まりも
アニメ作品を扱う某テーマパーククルー、原宿ファッションメディアのライター、アニメ作品のコラボカフェ企画、グッズデザインを経てアニメライターに。ONE PIECEとロロノア・ゾロを人生の主軸・指針としています。
原作は最終章に突入、アニメは25周年イヤーでさらなる盛り上がりを見せるマンガ『ONE PIECE』。
本作で、主人公モンキー・D・ルフィ率いる海賊団・麦わらの一味の二番手・三番手として活躍する姿がファンを魅了し続けるメインキャラクターといえばゾロとサンジです。
公式の人気投票でも常に上位をキープするほど作中きっての人気キャラでもある2人。それぞれタイプの違うかっこよさを持っているため、読者の間でも「ゾロ派?orサンジ派?」というのはもはや永遠のテーマ。初めて『ONE PIECE』について語り合う相手とは「ゾロとサンジどっちが好き?」「結婚するならどっち?」なんていう会話が飛び出すこともしばしば。
常に対となる存在として描かれる2人は、当初より顔を合わせればいがみ合い、懸賞金を競い合い、大事な戦闘中でもケンカが止まらない。仲間でありながら“ライバル”のような関係を貫き続けています。「アホコック」「クソマリモ」と互いの名前をほとんど呼ばないという小ネタも有名ですよね。
そんな2人ですが、作中では仲の良さや信頼関係の厚さを感じられるシーンが意外と多いのをご存知でしょうか? ゾロとサンジの気がぴたりと合う瞬間は、ふとしたギャグシーンでも、重要な戦いの途中でも突如としてやってくるのがミソ。
筆者は『ONE PIECE』オタク歴約15年の中で一度もブレることなくゾロ一筋な生粋のゾロ派ですが、そんな私からみても2人の唯一無二な関係性はアツい……!!
ということで本記事では、『ONE PIECE』とゾロをこよなく愛する筆者が、尊さを感じるゾロとサンジの仲良しエピソードや信頼関係の上に成り立つ熱いやりとりを厳選してご紹介していきます。
INDEX
まずご紹介するのは、ギャグシーンで繰り広げられたゾロとサンジのコントのような小気味よい掛け合い。
筆者のお気に入りシーンでもある、コミックス24巻収録の「サルベージ」のエピソードでは、空から降ってきた海賊船を調べるため海底へ潜った際のできごとを説明するコマで、こんなやりとりが行われます。
ゾロ「カメ? いや海には猿がいたんだ!!」
サンジ「きっと海獣の一種だ」
ゾロ「そいつが途中までルフィと仲良くしてたんだが」
サンジ「サル同士だからな」
ゾロ「おれ達が船から拾ったこの荷物見て急に暴れ出しやがったんだ」
サンジ「暴れる事ゴリラのごとしだ!!」
(『ONE PIECE』24巻より引用)
ゾロが状況を説明するのですが、サンジがかぶせ気味にさして重要でもない謎の補足を入れていく様はまるでコントのよう。
アニメ版では「コンビ歴30年目のお笑い芸人ですか?」というほどリズミカルな2人の会話を楽しむことができるので、ぜひアニメ144話もチェックしてみてくださいね。
そしてコミックス27巻収録の「空島編」中盤では、サンジが仲間たちの集めた食材で「焼石シチュー」を作る、一時休息の楽しい宴イベントが発生します。
ゾロが集めてきた食材は、まさかのねずみとカエル。サンジは間髪入れず「よし シチューにぶち込め」とGOを出し、ナミから「ちょっと待てェ!!!今おかしい食材あったわよ」とツッコミが……。ボケ同士になっても息の合うゾロとサンジなのでした。
さらにこの場面では、サンジの言いつけでゾロが料理を手伝う一コマも。サンジの「ゾロ」呼びが見られる貴重なシーンのひとつになっています。しぶしぶ料理に参加するゾロの姿も相まって、戦闘から一時離れリラックスした可愛らしい2人を堪能できちゃいますよ。
