numan編集部
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舞台化は2017年12月、テレビアニメ第1シーズンをもとに上演した、舞台『文豪ストレイドッグス』を皮切りに、以来様々なキャラクターと時代にスポットを当てた4作品を上演、舞台『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』で5作品目の舞台化となっています。
4月16日(金)から幕を開ける、舞台『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』は、異能力者たちが自ら命を絶つという不可解な「ヨコハマ連続自殺事件」の発生に端を発する、過去から現在までそれぞれの思惑・悔恨・因縁が絡み合う霧深きストーリー。
俳優の身体的表現や、プロジェクションマッピングを駆使した映像などの多彩な演出方法がファンの熱い支持と高い評価を得ているこの作品、芥川龍之介役の橋本祥平さんと中原中也役の植田圭輔さんに、『文ステ』の魅力、奥深さをお聞きしました。
INDEX
橋本祥平(以下、橋本) 映画『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』を観させていただいた時から、やりたいな、でも表現が難しいだろうなと思って今があるので、ワクワクしながら稽古に入っています。
今作の台本は原作の朝霧カフカさんが手掛けているので、いい意味で映画よりも舞台の方がもっと1人1人の役を深掘りしてくださっている気がします。
中也さんと絡むシーンが多いのですが、今まで絡むことがなかったので、芥川としても橋本祥平としても、どうやって接したらいいんだろうと戸惑いながら、稽古を楽しみ、いろいろ模索してやっている現在です。
植田圭輔(以下、植田) 僕も映画のほうは観させていただいていて、台本の感想はいい意味で今までとは結構違うと思いました。カフカ先生が手掛けているので間違いないですし、根底の部分にある、『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』は変わらずに、知ってる方には新しさと、らしさというものを感じてもらえるだろうし、舞台から観るという方には、よりわかりやすく説明の部分もしっかり描かれているので、そういう意味ではいろんなタイプのお客様にも対応できる脚本になっていると思いました。
植田 今回、中也はめちゃくちゃ説明ゼリフが多いんです。中也初のほぼ説明ゼリフがあったりとか。芥川と絡むシーンも多いので、やっていて楽しいですね。
橋本 さきほども少し言いましたが、中也さんとは今まで2作品やっていて今回が初絡み。芥川と絡んでる中也さんが、僕と植田さんの関係と似ていまして…。(植田さんが)ちょっと先輩感あるなって思ったり、(植田さんと接していて)芥川ってこんな感じでやっているだろうなって、少し照らし合わせている部分もあったり(笑)。お客様も新鮮な気持ちでご覧いただけるのではないかと思っています。
——2作品演じてきて、印象の変化はありますか?
植田 やるたびに、初めてのときの良い印象で、変わらずここまで来れています。最初に抱いていたものが間違いではなかったという思いも強いですし、蓄積もありますし、シリーズものをやる上で一番いいステップの踏み方をしていると思います。
橋本 僕も大きく印象が変わったことはありませんが、今回の敵は自分と分離した異能力の羅生門で、それと戦ったりするんです。芥川より羅生門側の「お前、そんなこと思っていたのか」という印象は、僕の中ではなるほどなと思いました。異能力が使えず動けないなりの芥川の少し面白いところというか、そういう今までにない芥川を出せるかと思います。
橋本 文ステ初演から2年以上経ちますが、初演の時は僕もそこまで作品を経験していなかったので、間違いなくこの文ステで、ひとつ殻を破ることができたという実感があります。演劇の楽しさや厳しさ、難しさを教えてくれた作品です。稽古場に行くと、帰ってきた、ホームだなと思えますし、帰って来られる場所があることは幸せだなと思います。
また、初演からこのスタンスは変わっていませんが、本当に稽古の進みが早くて、初日から、稽古場で台本を持っている人がいないんです。皆とても仲がいい中にも真剣な空気というのがあって、台本を持っていて何かを言われることはないんですが、(セリフを覚えて来ないという)そんなダサイこともできないなという(笑)、優しくもあり、厳しくもあるそんな現場です。
植田 そうなんですよ、ぼやぼやしていると置いていかれる現場なんです。祥平と絡むシーンも最初から自然とセリフ合わせができていて、もっとこうしようかみたいな話はしないよね。
橋本 確かにそうですね。
植田 違ったらお互い分かるみたいな感じ。「ここそうだね、そうしよっか」みたいな。人間としても役者としてもかなり深い所まで知っているので、いい関係だと思いますよ、橋本祥平とは(笑)。
橋本 植田さんとご一緒にさせていただく時は、逆に芝居中にちょっとセリフのテンポ上がったから俺も上げようとか、芝居中に何かを察する感じが多いですね。まだ僕が気づけてないことも多く、足りてないところもある意味、自覚できていますが、いつも「大丈夫だよ」と言ってくれるんです。
橋本 今のところ、前回ほどの激しいアクションはないのかな。それこそ本当に役の深さをどれだけ出せるかっていうところでもあるので。芥川が自身と向き合う今回の展開だからこそ、とにかく芥川の内面をお客さんに出して、こういう捉え方もあるのかと思っていただけるぐらい深掘りできたらと思います。
