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現役芸人が『カミシモ』のリアルを語る。鳥越裕貴の漫才が上手すぎる問題を考えてみた

この作品も、もちろん「すごい」。ほぼノンフィクションとなっており、高い再現性が毎週トレンド入りするなど話題となっている。若林さん・山里さんを演じる髙橋さん・森本さんが、それぞれの喋り方や仕草が本当にそっくりで、毎週見るたびに新鮮に驚く。

また漫才を完全コピーしてみたり、実際にあった事件を描くなど、両コンビファンからするとたまらないくらい細かく丁寧に芸人の生き様を表現している。

ドラマ「だが、情熱はある」オリジナル・サウンドトラック(バップ)

ドラマ「だが、情熱はある」オリジナル・サウンドトラック(バップ)

今でこそスターになった2人も若手の頃に絶望したり取り返しのつかない失敗をしたりするんだ、と鑑賞しながら感慨深く思ったりする。

対して『カミシモ』。こちらは当然だが、完全にフィクションである。出演者は2.5次元舞台などで活躍する俳優を揃えているため、もれなく抜群のイケメンだ。『だが情熱はある』の主演お二人ももちろんイケメンだが、ある程度ビジュアルも若林さんと山里さんに寄せている。さらに脇役やエキストラには多くの若手芸人を起用しており、とても「リアル」な絵面となっている。

「ここを突くか!」と唸るテーマ

『カミシモ』はどちらかというとキャラクターが2次元寄りの感覚がする。というのも、こんなに小綺麗で顔が整った芸人は正直いない。楽屋でわちゃわちゃするシーンもとても爽やか。

実際の若手芸人が集う楽屋は夏でも冬でも臭い。この辺りは「ファンタジーだな」と感じるし、視聴者の人も「芸人をテーマにした青春ドラマね、面白いね」と楽しんで鑑賞しているかもしれない。

だが『カミシモ』のすごい所は、扱うテーマにある。若手芸人の私からしたら「ここを突くか!」と痛いくらいのポイントが勢ぞろいしているからだ。

芸人志望にも見てほしいシビアな現実

ここでは、シーズン2を例に説明する。毎話ごとに売れるためにクリアしなくてはならない「課題」が設けられ、クオリティによってランキングがつけられるため、各コンビはより上をめざして奮闘していくストーリーとなっている。

「リアクション芸」「エピソードトーク」「SNS」「営業ネタ」「キャラ芸」などが課題に上がるのだが、正直どの課題も若手芸人が売れるために本当に必要な事で耳が痛すぎる。

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住岡

アニメ、漫画、2.5次元・アイドル・声優などのジャンルを一通り嗜むライター。自宅が商業BLの山に埋もれている。お笑いも好き。

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