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「フラッシュモブ」(ふらっしゅもぶ)とは、街中のゲリラパフォーマンスの一種。
ショッピングモールや、スクランブル交差点など、人の多い場所で一般通行人(モブ)として歩いていたはずの人々が、突然それぞれに整列しはじめ、キレキレのダンスや歌などを披露しパフォーマンス終了と同時にまた何事もなかったかのように去っていくこと。
語源は「フラッシュ(ごくわずかな時間まばゆく光る)」する「モブ(群衆)」名もなき集団が一瞬だけ輝かしいパフォーマンスをして去っていくことから。
初めてフラッシュモブが行われたのは、2003年のニューヨークとされている。
自分と同じ、ただそこに行き会っただけの人間だと思っていた人々が、突然超一流のパフォーマンスを披露したかと思うと、またすぐに一般人に戻っていなくなってしまうという、一瞬の変化がウケて一大ブームとなった。
その後、日本でも同様のパフォーマンスが流行。
有名な成功例としては、2012年12月に羽田空港で行われた約160人ものオーケストラが集合して第九を演奏するチャリティーイベントや、2013年11月に福岡駅前で市民約800人が終結してダンスを踊るイベントなどがあげられる。
コンセプトが「一般人が公共の場所で踊る」ことから、衣装代やイベント会場代の必要のないパフォーマンスとして、模倣するパフォーマーがあいついだ。さらに、街中行えることから、集めた人々を「バックダンサー」に仕立てあげ、突然の告白やサプライズプレゼントの演出の一部とする猛者も出現。通行人がいきなり集結してきて、目の前で踊り始めたかと思ったら、最後にセンターで踊っていた彼氏が指輪をプレゼントしてくれてハッピーエンド、という心温まる映像も多く投稿されている。
しかし、一見お手軽に演出できるように見えて、フラッシュモブパフォーマンスには多くの危険が潜んでいる。
参加者を通行人として登場させる必要があるため、現場の多くは公園や道路、ショッピングモールなどになる。公の場所で通行を止めパフォーマンスを行うには施設の許可、公道は警察の許可をとることが義務付けられている。ブームにあわせて作られた素人フラッシュモブのほとんどは、厳密にいえば違法動画である。フラッシュモブ中に巻き込まれた本物の一般人が怪我をしそうになった事例も存在する。
先に挙げた数百人規模のイベントは、会場となる羽田空港や福岡市が事前に許可し、周囲の安全を確保したからこそ成功したものである。
また、パフォーマンス自体が成功してもその後悲劇が発生することもある。フラッシュモブつきでサプライズプロポーズして、その場ではOKをもらったものの、撮影終了直後にフラれるという事例がいくつも報告されたのである。女性いはく「あんな公衆の面前で大勢に取り囲まれてプロポーズされて、断れるわけないじゃない!恥ずかしくて死にそう!」だったそうだ。
彼氏、そういうとこやぞ。
公共の場で施設側の許可を取ることの難しさ、直前まで通行する無関係の一般人の安全確保など、実施にあたり注意点が多いことから、フラッシュモブはブーム以降10年経過してゆるやかにすたれていった。
現在では、絶対に断られないことが確定している結婚式場や、関係者以外入れない貸し切りレストランなどで、厳重に配慮されながらほそぼそと行われているようである。
「文化祭のパフォーマンス、フラッシュモブだって!」
「ええええ、よく許可がとれたね?」
「観客を装ったダンス部が野外ステージに上がってってやるんだって」
「へ~ちょっとおもしろそう」
「だよね!」
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