numan編集部
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12月19日(木)~29日(日)にかけ公演中の舞台『終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation- Case. Scien Brofiise』は、 美しいキャラクターとダークな世界観、緻密で重厚なストーリーが人気の恋愛アドベンチャーゲーム『終遠のヴィルシュ -ErroR:salvation-(以下、終ヴィル)』が原作。絶望エンド・救済エンドが同時上演されるということで話題の舞台に、主人公のセレスとして立つ太田さん。
自分と正反対すぎて「私でいいの?」と思ったセレスを演じる際は「儚げ」を意識しているという太田さんに、舞台の登場人物それぞれの“推しポイント”をお聞きしました。
舞台『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』THE STAGE の元気な主人公カタリナ・クラエス役が印象的だった太田さんですが、今年は舞台『地獄楽-終の章-』杠(ゆずりは)役や、新・喜劇『おそ松さん』トト子役、『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Renegades of Female- での邪答院仄仄(けいとういんほのぼの)役など2.5次元舞台への出演も多く、ストレートプレイの舞台でも印象的なお芝居をされたそう。
そんな太田さんにとって2024年はどんな1年だったのでしょう?
舞台『終ヴィル』の絶望っぷりについてもお聞きしました!
INDEX
――まずはじめに、太田さんが2024年にハマったことを教えてください。
太田夢莉(以下、太田):
最近、生ビールの美味しさを再認識してしまって(笑)。お酒が飲める年齢になってからビールは好きでよく飲んでいたのですが、今年というかここ最近、急に「生ビール美味しいな」と気づいてしまいました。
――それは、今年の夏が暑くてたくさん生ビールを飲んだというわけではなく?
太田:
むしろ、夏が終わってからでした。10月くらいに生ビールのブームが来て、今ビールサーバーを買うか迷っています(笑)。1日の終わりに家であれが飲めたら最高だなと思います。
——太田さんにとって2024年はどんな1年でしたか?
太田:
お仕事がとても充実していて、その分悩むことが多かった1年でした。自分の24歳という年齢もあるのかもしれませんが、いろいろなことをずっと悩んでいたら、あっという間に1年が終わってしまいました。
――今年はとくに舞台へのご出演が多かった印象がありますが、今年参加された舞台を振り返ってみると?
太田:
どれも濃い作品だったのですが、秋に出演した舞台『オサエロ -2024-』がとても印象に残っています。特攻隊を描いた作品で、いわゆる戦争を題材にした舞台に出演するのが初めてだったので、自分の人生のなかで向き合うべき作品だったなと改めて思いました。
――悩むことが多かった1年というのにも繋がりますね。
太田:
そうですね。演じるにあたって、実際に特攻隊として亡くなった方たちに失礼があってはいけないと思うのと同時に、80年前には本当にこんなことが起こっていたんだというのを感じると辛くて……。けれど、その辛さを今生きている人たちにどうやって届けるかということをたくさん考えた作品でした。
新・喜劇『おそ松さん』は、ただただ楽しくて、見た方にも笑ってハッピーになってもらう作品ですよね。見ることで元気が出て、明日への活力になる舞台もあれば、現実を受け止めて今生きていることの有難さを考えるような舞台もあって……。いろいろなジャンルのお芝居があるなと改めて感じました。
舞台『終遠のヴィルシュ』はそのどちらとも違うというか、予想外の展開が起こるときがあるので、本当に驚きの絶望エンドと救済エンドです。
――ふり幅の広い舞台をご経験された2024年、太田さん的にはシリアスとコメディどちらのお芝居をするのが楽しいですか?
太田:
楽しさで言ったら、絶対コメディです!(笑) 舞台『おそ松さん on STAGE ~SIX MEN'S SHOW TIME~ 2nd SEASON』でトト子役を演じたのがほぼ初コメディだったんですね。
芸人さんとご一緒した機会はありますが、自分がボケたり笑いに振るのは初めてで。少し前まで自分がコメディをするのは苦手だと思っていたのに、『おそ松さん on STAGE』でコメディの楽しさを知ってしまい、日常生活でもふざけて笑いに振るようなことが増えました(笑)。
舞台『終ヴィル』はとてもシリアスなお話ですが、そんななかにもクスッとさせるシーンがあったりして。そういうちょっとした笑いにも敏感になったと思います。
――今年お芝居面でご自身が「成長した」と思われることを教えてください。
太田:
全部ですね!(笑) 2023年と2024年の2月に公演のあった舞台『地獄楽』では、今まであまり経験のなかった殺陣に挑戦させてもらいました。4月に上演された舞台『彼女にあったら、よろしくと』では、初めての女性キャストだけの舞台で、「同世代で役者として頑張っている人たちがこんなにいるんだ」という発見もあり、とても勉強になりましたし。7月の『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Renegades of Female- 』は、初めて歌やダンスのある舞台への参加だったので、「楽しい」というのと「キャラクターの力ってすごいな」という発見があり、悩むと同時にたくさん成長もできたと思います。
――では、来年2025年への抱負をお願いします。
太田:
舞台『オサエロ -2024-』、舞台『彼女にあったら、よろしくと』、『ヒプステ』……挑戦することが多かったので、全部の舞台が成長につながった2024年。人生のなかでもいろいろなことを考えた年だったので、2025年はあまり深く考えず、楽しく過ごしたいです。軽いノリというわけではないですが、考えすぎず前向きな気持ちで頑張りたいです!
