ユザネ（ゆざね）

「ユザネ」（ゆざね）とは、「ユーザーネーム」の略語。
SNSやウェブサイト等で、ユーザーを区別するために使われる名前のこと。

語源はそのまま、利用者の名前。
サービス内で利用者を区別するためにつけられる「アカウント名（垢）」と似ているが、アカウント名はサービスの都合上同一サービス内同一ネームが認められない。対してユーザーネームは垢が別なら同名でも構わない。
……と思っていたら、ユーザー名がそのままアカウント名として機能しているサービスもあるのでややこしい。

ユーザーネームは垢とは別にその人を表すペンネームのようなものと思っておけば、だいたい間違いはない。ネットユーザーがいちいちユーザーネーム、と３回も「ー」を入れるのを面倒くさがったことにより、短縮版の「ユザネ」が爆誕。メッセなどで頻繁に使われるうちに自然発生的に広まった。

ユーザーネームとか、日常のメッセでそうそう使う単語じゃなくね？　と思うなかれ。
2022年ごろから感度の高い女子ユーザーの間でオシャレユザネが流行。名前を韓国語風にしてみたりしておしゃれ度を競っている。特にインスタグラムではユザネに英数字の他「_（アンダーバー）」と「.（ピリオド）」しか記号が使えないため、腕が試される。おしゃれなユザネを思い付いたら仲間に伝えたくなるのが人の情。頻繁にユザネ情報を交換するうちに、言葉が定着していったようだ。

オシャレユザネの例
アンダーバー乱舞「___name____」
ピリオド乱舞「name....」
英数字連続型「naaaammmeee__」
英語変換型（桜さんの場合）「cherry」
韓国語変換型（桜さんの場合）「beojkkoch」
キーワード型「I_am_name」
組み合わせ記号表現「s2(♡）」「c5（りんご）」「o6（さくらんぼ）」

などなど、利用できる文字が少ないが、いや少ないからこそユーザー間でのアイデアと工夫が光っている。
ちなみユザネ装飾文化自体はそう珍しい話ではない。にネットゲーム創世記では「♰+キリト+♰」や「卍ゴエモン卍」などの特殊文字を使ったキラキラネームがよくあり、ちょっとやんちゃなユーザーの代名詞として使われていた。

スマホショートメールが浸透しはじめたころに、プライベートメールアドレスを「yuki_pon@（ニックネーム）」や「keisuke_love_0205@（彼氏と誕生日）」「duka_inoch@（宝塚命）」のように趣味全開で設定することも流行った。しかし、メールアドレスはただのユザネではなく垢と紐づいているため、一旦設定すると変更が難しく、名前で遊ぶと不便であることから、あっという間にすたれていった。

「インスタのユザネとアイコン変更したよ～。新ユザネをメッセで送っておくね」
「了解。そろそろ変えると思ってた」
「なんで！？」
「だって推しが変わるたんびにユザネ変えるじゃん。昨日始まった新シリーズにハマったでしょ」
「ぐはっ……なんという名推理……！」