現役芸人が『カミシモ』のリアルを語る。鳥越裕貴の漫才が上手すぎる問題を考えてみた

でも「賞レースでの優勝」は、芸人の夢だ。カミシモはこのような「夢にかける思い」と「厳しい現実」を的確に表すのに長けた作品である。そして個人的には最終回となる第8回の課題が「ネタ」なのが熱すぎる。

売れるために色々な武器を身につけなければならないが、本分である「ネタ」をおろそかにしない重要性を踏まえているあたり、『カミシモ』は芸人のリアルを描いているのだなと感動した。

『あいつが上手で下手が僕で シーズン2』日本テレビ公式サイトより

『あいつが上手で下手が僕で シーズン2』日本テレビ公式サイトより

先ほども述べたが、カミシモのキャストは全員よい意味で「芸人」に見えない。その理由としては顔が整いすぎていたり、小綺麗で清潔感があることに起因している。

例えば荒牧さんと和田さんが本当に芸人であったとしたら、とてつもなく面白くなくても食っていけるくらいのファンがつく可能性はある。それほど現実感がないくらい、地下芸人としてはビジュアルが良いのだ。

ただ一人、「え?こんな人先輩にいるよな」「楽屋で見たことあるな」と思わされる人がいる。漫才コンビ「らふちゅーぶ」のツッコミ担当・蛇谷明日馬を演じる 鳥越裕貴さんだ。もちろん鳥越さんのビジュアルも抜群だし清潔感もあることは間違いない。なのに何故か「芸人」に見えるのだ。

ちゃんと“芸人に見える”という凄さ

カミシモは2021年に舞台化。劇中ではフル尺で漫才を堪能することができる。ネタはどの組もめちゃくちゃ面白く、「俳優さんたちの表現力すげ~!」と感動した。なかでも鳥越さんには度肝を抜かれてしまった。

喋りやツッコミの間、抑揚、表情など、どれをとっても漫才が上手すぎて感動を通り越して仰天した。

私は元々お笑いが好きなので、ライブに出演すると袖などで先輩たちのネタを見ることにしている。恐らく年間でいうと300ネタくらいは見ていると思うが、劇場で負けなしの先輩たちと同じくらい鳥越さんが上手い。

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住岡

アニメ、漫画、2.5次元・アイドル・声優などのジャンルを一通り嗜むライター。自宅が商業BLの山に埋もれている。お笑いも好き。

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