茜屋日海夏

BLACKPINK、SEVENTEEN…茜屋日海夏がK-POP沼にハマる理由「推しを推している瞬間の自分が一番かわいい!」

海外志向を取り入れたソロデビュー曲「Stereo Sunset(Prod. AmPm)」「SARANG」

――K-POPのお話を聞く上で気になったのが、ソロアーティストデビューシングル「Stereo Sunset(Prod. AmPm)」のカップリング曲「SARANG」。韓国語で“愛”という意味かとお見受けします。こちらの楽曲は茜屋さんのアイデアで制作が進んだのでしょうか?

茜屋:
そうですね。カップリング曲を作るとなった時、i☆Risの楽曲で作詞をしていたこともあり、スタッフさんから「茜屋さん、作詞やりましょう」と言っていただいて。「ぜひ」とお返事したんですね。

以前から「ダウナーな恋愛ソングを書きたい」と思っていたので、その方向性で進めることが決まったのですが、作曲のARAKIさんと何度か打ち合わせしていく中で「(茜屋さんの)お父さんが韓国人、学生時代は英語科に通っていて英語も話せる。そういうルーツがあるなら、楽曲に活かしてもいいかもね」とアドバイスをいただいて。

そのアドバイスをもとに、普段からメモに書き留めていた詞を組み合わせつつ、日本語・韓国語・英語の3か国語で作詞をしました。表題曲にしてしまうと、今までのファンの方たちと戸惑わせてしまうような楽曲かもしれないけど、カップリングなら大丈夫だろうと自分のルーツや好きなものを全部詰め込みました

――3か国語の作詞、いかがでしたか?

茜屋:
初めて3か国語の詞を書きましたが、意外とスッと書けました。英語の歌詞を日本語に吹き替えしたような口調にしたいなと思いながら書きました。ソロアーティストの名前表記を「Himika Akaneya」にしているのですが、海外志向が理由の一つでもあって。特に「SARANG」は、海外の方に聴いてほしいという思いがあります。

茜屋日海夏

――曲調についてどういうところを意識されたのでしょうか。

茜屋:
歌詞が強くてダウナーな印象だから、逆にメロディは「ちょっと明るくグルーヴ感出したものがいいかな?」というイメージがあって。ARAKIさんには、理想通りの楽曲をつくっていただきました。「今の私の好きなものはこれです!」と自己紹介をするような楽曲になったと思います。

――歌うときに意識していたことはありますか?

茜屋:
抑揚をあまりつけないことを意識して歌いました。歌詞の中で<疲れちゃったの>とたくさん言っているのですが、この「疲れた感」を一定のテンポで出したり、抑揚はつけない中でもちょっとしたニュアンスの違いを出したり。

あと、レコーディング中にARAKIさんがディレクションしてくださったのですが、「グルーブ感のある楽曲だから、音でリズムにはめるよりワンテンポ後ろに遅らせてみましょうか」と提案していただいたんですね。

説明するのが難しいのですが、ゆったりしているけどちゃんとリズムには乗っている、という絶妙なラインで歌ってみました。そうやって、いろいろと試行錯誤しながらレコーディングはしていましたね。

――素人目で話を聞いていると、めちゃめちゃ大変そう……!
続いて、表題曲の「Stereo Sunset(Prod. AmPm)」について。こちらは『頭文字D』の後継作でもあるTVアニメ『MFゴースト』のエンディングテーマです。

茜屋:
「Stereo Sunset」に関しては、いただいたデモを聴いた時、「オシャレな楽曲だな」と思ったと同時に、「これまで自分が歌ったことのないジャンルだな」と思って。初めてのソロアーティスト活動で初めてのジャンルと、初めてづくしだったんですけど、「とにかく早く歌いたいな!」と思っていました。

――実際、レコーディングはいかがだったのでしょうか。

茜屋:
i☆Risの楽曲はアップテンポな曲が多いんですけど、こういう優しい雰囲気のバラード曲も得意だったりしています。なので、すごく歌いやすかったです。結構、自由にレコーディングをさせてもらいました。

また、海外志向があったので、「SARANG」と同じく日本語なんだけど海外の曲の雰囲気で歌ってみるというこだわりを入れています

茜屋日海夏

――海外志向を取り入れたという2曲ですが、日本のリスナーの皆さんにはどのように楽曲を楽しんでほしいと思っていますか?

茜屋:
「Stereo Sunset」は、歌詞から情景が浮かぶような曲です。曲名にも歌詞にも「サンセット(夕暮れ)」と入っているので、ぜひ夕方の景色を見ながら聴いてほしいですね。

「SARANG」は、「ちょっとこじらせた恋愛」という方向性で行こうかなと歌詞を書いたので、恋愛をちょっとこじらせてる方に聴いてほしいな、と思っています(笑)。

どちらの楽曲もメロディやサウンドが素敵だから、最初は歌詞を読まずに音で興味をもってもらったり楽しんでもらったりしてもいいなと思っています。そこから歌詞に注目してもらえたら、それだけで嬉しいですね。

曲1本で勝負できるアーティストでありたい

――最初にソロデビューの話が出た時、どういうお気持ちでしたか?

