ドSだけど一途！“乙女ゲーム”の明智光秀像は？『麒麟がくる』では描かれない魅力

前編に引き続き、乙女ゲームで堪能できる明智光秀を、FM西東京で2013年から放送中の乙女ゲーム専門ラジオ「痛快☆乙女ゲーム通信」のパーソナリティで、numanでもライターとして活躍中の通崎千穂さんにお聞きしています！

前回の記事では、光秀は冷静沈着な「戦隊モノでいえば“ブルー”ポジション」なことが多いと伺いましたが、今回はそれ以外の光秀像について教えていただきました。

通崎さんが特にオススメしたい乙女ゲームのミステリアスな明智光秀もご紹介♪

通崎千穂（以下、通崎）　『下天の華』の明智光秀ですね。『信長の野望』シリーズ30周年を記念して、コーエーテクモゲームスの乙女ゲームブランド「ネオロマンス」からリリースされた作品です。 “下天”というタイトルから分かる通り、メインヒーローポジションのキャラクターは織田信長ですが、ヒロインは織田の腹心である明智光秀に忍びとして雇われ、光秀の妹姫のフリをして城に潜入し、武将たちと交友を深めていきます。

　信長のプロであるコーエーが生み出す戦国乙女ゲームなので、歴史考証を含めて大変すばらしく……「本能寺の変」のくだりは鳥肌ものです。ドSで狡猾な光秀が純情なヒロインにほだされていく過程がとてもいい。偽の兄妹という関係性から恋愛に発展していくなんともいえない背徳感も素敵です（笑）。

通崎　『イケメン戦国◆時をかける恋』ですね。アプリ「イケメンシリーズ」の中でも、特にアニメ化・舞台化と展開した人気作『イケメン戦国』。現代から戦国時代にタイムスリップしたヒロインが、本能寺の変で信長の命を救うところから物語が始まります。

　明智光秀は当初個別ストーリーの配信はありませんでしたが、2019年6月に実装されました。「意地悪×ミステリアス」と称される光秀ゆえ、やっぱり信長様とヒロインも裏切られるのではないかとハラハラさせられますが、その意地悪な低音ボイスもくせになってしまうというか……。武器が銃なのも萌えポイントで、舞台版で見ると非常に映えます。

通崎　『戦刻ナイトブラッド』の光秀でしょうか。残念ながら2019年12月ににサービス終了したアプリですが、アニメ化・舞台化とメディアミックス展開もしました。戦国時代に近いようでちょっと違う“神牙”という世界が舞台となっており、戦国武将たちは “人狼”や“吸血鬼”など人ならざるものとして登場します。

　『戦ブラ』では信長と敵対しているのは豊臣軍で、光秀は信長を一度裏切り、それを許された恩義から、信長に生涯忠誠を誓っている、という設定です。罪悪感ゆえか、伏し目がちなその表情は女性のような美しく、ヒロインとの恋愛も百合カップルのような綺麗さが……。CVは島﨑信長さんで、公式から「一人本能寺」と言われていたのが今でもツボです（笑）。

通崎　乙女ゲームのキャラが、大前提としてヒロインに一途なので難しい質問ですが……ただ、私は光秀って愛情深いなと思います。それはヒロインに対してもなんですが、（裏切らない場合）信長に対してもです。愛情というか忠誠心ですかね。

――そこが、明智光秀の魅力かもしれませんね！

信長を一度裏切った男。
信長に許され、その恩義のため信長に生涯忠誠を誓う。
黙々と仕事をこなす真面目な性格。

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