鈴木拡樹×健人、２人の思う“正義”とは？|舞台『どろろ』スペシャル対談【第２回】

手塚治虫原作の『どろろ』とは、忌み子として生まれ、両腕に刀を仕込む全身作り物の男に育った“百鬼丸”と、幼い盗賊“どろろ”を主人公に、百鬼丸が生まれながらに奪われた身体を取り戻すため、妖怪と戦っていく姿が描かれる物語。

TVアニメ＆舞台化された今回のプロジェクトでは鈴木拡樹さんが、両作品ともに主人公・百鬼丸役に抜擢！　TVアニメ『どろろ』では声優に初挑戦し、舞台『どろろ』では主演として大阪・東京・福岡・三重の4都市を回ります。

先日公開した【第１回】に続き、賽の目の三郎太役を演じる健人さんと、鈴木拡樹さんのスペシャル対談をお贈りします！　ふたりの気になるキャラクターは？

【中編】舞台『どろろ』稽古直前！鈴木拡樹×健人インタビュー　画像１

鈴木拡樹さん

舞台「どろろ」公式ホームページ｜出演キャストやチケット情報

公式サイト。全てを、奪い取れ。手塚治虫・傑作ダークファンタジーが2019年3月　大阪・東京・福岡・三重にて舞台上演！

INDEX

「どのキャラクターにも、それぞれの正義がある」（健人さん）

――キャラクターのどこに焦点を当てるかも、舞台ならではの作り方になりそうですね。

鈴木拡樹さん（以下、鈴木）　百鬼丸を演じるのは、考えようによっては難しいかもしれないんですけれども、彼自身はその場に“いる”というのが正解で。その姿を皆さんにどう感じ取っていただけるのか、それ次第なのかなとも思います。自分からの発信がいつもより少ないので、皆さんからの視点にもポイントを置いて考えていきたいなと思います。

――役作りの上で、原作は大きなヒントとして意識されていますか？

健人　僕は最初、三郎太はシンプルに悪いやつなのかなと思っていたんですが……原作を読み込んでいくと、結果的に僕の役だけでもなく、どのキャラクターをとっても、誰が正義か、という明確なものがないんじゃないかなと思っていて。

鈴木　確かに。

健人　人の弱い部分に妖怪はつけ込むので、百鬼丸には百鬼丸の正義があるけど、ほかのキャラクターにもそれぞれの正義があって。この物語で描かれている戦いは、その中でのぶつかり合いだと思ったんです。なので、三郎太も全面的に悪いやつではないのかなと。原作で描かれている以上に、舞台ではそういった姿も届けられたらと思います。

【中編】舞台『どろろ』稽古直前！鈴木拡樹×健人インタビュー　画像２

健人さん

――舞台上で演じるにあたって、今回はお二人とも役柄のビジュアル面、特に百鬼丸の身体のパーツはどうなっていくんだろう、と気になっている方も多いはずです。

鈴木　それが、現段階では僕たちも知らないんです！（笑）　僕もいろんな想像はしたんですけど……でも、そうやって色々と想像している時間もすごく楽しく感じました。

――原作やアニメの百鬼丸は、義手の中に仕込まれた刀を武器に戦いますが……。鈴木さんの腕は、もちろん外せないですよね？（笑）

鈴木　そこなんですよね！　今はまさに、舞台を観るまで「百鬼丸の身体を、どうやって見せるんだろう？」って考えているお客様と、僕たちも全く同じ状況で。そこも幕を開けるまで、ぜひ楽しみにしていただきたいな、と思っています。

健人　僕も、すごく気になります。三郎太には百鬼丸と戦うシーンがあるので、百鬼丸はどう戦ってくるんだろうと。

鈴木　もしかしたら、手刀かもしれない(笑)。

健人　アハハ！　でも僕もそれ、一回は考えました(笑)。僕の役じゃないのに、僕も「どうやって百鬼丸と刀を交えていったらいいんだろう」とか、色々と考えていたんですよ。

「ダイナミックな殺陣に期待。初挑戦のアクションになりそう」（鈴木さん）

――百鬼丸の身体も気になりますが、健人さんが演じる賽の目の三郎太も、槍使いという特徴に加えて、妖怪に取りつかれた馬・ミドロ号を操るキャラクターです。

健人　舞台上でのミドロ号はどうなるのか、僕も今からとても気になっています。台本を読んだだけではどう描かれるのか、まだ表現が全くわからない場面もたくさんあるので……いろんなパターンを自分でも想像してみるんですけど、どれも難しそうだなと。例えば映像を使うとか、僕が一人二役で演じるとか。

鈴木　やっぱり実際に、ミドロ号が実体として存在していたほうがやりやすいもの？

健人　形が目の前にあったほうがやりやすいのかな、とは思うんですけど。そこはどんな演出になるのか、これからが楽しみです。

鈴木　今はとにかく、僕たちも色々と想像するのが楽しい時だね。大変なのは、きっとこれからです(笑)。