――『終遠のヴィルシュ』という作品の印象はいかがでしたか?
太田:
驚きました! 個人的に乙女ゲームってほわほわした夢物語のようなイメージがあったので、こんなにダークな作品があるのかと。今までプレイしたことのある乙女ゲームは多くないのですが、今回の舞台のお話をいただいて、あらすじを見たときにとても興味が湧いて……。自分の身の周りの人が不幸になってしまうという設定、興味深いですよね。驚きと共に、興味津々という感じでした。
――ゲーム『終遠のヴィルシュ』をプレイされてみての推しポイントは?
太田:
ゲームのマティス・クロードのしゃべりかたが印象に残っています! こう、脳の処理が追い付いていない感じでとてもゆっくりしゃべるんですけど、ゲームをしていて「もっと早くしゃべってくれないかな」と思いながらも、ずっと聞いちゃいます(笑)。
――ゲームでは絶望エンドと救済エンドがありますが、個人的にはどちらがお好みでしたか?
太田:
個人的には絶望エンドの方が好きです。ハッピーエンドにならないのが面白くて斬新だなって。
絶望エンドも救済エンドもそれぞれの良さがありますが、絶望エンドは絶望のバリエーションがすごいと思います。ルートの結末として、相手を攻略できなかったバッドエンドはよくあると思うんですけど、主人公がいきなり命の危機に見舞われるというのはなかなかないと思うので。
――今回演じられる、主人公・セレスの印象はいかがでしたか?
太田:
もう、自分と正反対すぎて「私でいいの?」と思いました(笑)。
私が今まで演じてきた役は、けっこう溌剌(はつらつ)としていたり、気が強かったりするキャラクターが多かったので、セレスのように控えめで聖母のような女の子というのはとても新鮮でした。自分のせいで周りの人が不幸になるという設定もあって、見ていてすごくかわいそうで……。普段「私のせいでみんなが不幸に……」とかないじゃないですか。
――そうですね、漫画やドラマのなかでしか聞かない気がします。太田さんは、そんな乙女ゲーム原作の舞台でヒロイン役を演じる際に意識していることを教えてください。
太田:
舞台上で主張し過ぎない、目立ち過ぎないことですね。今回の『終ヴィル』はストーリーとしても重厚ですし、基本的にセレスがステージ上にいることが多いです。そこであまり主張が激しいと、見ている方がちょっとうるさく感じてしまうかと思って。お客様がセレスの目線でほかの登場人物を見られるようにしたいと思っています。
舞台の稽古が始まって動きをつけて全体をざっと通したとき、最初は控えめな感じを意識していたのですが、だんだん元気になってしまって。演出家さんからも「もうちょっと儚げにお願いしたい」と言われてしまいました(笑)。
「いや、ほんとそうですよね!」って。すごく太田夢莉になってしまっていたので、それから儚げを意識して演じたら「聖母感がほしい」とも言われて。儚げな女の子で、聖母というのがなかなか難しくて……日常で聖母感って感じたことなくないですか?
