藤原大祐「この映画で『今を生きろ』というメッセージを伝えたい」映画『追想ジャーニー』キャストインタビュー

ドラマ『教祖のムスメ』、映画『モエカレはオレンジ色』などの話題作に出演、今最も注目の俳優・藤原大祐さんが、2022年11月11日公開の『追想ジャーニー』で、映画初主演を飾りました。

藤原さんの役どころは、高校生の文也。その文也が突然現れた30年後の自分と追想の旅に出る姿を描いた異色作です。文也の30年後、48歳の売れない俳優を演じるのは高橋和也さん。藤原さんに役どころや作品への思い、そして共演した高橋さんの印象などをうかがいました。

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん

▲藤原大祐さん

「今を生きろ」という、監督からのメッセージだと思いました

——オファーの時の感想と、脚本の印象を聞かせてください。

藤原大祐(以下、同) 実は、谷健二監督とはこの作品をやる前から面識があって、「いつか一緒にやりたいね」というお話は以前からいただいていて、念願叶ってできた作品なんです。
脚本もとてもキャッチーな内容で面白いと思いましたし、その中にも監督のこだわりや伝えたいメッセージがあって、それが、(ポスターに書かれていた)「演じきれ、俺の人生」なのですが、言い換えれば、「今を生きろ」ということだと僕は思いました
今を生きることを知る、30年前の文也と30年後の文也のお話です。

映画『追想ジャーニー』予告編

——改めて、文也という人間をどう捉えて演じましたか?

バカピュアな人。ピュアすぎるあまりにすべてのことが表面でしかわからなくて、女性の気持ちに気付いてあげられないから、恋愛もうまくいかないんです。でも、だからこその良さもある人で、優しさもあってね。自分の夢だった俳優の仕事だけはなんとか成功したいと、今も100パーセントの気持ちで追いかけている人だと思うんです。

映画『追想ジャーニー』場面カット①

映画『追想ジャーニー』場面カット①

▲映画『追想ジャーニー』場面カット
——同一人物の文也を、年齢の違う高橋和也さんと演じることでの難しさはありましたか?

高橋さんと同じように演じることは意識していませんでした。同じところもあれば違うところもあるというのが、30年間を逆に膨らませると思ったからです。ただ、高橋さんのお芝居を見ながら、僕は30年後にはこうなるんだと感じて演じていましたし、おそらく高橋さんも30年前はこういうイメージだったのだと、僕を見てくださっていたと思います。
それぞれが相手の芝居を受けて、空白の30年後を想像するではありませんが、自分たちの年を繋げていく感覚はありました。

大人の役者の生き方というのを体感した

——高橋さんのお芝居を見て、感じたこと、印象に残っていることは?

熱量の伝わり方が違うと思いました。人生いろんなことを経験したからこそ出せる演技で、僕には絶対に出すことができない、大人の役者の生き方というのを目の前で体感させていただきました。
僕は今、同世代の方とお芝居をすることが多いので、とても貴重な経験でした。

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん③

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん③

——監督を前から知っていたということで、脚本を読んだ時に「やっぱり」と納得する部分はありましたか?

「面白いことをしたい」と監督からは言ってもらえていて、できあがった作品を観ても、あまり他にない映画だと思います。僕は舞台の経験はほとんどありませんが、舞台のお芝居を映像で撮っているという変わった試みをしています。

——確かに、舞台色の強い作品ですね。

この作品はお芝居のホールで撮影をしていて、しかも順撮りでやらせていただいたんです。なので、「舞台を作り上げていきながら、映像も撮らなくてはいけないね」みたいな、少し言い方はおかしいですけれども、そんな感じでした。カメラもここから撮られているというのが分かる領域ではなかったので、基本的にはカメラを意識せずに毎回毎回、新しい公演をしていると思って、空間中で伝わるようなお芝居をしたという感覚が強かったです。だからこそ普通の映画と違うと感じたのかもしれません。

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん②

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん②

——改めて完成した作品をご覧になっていかがでしたか?

ひとつのシーンは結構長回しで一本だったりするのに、シーンごとの展開は意外とカットされていて、急に転換するみたいな。それも手法として新鮮で新しいなと思いました。

——追想の旅の中では、母親との確執も描かれています。

そういう面では文也と僕は真逆でした。僕は思ったことはちゃんと伝えられるタイプで、あまり親にも反抗したことがない。きっといまだに反抗期が来てないんじゃないかな(笑)。

ドラマのようなキュンキュンの恋愛もなかった

——ちなみに、過去の自分に戻ってやり直したいと思うことはありますか?

