numan編集部
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──『Thunderbolt Fantasy Project』では、“殤不患(しょうふかん)”や“蔑天骸(べつてんがい)”、『仮面ライダー鎧武/ガイム』では“駆紋戒斗(くもんかいと)”、など、独特な名前を持つキャラクターが虚淵作品には登場しますが、ネーミングについてこだわりはありますか?
虚淵玄(以下、虚淵) 基本的に僕の作品って、みんなひどい目にあったりとんでもないワルだったりするので、ネットで検索して同姓同名の方に風評被害が及ばないのが一番かなと(笑)。
日本全国の鈴木さんや小林さんに被害が及ばないようなネーミングは常日頃心がけてはいます。
『Thunderbolt Fantasy Project』の場合は、日本人が考えた中国人の名前にしたくない、本場のテイストが欲しいと思ったので、イメージだけ伝えて霹靂社さんで名前をつけてもらってます。布袋劇の中では結構大げさなネーミングをつけるのが普通のようで、その流れを汲んでいるとは思います。もらったネーミング案のうち、日本のワープロで変換できないものだけNGにするくらいです。
──虚淵作品には、いわゆるかっこいいキャラクター、“イケメン”が多数登場しますが、虚淵さんの“イケメン“の定義はどのようなものでしょうか?
虚淵 洋画ですかね。クリント・イーストウッドとかね。
いまだにジェイソン・ステイサムとかヴィン・ディーゼルとかが好きなので、自分の場合、“あごひげのキャラクター”に相当イケメンを感じるんだろうなと思います。
『PSYCHO-PASS サイコパス』のときも、実は、狡噛慎也(こうがみしんや)は、実はハリソン・フォードのデッカード(※1)みたいなしょぼくれたおっさんのつもりでいたんです。
初期はバツイチ設定もあったのですが、それが天野明さんのデザインで一気に変わりました。
「バツイチとかありえませんから!」って却下されて、「なるほど、了解です」って(笑)。
──あがってきたデザインを見て設定を変えることもありますか?
虚淵 当然あります。アニメは特にそうですが、まずビジュアルありきで、よほどその物語に直結した必然性がない限りは、絵描きさんのセンスを最優先で考えるべきだなと思っています。
──今まで手がけた作品の中で、最もイケメンだと思うキャラクターは誰でしょうか?
虚淵 『楽園追放 -Expelled from Paradise-』のディンゴは、完全にイーストウッドを意識していましたね。ディンゴと殤不患は結構通じるところはあるかもしれない。自分なりに考えるダンディズムが主人公として集約されてくると彼になるのかな。
──虚淵さんご自身がこうなってみたかったと思えるキャラクターはいますか?
虚淵 僕の憧れてるキャラクターって、ことごとくろくでもない世界に生きてるんで。イーストウッドだって、行く先々で人殺すわ拷問するわの西部劇ですし。
最後に風呂にいつ入ったかもわからないような暮らし、僕はしたくないです(笑)。
僕がかっこいいと思うキャラクターは、そんなどうやったって行きたくないような世界観とセットなので、なりたいかと言われるとちょっと勘弁してください(笑)。
※1デッカード……ハリソン・フォード演じる映画『ブレードランナー』、『ブレードランナー2049』に登場するキャラクター、リック・デッカードのこと。
──イケメンにフォーカスしてお伺いしましたが、イケメンと恋に落ちる乙女ゲームを虚淵さんがつくるならどんなゲームになりますか?
虚淵 以前立ち上げた企画は、悪の組織の女ボスになって、手下のイケメン将軍とかイケメンマッドサイエンティストとかイケメン戦闘員とかを使って日本を征服するというゲームですね(笑)。
企画書を出してデザインまで進めていましたが、これ本当に女の子に受け入れてもらえるのか、って不安もあったので、むしろこの場を借りて女性読者の方々に伺いたいですね。
「悪の秘密結社を率いて日本征服してみたいと思いますか?」って(笑)。
部下の幹部たちはことごとくイケメン、そして使えない。幹部連中全員ポンコツに決まってるじゃないですか。毎回ボロクソに負けて帰ってくるイケメンたちに頭を抱える、というのどうですか(笑)?
