『葬送のフリーレン』最終回を海外勢はどう見た?「もうフリーレン・フライデーは来ないのか…」と惜しむ声、評論家からは「満ち溢れたハッピーエンドだ」

2024年3月に最終回を迎えたテレビアニメ『葬送のフリーレン』。放送開始当初から、その圧倒的な作画と斬新なストーリー構成に、日本国内だけでなく海外からも好評が寄せられていた本作は、物語が佳境へと差し掛かるにつれて、より一層の注目度を集めていった印象もあります。

特にその現象は海外で顕著に表れており、もともと人気の高いコンテンツである「日本アニメ」に対する評価をさらに上昇させたとさえ言えるのです。そこで第1クールの反響に続き、『葬送のフリーレン』最終回を含めた第2クールの反響をお伝えします。

アニメ『葬送のフリーレン』第2クールビジュアル

アニメ『葬送のフリーレン』第2クールビジュアル

哲学的な1期から一変、迫力のバトルが続いた2期

『葬送のフリーレン』は、「週刊少年サンデー」にて2020年より連載中の山田鐘人(原作)とアベツカサ(作画)による同名漫画を原作としています。原作は第14回マンガ大賞や第25回手塚治虫文化賞新生賞など様々な賞に輝いており、アニメ化以前から話題を掻っ攫っていた作品です。

物語は、千年以上も生きるとされるエルフの魔法使い・フリーレンを主人公に展開。魔王討伐を目的とした長きにわたる旅路を“人生のほんの一部”としか考えていなかったフリーレンが、勇者・ヒンメルの死をきっかけに人間を知る旅に出ることを決意。そんなフリーレンが行く先々で様々な人々と出会う様を描いています。

Blu-ray「葬送のフリーレン」Vol.1 (東宝)

Blu-ray「葬送のフリーレン」Vol.1 (東宝)

2024年1月からスタートした第2クール「一級魔法使い選抜試験編」では、フリーレンとその弟子である人間の魔法使い・フェルンが、一級魔法使いの資格を得るため、経験豊かな手練れの魔法使いたちを相手に、様々な試練を乗り越えていく様が展開されました。

第1クールの段階では、比較的穏やかなストーリー展開が印象的であり、海外のファンからも「非常に哲学的な作品だ」という声も上がっていたのですが、第2クールに入ってからは、大迫力の「魔法バトル」が多くなることから、その様子に大興奮するファンの姿がとても印象深く映りました。

圧倒的作画に「なんてこった!」。フェルンの戦いにも大興奮

とりわけ第24話「完璧な複製体」及び第25話「致命的な隙」には心を揺さぶられた人が多く、沢山の感想がネット上に溢れていました。YouTubeにアニメのリアクション動画を投稿している「FreshestAnime」のジョーさんもそのひとり。

彼は複製体のフリーレンと受験者たちが対峙する場面が胸アツだったようで「なんてこった! フリーレンとやりあうの!?」と驚きを隠せない様子を見せました。いざ、バトルが始まると「フリーレンの弱点って何だ? ミミックを投げるのかも?」と推察。

様々な魔法が交錯し、フリーレン&フェルンVS複製フリーレンのバトルシーンにおける圧倒的作画には「おお!カッコいいな、今のはクールだった」と一言。ジョーさんは恐らくフェルン推しであると見られ、バトル前にフェルンが「フリーレン様を殺せるかもしれません」というセリフを発した際には「フリーレンを倒せるのはただ一人! それはフェルンだ!」と非常に興奮した様子を見せていました。そのため、複製フリーレンを相手に善戦するフェルンの姿に興奮を隠せないご様子でした。

またジョーさんはバトルシーンだけでなく、クライマックスにおける感動的な場面でも印象的な反応を見せていて、第27話「人間の時代」において、壊れてしまったフェルンの杖をフリーレンが修理に出し、そこで「手入れの行き届いた良い杖だ」と言われる場面では、思わず感極まってしまった様子。胸に手を当て「俺は泣かないよ」と涙を必死にこらえている姿を見せます。しかし、そんなジョーさんでも涙をこらえきれなかった場面がありました。

それは、一級魔法使い選抜試験の最終試験で試験官であるゼーリエから「好きな魔法は?」と問われたフリーレンが「花畑を出す魔法」と答えるシーン。フリーレンがかつて師であるフランメから教わった魔法であるとわかると、胸に両の掌を当て乙女のような表情を浮かべ、鼻をすすり、涙してしまう一幕もありました。さらにジョーさんは、続くフリーレンとヒンメルの過去が明かされる場面では思わずウットリ…。

改めて本作の感動的な演出に感極まってしまいました。日本国内と同じく海外でも、このフリーレンとヒンメルの花畑のシーンは大絶賛されており、多くのファンがSNSなどに口をそろえて「感動した」という思いを投稿していました。