――たしかに。日常生活で「あの子聖母っぽい」とか聞かないです(笑)。
太田:
セレスは18歳なので、少女と女性の間の年代らしく、少女らしさも聖母らしさも両方見せるというのがなかなか難しいところです。
――太田さんのゲーム『終ヴィル』の推しキャラクターはマティスとのことでしたが、マティスの舞台上での印象はいかがでしょうか? 舞台はテンポもありますし、ゆっくりしゃべるというのは難しそうですが……。
太田:
そうなんです。さすがにゲームのスピードを舞台でやるのは無理なので、マティス役の永島龍之介くんもゲームよりは早いけれどなるべくゆっくりめに台詞を言っていました。それでも演出家さんから「ちゃんとマティスに見えるから、もう少し早めても大丈夫だよ」と言われていて。それもそれで難しいですよね。
——マティスのほかにも、舞台での各キャラ・キャストの推しポイントをぜひ教えてください。まずはゲームの攻略対象キャラでもあるシアン、イヴ、リュカ、アドルフ、アンクゥについて。
太田:
シアン役の北出流星さんとは、必死に稽古をしているのでお互いに助け合っている感じがします。シアンは台詞が本当にたくさんあるのですが、稽古の段階でしっかり覚えてきているのがすごいと思います。しゃべる量が多いのがシアンで、ずっと舞台上にいるのがセレスという感じなので、お互いに励まし合って頑張っています。
イヴ役の北村健人さんは、殺陣の稽古が印象的でした。イヴはセレスをかばうような戦いをするのですが、殺陣師さんにつけられた動きではなく自然にかばってくださることに「イヴだ!」「カッコイイ!」となりました。優しい笑顔が励みになります。
リュカ役の佐野真白くんは、シュールな笑いがうまいです(笑)。ゲームをプレイしている際、リュカ先生はそこまで思い入れの強いキャラクターではなかったのですが、真白くんが演じているのを見て「この表情面白いな」とか「そういう演じ方もあったか」と新しい発見をさせてもらいました。
アドルフ役の高本 学さんは、すごく目力を感じます! 今回の舞台が初共演ですがアドルフはセレスと近い関係性なので、お兄様のようなポジションで、アドルフやイヴは「近くにいてくれたら大丈夫」という安心感がある存在です。アドルフとイヴの殺陣のシーンは、ふたりが守ってくれるのでとても安心です。
アンクゥ役の林 光哲さんは、不思議なオーラを放ってらっしゃる雰囲気のある方なので、アンクゥにぴったりなのではないかと。こういう、ゲームになくてはならないキャラクターに配役がハマるのはすごいなと思っています。
――セレスの母親のような存在のサロメ、イヴの親友で自警団のヒューゴ、シアンが署長を務める国立研究所の副所長ダハトについても。
太田:
サロメ役の石井陽菜さんは、私の誕生日にコーヒーを奢ってくれました! 誕生日知ってくださっていて嬉しかったです。良きお姉さまという感じで、最初の本読みのときに驚いたのが、びっくりするほどサロメだったこと! ゲームで見ていたそのままで「サロメじゃん!」ってなりました(笑)。
ヒューゴ役の中田凌多さんが言う、ヒューゴの台詞で好きな言葉があるんです。みんなでマティスくんのお屋敷にいるシーンなんですけど、ヒューゴが「俺は外の空気を吸ってくるよ」と席を立ったときにマティスくんが「そこから出られます」と教えてくれて。ヒューゴが「一緒に吸うか?」と誘ってマティスくんが「は、はい」って返事をしたあとにヒューゴが言う「空気は平等だからな」が大好きで(笑)。
「空気一緒に吸うか」ってなかなか言わないじゃないですか。ここの台詞が絶妙で本当に大好きで、シリアスな展開が多いなかで、ちょっとした癒しになっています。
ダハト役の古賀 瑠くんは、めちゃくちゃかわいいです! 瑠くんのダハトもゲームそのままという感じで、稽古中も「かわいいな」って思いながら見ています。私自身が、ダハトのような“かわいいけれどちょっとブラックな一面のあるキャラクター”が好きなので「いいキャラしてるな」って思います。
――ビジュアル撮影や稽古場でスタッフさんたちに言われた、この作品やセレスを作る上で大切だなと思った言葉は?
太田:
セレスの役作りにも通じますが、「儚げ」ですね。ビジュアル撮影のときもポージングを変えてサクサク撮るというよりは、目を潤ませて今にも消えてしまいそうな雰囲気で撮るみたいな感じで……。そういう儚げな雰囲気を出すのが難しかったです。人間生きているとどんどん強くなってしまいますし、私自身もたぶん強いほうなので(笑)。「儚げ」にはずっと苦戦させられています。
――今年の観劇収めが舞台『終遠のヴィルシュ』になる方も多いかと思います。舞台への意気込み、絶望エンド・救済エンドそれぞれの結末で楽しんでほしいことをお願いします。
太田:
絶望エンド、救済エンドともにそれぞれの良さがあります。
「ようこそいらっしゃいました、絶望の世界へ!」
年末ってパーッと楽しく過ごしたい人が多いかもしれないのですが、舞台『終ヴィル』で今年最後の絶望をご堪能ください。
撮影:上野留加
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