うーん、「戻りたい」と言いたくない自分もいるんですよ。
それこそこのお話に繋がるんですけど、気持ち的には「今が人生のピークだ」と一生言い続けて生きていきたいんです。
とはいったものの…やはりやり直したいことはあるかな(笑)。
仕事のことを何も考えずにがむしゃらにゲームをやりたかったとか、学生時代の友だちと遊んでるだけの時期に戻りたいとか、ドラマのようなキュンキュンの恋愛もなかったですし、マスクがなかった高校生活を送りたかったな。

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん④

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん④

僕を知らない人が観て、「藤原大祐って面白い」と思ってもらえたら

——公開を楽しみにしている方に、メッセージをお願いいたします。

僕のことを知ってくださってる方はもちろん観て欲しいですが、僕を知らない方がこの作品を観て、「藤原大祐って面白い」と思ってもらえたら嬉しいなという作品です。
もちろん作品も素晴らしいですし、18歳と48歳の文也、そしてその間の空白も含めてこの作品なので、年齢問わずに幅広い方に見てもらえたら嬉しいです。
とにかく「今を生きろ」と言うことは、共通して伝えたいメッセージです。

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん⑤

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん⑤

宮世琉弥くんと仲良し。ご飯食べて、喋っているだけで大満足。

——ありがとうございます。あっという間に今年も終わろうとしています。今年は話題作にもたくさん出演されていましたね。

学びの一年でした。常に学んではいるんですけど、今年は人間的に学ぶことが多かったですね、お芝居がどうとかというより、もちろんプライベートでもそうですし、いろんなことを含めて人間として、良く言えば成長できた、いろんなことを知ることができた年でした。

——同世代の方と刺激し合って作品を作られてきているという印象ですが、ライバルではありませんが、その中でも刺激を受ける俳優さんは?

宮世琉弥くんですね。
琉弥とは共演も2回していますし、よく皆さんに比較される対象かなとも思います。でも一番仲がいいんですよ。
最近も良く会っていますし、あいつとは、ただ、ご飯食べて喋ってるだけで大満足。本当に男らしくていいやつなんですよ。

——これだけは、今年中にやっておきたいことはありますか?

ディズニーランドに行きたいですね。
どの現場でも共演者やスタッフさんとディズニーランドの話になるんですよ、これ本当です。
毎日朝から夜まで撮影だったりするので、みんな素敵な世界で夢を見たいんでしょうね(笑)。
なので、いかに撮影がない日にディズニーランドに行けるかという話をさすがにされすぎて、気になってきちゃって。
最近行きたくなってきました。僕もそういえばもう、5、6年はディズニーランドに行ってないなと思って。

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん⑦

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん⑦

僕の一番の夢は、「世界中の人を笑顔にする」

——2023年に向けて、自分自身に期待したいことは?

これまでのどの一年よりも今年の一年は変化があったと思っています。
そして僕の一番の夢は、「世界中の人を笑顔にする」という抽象的なものです。でもそれは、あえて抽象的にゴールが見えない夢にしていて、その夢に向かっての大きな一歩を今年は踏み出したので、その輪が少しでも広がるように頑張りたい気持ちでいます。

藤原大祐さんプロフィール

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん⑥

映画『追想ジャーニー』藤原大祐さん⑥

藤原大祐(ふじわら・たいゆ)
2003年10月5日生まれ、東京都出身。

2019年にデビューした後、『おじさんはカワイイものがお好き。』(20/YTV・NTV系)、『恋する母たち』(20/TBS系)、『推しの王子様』(21/フジテレビ)、『教祖のムスメ』(22/TBS系)、『純愛ディソナンス』(22/フジテレビ)などドラマに立て続き出演。映画は『モエカレはオレンジ色』(22/監督:村上正典)と話題作に出演し注目を集めた。
今後もTBSよるおびドラマ『差出人は、誰ですか?』にレギュラー出演中。

『追想ジャーニー』作品情報

映画『追想ジャーニー』メインビジュアル

映画『追想ジャーニー』メインビジュアル

『追想ジャーニー』
11月11日より、池袋シネマ・ロサほか、全国ロードショー

監督:谷健二
脚本:竹田新
出演:藤原大祐 高橋和也 佐津川愛美 真凛 高石あかり 岡本莉音 伊礼姫奈 外山誠二 赤間麻里子 根本正勝 設楽銀河ほか
公式サイト:journey-movie.net
公式Twitter:@journey22_movie

(c)『追想ジャーニー』製作委員会

Photos:中原幸
Styling:山本隆司
Text:富田陽美

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numan編集部

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