また同じく「空島編」(コミックス27巻)で、ゾロとサンジがやる気満々でキャンプファイヤーの組み木を作るシーンも。
筆者は初めて読んだとき、「あのゾロとサンジが、2人で1つのモノを作り上げている……!」「精悍な海賊からただの19歳の青年たちに戻っている……!」と衝撃を受けた一コマでした。
そして、コミックス44巻収録の「エニエスロビー編」終盤にもボケ×ボケのゾロとサンジが見られる可愛さ満点の見せ場があります。
海軍の一斉砲撃が襲いかかるなか、ゾロとサンジはルフィを使って砲撃をはね返すという大胆な反撃を開始! うまくいったところで「ブイ」の擬音をバックに、2人(とルフィ)がこちらを向いてピースサインを見せてくれます。
咄嗟の機転でここまで華麗な協力プレイができてしまうのは、やはり仲良しと言わざるを得ない……! ゾロ・サンジが共に“んむ”っと口をつぐんだ表情も可愛い、2人の阿吽の呼吸を堪能できるシーンです。
ケンカのときもテンポよく悪口が飛び交う2人だからこそ、気が合ってしまえばより一層息ぴったりなのかもしれませんね。
大事な戦いの最中や、生きるか死ぬかの窮地。そんな、いざというときに垣間見える厚い信頼関係もまたゾロとサンジの大きな魅力です。
大事な戦いの最中や、生きるか死ぬかの窮地。そんな、いざというときに垣間見える厚い信頼関係もまたゾロとサンジの大きな魅力です。
コミックス33巻で描かれるデービーバックファイトのグロッキーリングのゲームでは、ゾロとサンジが共闘します。序盤はペアになったことやポジションをめぐっていつも通りケンカが始まり、チームワーク皆無の状態で試合が進んでいきますが……相手が卑怯な手を使うこともあり、2人はボロボロにやられてしまうのです。
そこでゾロから「…おいコック 10秒手ェかせ」と提案し、サンジは「…妥当な時間だな」と了承。ひとたび協力し出すとたちまち戦況を巻き返し、無事得点ゲットに至ります。いつも「自分のほうが上」という争点で意地を張り収拾のつかない2人ですが、いつだって手を組んでしまえば最強タッグ。
とはいえ、試合前も頭にボールを乗せておく「ボールマン」の役目を嫌がるサンジに、ゾロが「おっ ボール似合うぞ?」「王子様のようだぜ」と冗談を言うなど、ケンカの合間にも仲の良さが滲み出ているんですけどね。
そして最近では、「ワノ国編」で互いの力を認め合い、信頼し合うがゆえのやりとりが多く見られました。
たとえば、コミックス101巻の「おい ぐるぐる この戦を制したらよ」「ああ 見えてくるなァ…ルフィが『海賊王』になる姿!!!」とゾロの呼びかけにサンジが応える1コマでは、ルフィの“両翼”という同じ視点から、共にひとつの未来を見据える姿が描かれています。
さらに激化する戦いのなかでは、サンジが「お前がおれを殺せ」とゾロに頼むシーンが。まさかの申し出にゾロは一瞬驚きますが、すぐに「わかった お前はおれがキッチリ殺してやる!!」と返答するのです。
サンジが自分を制御できず心を失ったとき、その命を終わらせる相手にゾロを選んだということ。その大きな決意に、意見したり茶化したりせず受け入れること。それは、互いの生き様を認め合い、いざという時には命を預けても良いほどに信頼を寄せているということの表れだと言えるでしょう。
一連のやりとりに続けて「それまで死ぬなよ」と、暗にサンジの勝利を願い激励するゾロの一言にも痺れます。
反対に、コミックス50巻で描かれたゾロとくまが対峙するシーンでは、犠牲になろうとするゾロをサンジが止めに入ります。これは決してサンジがゾロの覚悟を邪魔しようとしたわけではなく、ゾロの志とそれにかける情熱を知っているからこそ、夢半ばで死なせまいとしたのです。「あいつは恩を売りたくて命はったわけじゃねェ!!!」とゾロの想いを汲むサンジの優しさにもグッときます。