──無責任発言でよろしればイイと思います! 『Thunderbolt Fantasy Project』も、ターゲット層は女性を意識していたとのことでしたが、虚淵さんがこれまでにハマったことのある女性向け作品はありますか?
虚淵 そもそも作品そのものに女性向け男性向けがあるのかというと、あまり僕はピンとこないですね。昔、男の友達から、少女マンガ雑誌『花とゆめ』を勧められてびっくりしたくらいで。最初に読んだのは『ここはグリーン・ウッド』と『ぼくの地球を守って』。実際読んでみて、「すげーじゃんこれSFじゃん」って、目からうろこでした。
僕の中だと男性向け女性向けの分水嶺って、何処にあるのかいまいちわからないです。『プリキュア』を喜んで観てる男もいっぱいいるし、『仮面ライダー』を喜んで観てる女子もいっぱいいますし。
凄く下世話な言い方ですが、収益がどの位見込めるかという時には男女の差は考えますが、作品そのものを好きになってもらえるかという時には、性差は考えないですね。
――マーケティング上での違いのみ、ということでしょうか?
虚淵 例えば『Thunderbolt Fantasy Project』なんて、人形の構造上絶対裸にはなれないので、それもあっていわゆるポルノコンテンツが大好きな男性が食いついてくれるコンテンツには絶対ならないだろうと思っていましたし、そちら方面の商売はハナから諦めていました。それと話の面白さというかファンが好きになってくれる要素とは、全然別だと思います。
実際そのファンになってもらえるかどうかになると、性差は一切考えないですね。男も女もあるまい、と思っています。
──テレビシリーズ第2期について、進行具合はいかがですか?
虚淵 今12話を書いてます。今月中(取材時は11月)に全話あげて12月の頭からクランクインという予定です。
──テレビシリーズ第2期からは、第1期の主題歌を担当されていた『T.M.Revolution』の西川貴教さんも声優として参加されるそうですね?
虚淵 日本でも台湾でも人気があって、『Thunderbolt Fantasy Project』の世界観に噛み合うような華やかさを、と考えた時に真っ先に浮かんだのが、『戦国BASARA』でした。それならもう西川貴教さんしかいないでしょうと。『戦国BASARA』を好きなファン層なら、『Thunderbolt Fantasy Project』を多分見てもらえるだろうと思っていたので、主題歌をお願いしたところ快諾していただきました。
その後、西川さんをイメージして、半ば挑戦の意味も込めて人形を作ってもらったらすごくいい出来だったので、「いっそキャラとして出演してみませんか?」って話に。
テレビシリーズ第2期から登場しますが、改めて本編に登場する上では、西川さんのパーソナリティそのものというよりも、キャラクターを新たに1人作って、そのキャラクターを一人の演技者として西川さんに演じて頂く予定です──テレビシリーズ第2期の見どころは、どこになりそうでしょうか?
虚淵 第1期に比べたら相当アクション増し増しになっています! 第1期はむしろ抑えめでした。本場の人から見たらおとなしいよねというぐらいに、アクションせずに喋ってるシーンが長い。
そこは自分の反省点でもあるので、一度世界観を飲み込んでいただければ、説明することも少なく済むので、もっとバンバン戦う話にしようと、脚本段階から意図して作っています。
──第2期での殤不患(しょうふかん)の活躍も期待したいところで、彼が持つ残りの剣の行方も気になります。
虚淵 もともと期間限定で考えていた企画ではないので、なるべく連続して続けていける話にしたいなとは思っています。殤不患の剣も、消化するどころか途中でまた拾って増えるかもしれませんね。
キャラクターもさらに増えてくる可能性もありますし、そのあたりはアメコミぐらい決めずにに行きたいな。
ぽっと出の脇役がいつのまにやら主役になってるぐらいの自由さは欲しいなと思います。
──同じ霹靂社による、台湾で超人気の布袋劇・素還真(そかんしん)シリーズと、クロスオーバーの可能性はありそうでしょうか?
虚淵 そこまで行けたら幸せですよね!
(C)2016-2017 Thunderbolt Fantasy Project
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