茜屋:
「念願」という気持ちでした。デビュー当時からソロアーティストとしての活動にも挑戦したいと思っていたのですが、タイミングがなかなかなく、想いを温めていました。

そんな最中、お世話になっているスタッフさんからお話を頂き、私も「機会があればやってみたいです!」と話していたんですよ。そのタイミングで、『MFゴースト』のエンディングテーマを歌うアーティストをたまたま探していたそうで。それで声をかけてくださったんです。

いろんなタイミングが上手く重なってソロアーティストデビューが決まり、「ついにこの時が来たんだな」と思いました。

――デビュー楽曲がTVアニメのタイアップというのはプレッシャーも感じそう。

茜屋:
ドキドキはしましたね。今までグループ活動でもタイアップをやってきていて、難しさは知っているので「大丈夫かな」という気持ちはありましたね。(『頭文字D』の後継作である)『MFゴースト』は海外の方も見ているような作品なので、反応がすごく気になりました。

逆に、デビューしてすぐからタイアップなんて「本当にありがとうございます」という気持ちもありましたね。

茜屋日海夏

――実際、ソロ活動をしてみて、グループ活動との違いを感じることはありますか?

茜屋:
先日、ソロの方でリリイベがあったんですけど、やっぱり心持ちが違いました。

i☆Risで人前で歌う時も「曲を聴いてほしい」という思いは変わりませんが、ソロだとその想いがより強まっている感覚があって。ソロの楽曲は自分だけのオリジナルの曲なので、ここから温めて育っていくからこそ、より多くの人に届いたら嬉しいなって

また、「Himika Akaneya」はアーティスティックにブランディングしているという自分の中でのちょっとしたこだわりもあるので、「とにかく曲を聴いてほしい!」と強く思います。

――グループ活動がソロ活動に還元されていることもあるでしょうし、ソロ活動をきっかけにグループへ還元されることもありそうですよね。

茜屋:
確実にあると思います。この業界に入って右も左もわからない時から、ありがたいことにステージ数は多く踏ませてもらっていたので、どんな状況でも取り乱さずに落ち着いて冷静に対処できる度胸はつきました。今後ソロライブをする時が来ても、落ち着いて楽しんでできるんじゃないかなと思います。

併せて海外の皆さんにも聞いていただけたらと思いながらソロ活動もしているので、洋楽やK-POPなどの歌い方のエッセンスはいつかグループの方でも活かせそうだと思っています。それこそ、最近はグループの方で大人な楽曲が増えてきているので!

――i☆Risでの新しい表現も楽しみです。今後、どんなアーティストになりたいと考えていますか? 目標とするアーティスト像をお聞かせください。

茜屋:
“曲で押し出せるアーティスト”であることが目標です。自分自身もアーティストを好きになった時、曲推しな部分があるからこそ、自信を持って届けられる曲をたくさん生み出していきたい。最終的に曲1本で勝負できるアーティストでありたいと思っています。

時間が経ってからも、昔の曲が急に聴かれることってあるじゃないですか。私の歌う楽曲たちもそんなふうに後世に残っていく、「久々に聴きたいな」って思ってもらえるような楽曲になってくれたら嬉しいなと思います。

そのためにも、生で曲を届けられるライブには力を入れていきたいと考えています。ダンスが得意なので、いつかライブでもダンスで魅せる楽曲もやっていきたくて。大好きなK-POPを見て研究しつつ、いつかやれたらいいなと思います。

茜屋日海夏

(執筆:ふくだりょうこ、取材&編集:阿部裕華、撮影:友野雄)

「Stereo Sunset (Prod. AmPm)」リリース概要

●リリース情報
Himika Akaneya
2023年10月放送TVアニメ『MFゴースト』EDテーマ
「Stereo Sunset (Prod. AmPm)」
2023年11月22日発売

【CD+Blu-ray】
品番:EYCA-14179/B
価格:¥4,000+税

【CD ONLY】
品番:EYCA-14180
価格:¥1,800+税

<CD>
M1. Stereo Sunset (Prod. AmPm)
作詞 : ARAKI / 作編曲 : AmPm
M2. SARANG
作詞 : himi / 作編曲 : ARAKI

茜屋日海夏PROFILE

茜屋日海夏(あかねや・ひみか)
1994年7月16日生まれ、秋田県出身。O型。

i☆Ris公式サイトプロフィール:https://iris.dive2ent.com/profile/member.php?id=1000227
公式X(旧:Twitter):https://twitter.com/iRis_a_himi
公式Instagram:https://www.instagram.com/himika_akaneya_official/
公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@user-fu4de6bc4b

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ふくだりょうこ

大阪府出身。大学卒業後、フリーランスのライターとして執筆活動を開始。ゲームシナリオのほか、インタビュー、エッセイ、コラム記事などを執筆。たれ耳のうさぎと暮らしている。ライブと小説とマンガがあったら生きていける。

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