なぜ違う?『るろうに剣心 京都動乱』国内外で異なる反応。日本では賛否、一方海外では最大級の称賛!「漫画史上、最高の瞬間の一つ」

ここでまず論点となるのが、比古清十郎について。ご存じ、声優を務めているのは『呪術廻戦』五条悟や『僕のヒーローアカデミア』ホークス役などでおなじみの中村悠一さん。

日本の声優界隈を見渡しても、間違いなく人気声優の一人であり、今回の比古清十郎役に対しても好意的な意見が多いように感じていますが、どうやら同レビュワーはあまり好みではないようで「比古役の中村悠一も含めて、一部のキャスティングに満足していないが…」という前置きが施されているのです。

どうにも、日本と海外とでは感じ方が真逆のように感じてしまうのですが、それでも「全体的に良くなってきている」と続いていきます。

九頭龍閃のシーンには「エレガントで詩的」と最大限の賛辞

同エピソードにおける剣心の過去パートへの評価も忘れておらず、「『るろうに剣心』は何を隠そう剣心の物語なのだ。本作が不朽の名作だと言われる所以は、彼の過去、現在、未来の人生とそれに付随する膨大な悲哀のおかげ」とし、「剣心の世話をしてくれた3人の若い女性は奴隷として一緒に連れていかれた。彼女たちとは1日だけの仲だったという物語は、これまで観たことがなかった」と、新鮮な印象を大いに受けた様子。

ついに比古が剣心の前で「九頭龍閃」を披露する場面においては「ライデンフィルムスはアニメーションから振り付け、サウンドデザインに至るまで素晴らしい仕事をした」と高評価。

最終的に剣心が比古の「九頭龍閃」を打ち破る場面に対しては「これはマンガの歴史の中でキャラクターが神格化された最高の瞬間の一つであり、エレガントであり、詩的でもある」と最大限の賛辞を送っています。

「自分自身の命を大切にするという考えは、日本の少年マンガや時代劇ではあまり触れられてこなかった。それが飛天御剣流の究極奥義の背景にあるというのは実に的を射ている。天翔龍閃の力の源は生への願望。剣心のこれまでの物語はこの瞬間のために構築されていたのだ」と、日本の創作における“命”の扱い方にまで話が及ぶ壮大な文言で同レビューは締めくくられています。

筆者のSNSのタイムライン上には、今回の奥義継承の場面に対しても否定的な意見が散見でき、どうしても旧アニメ版との比較を念頭に置いたレビューが多いように感じるのですが、今回ご紹介した海外ファンのレビューは、リブート版はリブート版で良いものがあるということを教えてくれているように感じました。

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確かに、メリットとデメリットはあるかもしれませんが、原作を忠実に映像化している点や時代経過による技術の進歩、作画のレベルアップなど、海外ファンの意見を聞いた後に、もう一度視聴するとまた違った見方ができるかもしれませんね。

第2期となる「京都動乱」も間もなく佳境へと差し掛かる、テレビアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。ここから海外ファンのように、日本のファンの心もガッチリ掴んだ作品になれるのか、大いに注目していきたいと思います。

(執筆:zash)

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zash

子供の頃から培ってきた映画、海外ドラマ、特撮、アニメの知識を活かして活動中。各媒体でコラム、取材レポート、インタビュー記事を執筆する他、雑誌やマスコミ用リリースへの寄稿も行っている。

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