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小澤 方正のまっすぐでピュアなところ、演じていてホントに好きになれましたし、好きになるっていうのは演じるうえで重要だなって感じました。方正くんのことは今も愛しております(笑)。
――台本を読んだ段階で、思ったことは?
小澤 方正が持つ「東京に染まらない」という面をしっかり演じようと意識しました。仕事自体には慣れていくんですけど、東京には慣れない、染まっていかない。そこは大事だな、と思いました。
小澤 この作品は、ルミ(吉倉あおい)さんと方正の青春映画でもあり、恋愛映画でもあるんですけど、今までそういう「恋愛」の芝居というのはあまりしてこなかったので、二人きりのシーンは僕にとってとてつもなく新鮮でした。
ルミさんのリードもありつつ、すごく自然に楽しみながらできたシーンなので、僕の中ですごく良い思い出になっているシーンです。あと、大変だったなというのは、ボコボコにされるシーンがあるんですけど、大量の血を流すシーンで、顔中に血のりがずっとついてる状態だったんです。あれはけっこう精神的にくるもんなんですよね。大変なシーンでした。
小澤 慕ってる先輩が間違った道に行ってしまってるというのを信じたくなくて、でもそれが現実で……殴り合ってわかり合う男のシーンだと思うんですよね。これって青春映画で王道じゃないですか。男が観ても楽しめる作品にしてくれたのはやっぱり玄さんの存在が大きいかなって思います。
――宮崎秋人さんも「小澤廉の方正としての顔つきがどんどん少年から男に変わっていったのが印象的」とコメントされていました。
小澤 自分では意識してないところですけど、そう言ってもらえるのは、本当に嬉しいですね。
小澤 そうなんですよね。このビジュアルだけみると、性格がめっちゃ男らしくて、曲がったことは許せねえ、みたいなちょっと怖いイメージを持たれるかと思うんですけど、映画を観ていただければわかるんですが、ほんとに純真でまっすぐなキャラクターなので、僕が今までやってきた役柄に近いところもあるのかなと思いますね。
――方正のキャラクターと小澤さんご自身は近いところありますか?
小澤 自分の考えをあまり変えないところですね。譲れないところは譲らない、という考え方は近いもしれないです。あとは、地方出身というところですね。
小澤 ルミと方正のあの一途な青春がもちろん見どころでありますし、その青春は、けっこうリスキーなところがある世界での恋愛なので、ヒリヒリするところもあると思います。
あとは、方正を取り巻く個性豊かなキャラクターたちがとても魅力的なんです。矢柴(俊博)さん演じる露崎なんて、ほんとに怒らせたらヤバい人なんだなというのは一目でわかる。でもすごく深い愛を持っている人物なんだろうなというも伝わってくる。その方正を取り巻く人たちも観てもらえたら、より一層楽しめる作品になっています。笑いがあって、恋愛があって、ちょっとエッチな部分があったり、あとは男臭いぶつかり合いもあります。女性の方も感情移入しやすい作品になっていると思うので、劇場で観ていただけたらうれしいです。
小澤 男の友情がすごく出てるんですよ。方正と玄さんだったり、方正に対してのタカシ(毎熊克哉)だったり。そういう男同士の関係性に「わかるわかる」と思ってもらえると思います。本当~に、男性の方に観て欲しい作品です。
――観終わって少し寂しい気持ちにもなるんですよね。この人たちのこの関係性は、もう観れないのか、と。
小澤 そう。僕は出ている立場ですけど、一視聴者として悲しいなぁと思うんですよね、あの別れ……ネタバレになるので詳しく言えないですけど、方正の気持ちも、心が苦しくなりますね。
小澤 観客がいればできるかもしれないです。一人も観客がいない、先輩も後輩も誰も見てない状況だったら無理かもしれないです(笑)。
――では最後に、今後への思い、目標を聞かせてください。
小澤 男としてもっと成長して魅力的な人になっていきたいな、と思ってるのが、個人、小澤廉としての目標です。役者としては2.5次元という素晴らしい世界を経験させていただきつつ、映像の世界にも意欲的にチャレンジしていこうと思っています。
舞台でも映像でも魅力的な姿を届けられるように、という思いです。僕のことを応援してくださってる方はこれからどうなるのかな、って思うかもしれないですけど、根っ子の部分の小澤廉は変わることはないので、引き続き応援よろしくお願いします!っていうのはお伝えしたいなと思います。
新宿・歌舞伎町を舞台に繰り広げられる、男たちの熾烈なスカウト戦争を描いた物語。
夜になればネオンが煌びやかに輝き、渇きを感じた男女が入り混じる不夜城・歌舞伎町。そんなユートピア歌舞伎町で、最底辺人生を行く女好きの田舎者・道場方正が足を踏み入れたスカウトビジネス。22歳、童貞、一文無し、フラれた女は100人のスペック最低、パンチ頭の負け犬人生。能天気な破天荒男は歌舞伎町で一発大逆転できるのか? スカウトマンたちのリアルな実態を鋭く描いた、成り上がりエンターテインメント!
製作:「新宿パンチ」製作委員会
Ⓒ2018「新宿パンチ」製作委員会
撮影/笹井タカマサ
取材・文/田部井徹(トリーヌ)
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