楽曲は7thシングル「SHAKE!SHAKE!SHAKE!」。ポップでかわいい振付や間奏でのキレのいいダンスが目にも楽しい楽曲だ。ぜひSNSに投稿されている「内田雄馬」たちの動画を探してチェックしてみてほしい。

内田雄馬のライブに行けばわかる、みんなが“内田雄馬化”する理由。5年で培った一体感を武器に、いざ6年目へ

続くM9「Congrats!!」は声優仲間が参加したwith Friendsバージョンが話題となった10thシングル。この楽曲もファンの合いの手が気持ちいいほどピタリと揃った。

これまでの楽曲をイヤホンで聴きながら道を歩いていく「trail(軌跡)」をテーマにしたInterlude Movieを挟んで、2023年11月にリリースされた最新アルバム「Y」から「I'm here」「DangeR」「Hope」の3曲を披露。衣装チェンジで羽織ったモノトーンのレーシングジャケットにぴったりな大人な雰囲気で聴かせてくれた。

バンド&ダンサーメンバー紹介を経て、M13からは一気にラストスパートへ! 内田のポップさをぎゅっと詰め込んだ「ものたんない」では、Y字花道の中央でY字バランスに挑むおちゃめな姿も。タオル振り回し曲「Shot」、ピアノとのセッションでしっとり聴かせるバラード曲「Good mood」、ライブ初披露の「iDea」とまさにノンストップで「内田雄馬」たちを魅了し続けた。

内田雄馬のライブに行けばわかる、みんなが“内田雄馬化”する理由。5年で培った一体感を武器に、いざ6年目へ

衣装も楽曲に合わせてポップなトラックジャケットからシックなテーラードジャケットへとチェンジ。とくに「iDea」では、この大人な着こなしのジャケットと、椅子を使ってのダンスパフォーマンスが、なんともいえない色気を放っていた。

「“まだ”5年」内田雄馬が見据えるこの先の未来

今回のライブは序盤から「一切休んでないのでは?」と思うほど、浴びるように楽曲が続いていた。そこには「MCのないライブをやりたい」という内田の思いがあったことがMCで明かされた。その結果、「音楽をぎゅぎゅっとお届けする」今回のライブが生まれたのだそう。5周年の締めくくりとしてファンに心からの感謝を伝えながらも、内田は「“まだ”5年です」と続ける。

「5年、10年、20年、50年、80年……(笑)。生きているうちは楽しくいきたいよね。楽しいという感情をみんなと共有できたら、もっともっと楽しくなるんじゃないかなと思ってこの活動をしています。これから先も、内田雄馬の音楽で、みんなで楽しいを分け合って、最高に大きい楽しいを一緒に作っていっていけたら嬉しいです」と挨拶をした。

内田雄馬のライブに行けばわかる、みんなが“内田雄馬化”する理由。5年で培った一体感を武器に、いざ6年目へ

ラストの1曲はその言葉にぴったりな「Joyful」。7000人の「内田雄馬」たちの“楽しい”で、武道館が埋め尽くされた。

ライブTシャツで登場したアンコールでは、「MAJESTIC」、「Wonderful World」、そしてアルバム「Y」に新曲として収録された内田作詞作曲の「旅路」を披露。

アンコールMCは「ゆっくり話そうかな」と、改めてアーティストデビューしてからの日々を振り返った。「なにかをみんなと一緒に生もう」という思いを抱えて活動を始めるも、世はコロナ禍に。声優として「声を重ねることで生まれるパワー」を知っているからこそ、こうして声出しでのライブが戻ってきたことへの喜びもひとしおなのだろう。「改めて思う。みんなでやるライブ楽しいなぁ!」と満面の笑顔に、言葉以上の思いが感じられた

内田雄馬のライブに行けばわかる、みんなが“内田雄馬化”する理由。5年で培った一体感を武器に、いざ6年目へ

Wアンコールではまず10thシングルのカップリング曲「Echo」を披露。人と人とのつながりを感じる温かな歌詞と内田の包容力ある歌声、そして「内田雄馬」たちのコーラスが重なり合い、MCでの言葉もあって胸に迫るものがあった。改めて、内田が生み出す音楽の世界は、このファンの温もりがあって初めて完成するのだと感じられた。

本日ラストとなるMCでは、「この1年は、雄馬の“Y”を“Y”して走ってきた1年でした」と笑いをとりつつ「すごく楽しい1年でした」と、アニバーサリーイヤーを振り返る。「この1年が楽しかった人もそうでない人もいるかもしれないけど、でも今日で“内田雄馬”になりましたから! 今日からあなたはポジティブです!」と、新たな内田語録も誕生した。

ラストに銀テープが降るなか「1 LOVE 1」をパワフルに歌い上げ、特大の“愛”を歌に込めて届けてくれた。彼の愛は歌唱後も全方位に降り注がれ、Y字花道やステージ上を練り歩き、何度も「ありがとう、ありがとうね」「上の方も見えてる?」「見えてるよ、ありがとう!」と、尽きることのない感謝の思いを客席に届け続けていた。

最後にステージ中央に立った内田は、「今ここに立つ僕は、間違いなくみなさんにここに連れてきてもらって立たせてもらっています。またみんなでこの場所で会えるように一歩ずつ頑張りたいと思います」と挨拶。そして締めの言葉は「今日はありがとうございました! 本当に……内田雄馬でした!」と1stライブで爆誕した伝説の迷言で締めくくり、アーティスト内田雄馬の歩んだ5年を凝縮した『YUMA UCHIDA 5th Anniversary LIVE 「Y」』は幕を閉じた。

内田雄馬のライブに行けばわかる、みんなが“内田雄馬化”する理由。5年で培った一体感を武器に、いざ6年目へ

ファンと一緒に歩んでいきたいと語ることは簡単だが、それを形にして表現することは簡単ではないはずだ。けれど、それを笑顔でやりきってしまえるのが、アーティスト内田雄馬がファンを魅了してやまない理由なのだろう。「内田雄馬の曲はみんなで作りたい」それを有言実行してきた彼は、6年目にたくさんの「内田雄馬」たちとどんな音色を奏でていくのか。彼の歩むであろうポジティブな未来が楽しみでならない。

(執筆:双海しお、編集:阿部裕華、Photo:ウチダアキヤ・釘野孝宏)

『YUMA UCHIDA 5th Anniversary LIVE 「Y」』概要

日時:2024年4月13日(土)
会場:東京・日本武道館

セットリスト
<Opening Movie 〜flY〜>
M-0 Harmony of waves
M-1 NEW WORLD
M-2 メドレー(Before Dawn〜Speechless〜Rainbow)
-MC①-
M-3 Over
M-4 DNA
M-5 Image
M-6 SOS
-MC②-
M-7 I’m not complete
M-8 SHAKE!SHAKE!SHAKE!
M-9 Congrats!!
<Interlude Movie 〜trail〜>
M-10I’m here
M-11 DangeR
M-12 Hope
-Dance & Band Break(風でありたい)-
M-13 ものたんない
M-14 Shot
M-15 Good mood
M-16 iDea
-MC③-
M-17 Joyful
[ENCORE]
M-18 MAJESTIC
M-19 Wonderful World
-MC④-
M-20 旅路
[W ENCORE]
M-21Echo
-MC⑤-
M-22 1LOVE1

セットリストプレイリスト
https://yuma-uchida.lnk.to/0413_Y

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双海 しお

エンタメジャンルで執筆するフリーライター。2.5次元舞台が趣味かつライフワークで、よく劇場に出没しています。舞台とアニメとBLが好き。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。

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