基本的な考え方ややり方は違うけれど、海に出た男としての強い覚悟は同じ。普段の仲は悪くても、ここぞという時に互いの信念を尊重し合い、共に戦える、唯一無二の関係なのです。
作品を飛び出し、ゾロ役の中井和哉さんとサンジ役の平田宏明さんはとても仲良し。
とくに平田さんは、中井さんを“中井きゅん”と呼んだり、X(旧Twitter)でゾロの顔にモザイクをかけた写真を投稿したりと愛の溢れる(?)言動が目立ちます。
★61歳の好物はコレ🎵 pic.twitter.com/d39ygos7c2
— ひらたプロダクションジャパン(平田広明) (@hiratapro) August 8, 2024
直近ではつい先日、9月11日にユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)にて開催中のイベント「ワンピース・プレミア・サマー」へ訪れ、「ワンピース・プレミアショー2024」に登壇した際の仲睦まじいツーショットが平田さんのXに投稿されました。
★今年もクソ楽しかったぜ👍
(・ัᴗ \\)y-~~#USJ#ユニバ#プレショ pic.twitter.com/XE3y2Uvq8u— ひらたプロダクションジャパン(平田広明) (@hiratapro) September 11, 2024
また、今年6月に発売されたのゾロとサンジを徹底的に深掘りした『ONE PIECE magazine』vol.18の誌面にも、中井さんと平田さんの仲の良さを窺い知ることができるインタビューが掲載されています。
どちらかといえば平田さんから中井さん(とゾロ)へ戯れにいくことが多い印象で、それもまた実際のゾロとサンジのようでファン心をくすぐってくるんですよね。
長くなってきましたがまだまだ語り足りないので、最後にほっこりするようなゾロとサンジの仲良しエピソードをおすすめして終わりにしたいと思います。
それが、ファンの間でも有名なアニメ第57話のゾロとサンジが食事の後片付けをする様子を描いたシーン。2人横並びでキッチンに立ち、サンジが洗ったお皿をゾロが受け取り拭き上げるというアニメオリジナルの平和なひとときを描いています。
お皿を渡す際、サンジが「ほらよゾロ」「ほれゾロ」「ゾ〜ロ」と何度も名前を呼ぶのもアニメオリジナルならでは。逐一返事をしてお皿を受け取るゾロでしたが、途中で「黙って渡せねェのか」と呆れた様子で咎めるのもまた尊いポイントです。2人で協力して家事をこなす様子が見られる貴重なエピソードとなっているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
今回紹介した以外にも、ゾロがサンジに笑顔でお酌をする場面や、サンジがゾロの迷子を心配して「ゾロくん」と呼びかける場面、瀕死のゾロを医術がないなりにサンジが介抱する場面、アイディアが尽きない互いのあだ名を呼ぶ場面……など、挙げればキリがないほどにこの27年で描かれてきたゾロとサンジの関係性は熱く、私たち『ONE PIECE』オタクの心を掴んで離しません。
正反対だけどなんだかんだと息が合い、ここぞという一大勝負には背中を預けて無限大の力を発揮する。仲間であり、ライバルであり、相方であり……そんなゾロとサンジはまさに“ケンカするほど仲がいい”の権化! だからこそ、2人はルフィの両翼として一味の先頭に立ち続けているのかもしれません。
(執筆:まりも)
まりも
アニメ作品を扱う某テーマパーククルー、原宿ファッションメディアのライター、アニメ作品のコラボカフェ企画、グッズデザインを経てアニメライターに。ONE PIECEとロロノア・ゾロを人生の主軸・指針としています。
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