現役芸人が『カミシモ』のリアルを語る。鳥越裕貴の漫才が上手すぎる問題を考えてみた

もっと言うと、立ち姿、サンパチマイクを触る仕草、つっこむ角度、お客さんへの視線のやり方なども、とても「芸人」っぽい。演じるのではなく、本当にネタをたくさんやった人が行きついた動きになっていた。

『鳥越裕貴アーティストブック COLORS』(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)

『鳥越裕貴アーティストブック COLORS』(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)

他のキャスト陣も演技力がある方々ばかりなので、もちろん上手い。だが鳥越さん「上手い」は演技だけが上手いのではなく、「漫才」が上手い。芸人の目から見ても芸人に見える。

再度断っておきたいのだが、 鳥越さんのビジュアルも抜群だし清潔感もあることは間違いない。なのに何故か「芸人」に見えるのだ。

私はミュージカル『刀剣乱舞』 で鳥越さんが演じた大和守安定の大ファンだ。あの可愛くて強い安定を演じた鳥越さんが、どうしてこんなに「芸人」に見えるのか、真剣に考えてみた。

“芸人”と“俳優が演じる芸人”の違いとは?

その理由のひとつに「発声や喋り方」があると思う。

ナイツさんがパーソナリティを務める『ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)で、ゲストとして出演したドランクドラゴンの鈴木拓さんが「俳優と芸人の発声の違い」について持論を語ったことがある。

鈴木さんは「俳優が芸人の役を演じて漫才やコントをやるときに違和感がある」といい、その理由として「芸人は喉で声を出すけど、俳優は腹式呼吸で声を出すから、間とかリズムが違う」と分析していた。(2022年10月3日放送回より)

恐らくだが、鳥越さんは「芸人の喋り方」をしているのだと思う。

コンマ数秒の世界で完璧にツッコむ

なので間とかリズムが芸人とぴたりと合うのかもしれない。コンマ何秒の世界の話だと思うが、完璧にタイミングを合わせて的確に突っ込んでくれている。演じているというより、「ネタ」をやってくれている気がする。

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住岡

アニメ、漫画、2.5次元・アイドル・声優などのジャンルを一通り嗜むライター。自宅が商業BLの山に埋もれている。お笑いも好き。

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