客降り(きゃくおり)

「客降り」の意味

「客降り」(きゃくおり)とは、主に劇場において、上演中にキャストが客席に降りてパフォーマンスをすること。
またそういった演出のこと。「客席降り」「客席演出」「通路演出」とも言う。

客席通路をステージに見立て、キャスト同士で演技を続ける場合もあれば、観客に話しかけてアドリブを披露することもある。キャストを非常に近くで見られること、場合によっては直接やり取りができることなどから、ファンサービスタイムの一貫としておこなわれる場合も多い。

コロナ禍では、キャストと観客の距離を取るために、ほとんどおこなわれなくなっていた。
規制緩和の流れに伴い、徐々に客席降りを復活させる公演も出ている。

「客降り」の由来・語源

「客席に降りる」ことの略称。
演劇において、客席通路をステージに見立てた演出は古くから存在している。
歌舞伎や日本舞踊でも、舞台から客席に伸びた「花道」を使った演出はメジャー。元々の演劇用語としては「客席降り」が一般的であり、「客降り」という略称が定着したのは、2.5次元舞台の界隈と思われる。

現在はアイドルのコンサートやライブなどでも、「客降り」という表現が幅広く使用される傾向にある。

「客降り」の活用例

「予想外の席に客降りがあって悲鳴上げそうになった」
「客降りで推しとハイタッチしちゃった……」
「客降りでサービスしすぎて、推しがステージまで全力で走ってた」
「◯◯くんと客降りで目が合って、ハートマークまで作ってくれた!今日から推すわ」
「客降りで推しの香水を特定したい」
「最近客降りが復活してきて嬉しい!」
▼宝塚における客降り
宝塚歌劇では「客席降り」という表現がメジャーである。
コロナ禍以前は、ごく一般的な演出のひとつであり、観客とも気軽にハイタッチや声がけなどがおこなわれていた。銀橋前に階段が設置されている場合、客席降りを期待する観客が多い。

▼客降りにおけるファン交流の一例
・キャストが観客に話しかける
「今日はどこから来たの?」「(セリフの流れで)今のどう思う?」

・観客の服装や持ち物をいじる
持ち込みが許可されている応援グッズにコメントすることもある。
『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』などでは、観客の許可を得た上で、キャストが応援うちわを回収していくパターンが人気を博した。

・応援グッズのファンサービスをする
(主に歌唱・ダンスパートのある2.5次元舞台など)キャストがうちわに書いてあるポーズを取ったり、セリフを言ったりする

・観客がキャストを撮影する
所定の撮影タイムが用意されている場合のみ。本格的な演劇公演よりは、ファン向けイベントや終演後の舞台挨拶などでおこなわれる傾向にある。

・銀テープや紙吹雪を手渡す
舞台『おそ松さんon STAGE~SIX MEN'S SHOW TIME~』では、客降りをしたF6キャストが観客に箱ティッシュを一枚ずつ配っていく斬新な演出が行われた。

・ハイタッチや握手をする

・じゃんけんをする

▼客降り位置を想定したチケット取り
観劇慣れしている層は、演目における客降りの位置を想定し、チケットを取る場合もある。
通路側の席は、キャストにもっとも近づける可能性があるため、人気が高い傾向にある。

▼客降りと関係者席
「キャストが関係者にサービスをして、それを他の一般客が見て楽しむ」という一連の流れがある演目もある。
出演していない有名な俳優、作品の原作者、キャストの家族など、関係者のバリエーションはさまざま。

▼客降りにおけるトラブル
演劇、コンサート問わず、キャストが客席に降りる(=観客の近くに移動する)ことによってトラブルが発生したこともある。
・観客がキャストに手を伸ばし、移動を妨げてしまう(=演目に支障が出てしまう)、衣装に傷がつく
・キャスト目当てに席から乗り出す、自分の席から移動するなどのマナー違反
・客降りを想定した、過剰なチケット交換の要求(=観客同士のトラブル)、チケットの高額転売

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numan編集部

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