植田 過去の文ステシリーズでやったことのない演出をお見せするシーンがひとつあって、それを私が担当させていただくので、そこはまず完全に成立させなくてはいけないという課題はあります。あとは別のシリーズで描かれている過去の話のようなものも登場人物に投影されているので、それを踏まえた上で改めて今の台本を見ると凄く意味合いとか、言葉の重さとを感じることが本当に多くて、そういうものを自分なりにトレースしつつ、表現して届けられたらとは思っています。
橋本 たくさんあります。植田さん主演の他の作品にも出させていただいたりしていますが、とにかく視野が広い方です。自分のことよりも人のことを優先的に考える方で、前に共演した作品で僕が悩んでいたことがあって、これは1人で抱えていくしかないということがあった時にすぐに気づいてくれました。人の心を読み取って優しく包んでくれる植田さんに何回も助けられました、かと言えば、面白いこともできるし、もう僕は、何ひとつかないません(笑)。
植田 素直に嬉しいものですね、そう言われると(笑)。でも気にかける理由というのもあって、やっぱり自分がその人に好意があるかないかだと思います。支えたいとか、何か話を聞きたいなとか、そういう魅力を持っているのは祥平の持ち味です。彼がいるととても現場が明るくなって。逆にめちゃくちゃふざけたりする時もあれば、やるときはしっかりやってくれる。そういう部分が祥平の根幹にあって、良い意味で“普通の若者らしさ”をちゃんと持っている。役者としても、1人の人間としてもの凄くいい役者さんだと思います。
——シリーズもののキャラクターを演じる際に、よりキャラクターに愛着が沸くと思いますが、改めて感じるそれぞれのキャラクターの魅力を教えてください。
橋本 芥川は一本、太宰さん(田淵累生)という芯があって、色んな感情が渦巻いているのがぶれなくて可愛いところでもあると思います。また、敦(鳥越裕貴)との関係性、「お前は(太宰さんに)認められてる」「いや、お前が認められてる」って言う、自分では気づいてないお互いの掛け合いも凄く好きです。また、芥川は強いのに自分がまだまだ弱いと思っているところも好きなところですね。
植田 中也は自分が今まで演じてきた中で最強にカッコいい男だと思っています。客観的に見たら滑稽で可愛く映ってしまうようなところも、僕から見たら一本筋が通っているカッコいい部分にあたるというところが多くて、多分、中原中也は自分が可愛いという言葉はないんです。だから僕も演じる上で、(1作目にあった)「2度目はなくってよ!」というセリフの部分はめちゃくちゃ可愛いけど、それは無理にやらされてるだけで、間違えた解釈をしないことを大事にしています。理想の上司で最強にカッコいい男というのがキャラの好きなところですね。
植田 魅力は(演出の)中屋敷法仁さんの脳でも感じています。今回も原作の難しい表現のいくつかを、見事に演劇的に演出されていて、「文ステやな、なんか中屋敷さんだな」と感じます。相当練られていると思いますし、作品のことを深く考えてくださっているのがとても伝わってくる。そういう愛の部分が魅力として活きているのを感じますね。
橋本 もちろん文ステらしさ、中屋敷さんらしさというのがあるんですが、真剣さの中にどこかちょっと演劇で遊んで楽しんでいるところも伝わってきて、こちらとしても「めちゃめちゃ面白い、楽しい」ってなります。その感じがお客さんにもそのまま伝わると思いますし、アンサンブルさんもひとりひとりが生き生きとしていて、全員で作っている感覚が強いですね。
植田 モルックです。実はすでに文ステメンバーともモルックをやったんですが、改めてコミュニケーションが取れますし、モルックは初対面の人とも仲良くなれるのに手っ取り早くおススメです。戦略、実力、技術とあとチーム戦みたいなところもあるので、意外と芝居に通ずる部分があったりするんですよ。チームメイトが技術的に自分より下手だったら自分が難しい方を先に行って、ミスってもプレッシャーを与えないよう、楽しんで投げれるようにしてあげたりもできます。1人なら勝つためにやりたいし、結構アンテナを張るポイントが多いですし、人となりも分かりますよね。倒れたものを自分たちで戻してゲームをしていますけど、祥平なんて率先して戻しに行ったりするんです。
橋本 モルック、僕もめちゃめちゃ楽しめました。そこまで激しいスポーツでもないのに、体を動かすし頭も使うので、いいアップにもなります。植田さんのモルック沼に侵食されていて、落ちつつあると思ってます。
植田 鳥越なんて「絶対やらん」って言ってたのに、今では楽しくやってますからね。
橋本 ハマる理由は分かりますね。
植田 橋本洋平さんがハマっている沼は同じくモルックです。
橋本 いや、それがちょっと違うんですよ。バルーンアートの沼ですね。
植田 確かにガンガンやっている。
橋本 もう楽しくて、ほぼ毎日夜やってます。風船1本で何でも作れちゃうのに、めっちゃ奥が深いんですよ。去年の自粛期間中に始めましたが、今まで趣味になったものでこんなに続いたものはないぐらい。知れば知るほど楽しいです。
——将来的には何か大作を作りたいと思いますか?
橋本 思います。将来的にはリアルサイズのハーレーダビッドソンを作りたい。ジャケットを作って、東京ガールズコレクションとかに出るとかね。
植田 どこまで本気? おもろいな、それ(笑)。
植田圭輔(うえだ・けいすけ)
1989年9月5日生まれ、大阪府出身。
原作:映画「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」
脚本:朝霧カフカ
脚本協力:内田裕基
演出:中屋敷法仁
協力:春河35
音楽:岩崎琢
振付:スズキ拓朗
キャスト:鳥越裕貴 桑江咲菜 橋本祥平 植田圭輔 田淵累生 岸本勇太 村田充 ほか
公式サイト:http://bungo-stage.com/
撮影/笹井タカマサ
取材・文/富田陽美(トリーヌ)
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