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「自然界隈」(しぜんかいわい)とは、川や山、海などいわゆる「自然」を好む人々のことを指す。アウトドア系の流行はさまざまあるが、「自然界隈」はあくまでデトックスといったものに近く、「映え」を狙わないものである。
言葉の発祥自体は不明であるが、InstagramやTikTokなどで「#自然界隈」というタグが誕生し、Z世代に多く使用されるようになったのが発端である。インスタ、TikTokでは既に5000件ほど投稿されており、若者マーケティング機関「SHIBUYA109 lab.」が集計した「SHIBUYA109 lab.トレンド予測2024」にも「モノ・コト部門」でノミネートしている(※1)。
「界隈」という言葉自体の意味は、元々はそのあたり一帯。付近。近辺という意味である。
しかし近年では、「ディズニー界隈」「オタク界隈」「Kポ(K-POP)界隈」のように所属するジャンルなどを指す言葉として使用されている。
アウトドア系の流行語・流行としては、単独でキャンプを行う「ソロキャンプ」、手ぶらでキャンプができる「グランピング」、英語の「chil out」から生まれた「ゆったりすごす」などの意味を持つ「チル」を取り入れた「チル旅」などがある。これまでの傾向だと、いずれも「映え」を意識する場合があるが、近年の流行はむしろ「映えない」「盛らない」ことにある。
例えば、加工技術の進化が止まらない「プリクラ」においても、最新の流行モデルは韓国発の加工を一切行わない「盛れないプリクラ」である。これまではプリクラに限らず、加工により「映え」を意識し、SNSで多くの評価を得ることがトレンドであった。しかし最近では「SNS疲れ」という言葉も聞かれるように、そういった「加工」を廃した「ありのまま」を配信・投稿するのがトレンドとなっている。「自然界隈」においても、映える景色というよりは「雄大な自然」「夕日」「牧場」などが多く投稿されている。
これに関連したもので、アメリカで誕生した「BeReal」というアプリがある。
「BeReal」はInstagramのように写真を投稿するSNSではあるのだが、不特定多数に向けて好きな時に自由に投稿するのではなく、決まった時間にのみ投稿可能。スマホの外側と内側のカメラを使用し撮影するのだが、投稿可能時間は2分と短く、加工は一切できない。さらに投稿は1日1回のみで、閲覧できるのは「友人のみ」という非常に限定された機能を持つアプリである。こちらのアプリも「映えない」というニーズにマッチしていたためか、2023年にZ世代の間で流行を見せた。
「インスタの自然界隈のタグめっちゃ癒される」
「私も今度の週末、自然界隈デビューしようかな」
「なんか“自然界隈”とかいうタグ生まれてんだけど」
「チルい写真多くていい感じな気がする」
※1
SHIBUYA109 lab. MATEが選ぶ SHIBUYA109 lab.トレンド予測2024
2023年12月5日発表
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000269.000033586.html
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