レビュワー「温かい感情に満ち溢れたハッピーエンドだ」

それではレビュワーは『葬送のフリーレン』をどう見たのでしょうか? レビューサイト「BUT WHY THO?」に掲載された第28話「また会ったときに恥ずかしいからね」のレビューでは、最終話は多くの脇役たちにスポットライトが当てられたと表現。特に宮廷魔法使いのデンケンへの印象が大きく変わったと言います。

「我々はデンケンの動機についてより知ることが出来た。お茶とお菓子を楽しみながら、フリーレンとの時間が彼にどう影響したかが明らかになると共に、彼の葛藤も浮き彫りになる。この瞬間、デンケンはシュタルクとフェルンの祖父のような存在へと進化する」と綴られており、第一印象はあまり良いものではなかったデンケンが、最終的にはフリーレンの影響で印象をガラリと変えたことを評価しています。

そして同レビューで特に印象的だった記述は、ラストに関する文面。「私たちにこれまでの冒険のすべてを思い出させ、これからもまだ未知のことがたくさんあるということを思い出させてくれる」。まさにフリーレンと共に旅をしてきた視聴者たちの思い出までも呼び起こす感動的な締めくくりであることを表した一文だと思いました。

同レビューは、「第28話は素晴らしい終わりをもたらした。温かい感情に満ち溢れたハッピーエンドをもたらし、これからさらに多くのことが起こることを約束しながら視聴者を送り出す」と締めくくられています。

フリーレンロスが世界で勃発!?「フリーレン・フライデーは来ないのか…」

現在、海外では日本のコンテンツへの評価が以前にも増してさらに高まっている印象を受けます。『葬送のフリーレン』も例外ではなく、「史上最高のアニメ作品だ」や「アメコミも見習うべき」などといった声が多数聞かれます。

海外ファンの間では「もう“フリーレン・フライデー”は来ないのか…」という毎週金曜日の放送が終わってしまったことを残念がるコメントが多かったのも印象的でした。未だ第2期の放送時期などは明かされておらず、“フリーレンロス”に陥るファンが全世界で急増しそうです。

(執筆:zash)

TVアニメ『葬送のフリーレン』放送情報

『葬送のフリーレン』
10 月 6 日より日本テレビ系 毎週金曜夜 11 時
「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」にて放送 (全国 30 局ネット)

【イントロダクション】
「週刊少年サンデー」(小学館)で連載中、山田鐘人(作)とアベツカサ(画)による漫画『葬送のフリーレン』。勇者とそのパーティーによって魔王が倒された“その後”の世界を舞台に、勇者と共に魔王を打倒した千年以上生きる魔法使い・フリーレンと、彼女が新たに出会う人々の旅路が描かれていく。コミックスは累計発行部数 1000 万部を突破し、そして 2021 年には「マンガ大賞 2021」大賞、「第 25 回手塚治虫文化賞」の新生賞を受賞するなど、漫画ファンの間で旋風を起こしている本作が、いよいよ TV アニメ放送開始!

【あらすじ】
勇者ヒンメルたちと共に、10 年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから 50 年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50 年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。

【スタッフ】
原作:山田鐘人・アベツカサ(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:斎藤圭一郎 シリーズ構成:鈴木智尋 キャラクターデザイン・総作画監督:長澤礼子
コンセプトアート:吉岡誠子 魔物デザイン:原科大樹 アクションディレクター:岩澤亨
デザインワークス:簑島綾香 山﨑絵美 とだま。 長坂慶太 亀澤蘭 松村佳子 高瀬丸 美術監督:高木佐和子 美術設定:杉山晋史
色彩設計:大野春恵 3DCG ディレクター:廣住茂徳 撮影監督:伏原あかね 編集:木村佳史子
音響監督:はたしょう二 音楽:Evan Call
オープニングテーマ:「勇者」YOASOBI エンディングテーマ:「Anytime Anywhere」milet
アニメーション制作:マッドハウス
【キャスト】
フリーレン:種﨑敦美 フェルン:市ノ瀬加那 シュタルク:小林千晃 ヒンメル:岡本信彦 ハイター:東地宏樹 アイゼン:上田燿司

【アニメ公式 HP】http://frieren-anime.jp
【アニメ公式 X(旧 Twitter)】http://twitter.com/Anime_Frieren/
【アニメ公式 TikTok】https://www.tiktok.com/@anime_frieren
【アニメコピーライト】©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

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zash

子供の頃から培ってきた映画、海外ドラマ、特撮、アニメの知識を活かして活動中。各媒体でコラム、取材レポート、インタビュー記事を執筆する他、雑誌やマスコミ用リリースへの寄稿も行っている。

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