曽我美なつめ
音楽、二次元コンテンツ(アニメ/マンガ)を中心にカルチャーを愛するフリーライター。コロナ禍を経て10年ぶりにオタク・同人沼に出戻りました。全部宇髄天元のせいです。
そんなアニメ『【推しの子】』ですが、主題歌アーティスト陣の豪華さも話題を集めましたね。
まずOPとなった楽曲は、YOASOBI『アイドル』。タイトルの通りこの曲はずばり、物語の重要人物・アイを想起させる歌となっています。
YOASOBIの曲は基本的に小説を元に作られるという話も、今では有名な豆知識。今回『アイドル』の原典となったのは、原作・赤坂アカ先生の特別書き下ろし小説『45510』です。
アイドル・アイの知られざる一面が描かれたこの小説は、現在期間限定で週刊ヤングジャンプの特設サイトにて読めるようになっています。
アニメ『【推しの子】』主題歌としても相応しい、華やかなカリスマアイドルの歌である本曲。
ですが1話視聴後や小説『45510』を読んだ後、加えてテレビ放送ver.のみならずフルで聴く事でにハッとする人も多いはず。歌詞のなかにはアクアやルビーという言葉、そして嘘は愛(アイ)だ……など意味深な言葉まで織り込まれているのです。
また、アップテンポな盛り上がるアイドルソングを思わせる曲調から一転、嫉妬や妬みなど芸能界に渦巻くネガティブな感情から始まる2番。単なる“アイドルアニメ”ではないことを予感させる歌詞やメロディラインはYOASBI・ayaseさんの真骨頂ということろでしょうか。
楽曲から彩られるその世界観もチェックすることで、よりアニメ本編も楽しめることは間違いありません。
一方、EDの女王蜂『メフィスト』は、作品のダークな一面を前面に押し出した1曲です。
とある目的を成し遂げるために、1話終盤で芸能界入りを決意する双子の兄・アクア。彼が背負う使命や、アイ自身にも片鱗の見えていたアイドル・芸能界の闇や業を歌い上げたのが、ずばりこのED曲ともなっています。
近年アニメでは1話ラストにOP曲を挿入し、ED曲は2話から使用する形式をよく見かけます。
アニメ『【推しの子】』も例に漏れずその形を取ったことで、アイの物語である1話を『アイドル』で飾り、物語本筋の内容を反映した『メフィスト』を話が動き始めた2話以降でお披露目するという、非常に統一感のある演出で作品を魅せています。
“メフィスト”は元々、伝説上の悪魔の名前。人間の望みを叶える代わり、死後その魂を貰う契約を取り交わす悪魔です。
曽我美なつめ
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