浅沼晋太郎らの悪役が見事!『仮面ライダーガヴ』は“あの有名映画”のような世界観が楽しい。一方、原点回帰を感じる部分も

「平成2期」以降の仮面ライダー作品では、仮面ライダーを絶対的なヒーローとして君臨させることが多く、こういったネガティブな描写は少なかった印象です。

そう考えると、本作は「仮面ライダー」の原点に立ち返った作品とも言えるわけです。とりわけ仮面ライダーたちが一種の改造人間であるという設定は、原点回帰を感じさせる部分でもあります。「平成」以降の仮面ライダーたちのほとんどは、変身ベルトを〇〇ドライバーと呼び、アーマーを身に纏うといったような設定の下で戦ってきました。

しかし、元々仮面ライダーというのは、悪の組織によって改造された「改造人間」。自らも敵組織によって生み出された怪物であるという自覚を持ち、人類の自由と平和を守ってきたのです。今回の仮面ライダーガヴには、そんな昭和ライダーイズムを存分に感じさせる場面が多く、新規のファン層を開拓しながらも、古参のファンをも惹きつける魅力が備わっていると言えるでしょう。

知念英和の笑顔がキュート! 浅沼晋太郎や滝澤諒らの存在感にも注目

そして何と言っても『仮面ライダーガヴ』は、キャストも魅力的! 主人公ショウマ役を演じる知念英和さんは、屈託のない笑顔を武器に、ショウマの純粋無垢な魅力を体現してくれています。特に初めて食べるお菓子を口にする際のキラキラした笑顔が堪らなくキュート! 思わず観ている視聴者まで嬉しくなってしまうほどです。

そんな可愛らしい表情をいくつも魅せてくれる知念さんですが、時折見せる苦悩の表情もまた自然体で素晴らしい。自らが化け物であるという悲哀を見事に体現した演技の数々は、仮面ライダーらしいものですし、笑顔とのギャップがまた魅力的なのです。今後、1年間にわたってどのような成長を遂げていくのか楽しみしかないほどです。

そんな知念さん演じるショウマとは対極に位置するクールな2号ライダー、辛木田絆斗役を演じる日野友輔さんは、ミステリアスな雰囲気も携えた演技を披露。彼の存在が、本作をさらに面白くしていると言っても過言ではないほどに、物語をかき乱してくれる存在として今後も期待大です。

声優としての印象が強い浅沼晋太郎さんと、2.5次元舞台ファンから人気の滝澤諒さん非常に独特な存在感を放ってくれています。

絆斗を仮面ライダーヴァレンに改造するグラニュート研究家の酸賀研造役を演じる浅沼さんは、まだまだベールに包まれた部分が多いものの、どこか信用しきれない怪しさ満点の表情や声色を魅せていますし、滝澤さんはマニキュアが非常にお似合いで、まさに水を得た魚のような活き活きとした悪役像を体現しているように映りました。

登場人物とキャストの相性が抜群なのも本作が魅力的な作品に仕上がっている要因なのではないかと思います。塚本高史さん演じるランゴを初めとしたストマック家の活躍にも期待したいですね。

筆者は「仮面ライダー」シリーズを「昭和」「平成」「令和」と時代を股にかけて、すべての作品を視聴してきましたが、これまでのシリーズにおいても上位にランクインするほどにドハマりしてしまっている『仮面ライダーガヴ』。

ポップとシリアスの融合で、物語がどういったところに着地するのか楽しみ過ぎます。ぜひともお菓子片手に楽しんでみてください。

(執筆:zash)

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zash

子供の頃から培ってきた映画、海外ドラマ、特撮、アニメの知識を活かして活動中。各媒体でコラム、取材レポート、インタビュー記事を執筆する他、雑誌やマスコミ用リリースへの寄稿も行っている。

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