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私、魔女のキキ!こっちは○○
「私、魔女のキキ!こっちは○○」(わたし、まじょのきき! こっちは○○)とは、とんでもない失敗をした時の枕詞として使われているネットスラング。この枕詞は、魔女のキキでなくても使用することが可能。主にX(Twitter)で見かける。
スタジオジブリが制作した長編アニメ映画『魔女の宅急便』に出てくるセリフが元となっており、そのセリフは以下のふたつ。
「あの…私は魔女のキキです!こっちは黒猫のジジ」
「私、キキです!こっちは黒猫のジジ」
これが元とは言えども、詳細まで似せている文章は多くない。そのため「です」まで書いているのがあれば、その発言者はもしかしたら元ネタとなった作品のファン……かもしれない。
元ネタである長編アニメ映画『魔女の宅急便』は、児童文学作家の角野栄子による『魔女の宅急便』が原作となっている。1982年から『母の友』に掲載され始めた。
こちらはシリーズ作品で、2009年10月に『魔女の宅急便その6 それぞれの旅立ち』をもって、24年間にわたるシリーズの完結となった。そのあとに書かれた、他の登場人物に焦点を当てた特別編の3作品も足すなら、合計36年強となる。
様々な言語に翻訳され、世界各地で出版されている大人気作品となった『魔女の宅急便』は、映画とともに今日に至るまで幅広い年代に愛されている。
▼児童文学『魔女の宅急便』第1巻 あらすじ
魔女の少女キキは「13歳になったら魔女修行のために余所の町へ移住し、独り立ちする」というしきたりに従い、満月の夜に相棒の黒猫ジジと一緒に、新たな街を探して旅立った。
道中コリコの町のパン屋「グーチョキパン店」のおかみさんに気に入られ、厚意で店に居候させてもらったキキは、唯一のとりえである空飛ぶ魔法を活かして、空飛ぶ宅急便屋を開業する。次々に舞い込む届け物の仕事や飛行クラブの少年とんぼとの出会いなど、様々な出来事を経験し、やがて1年目の里帰りを迎える。
▼『魔女の宅急便』の児童文学版とジブリ映画版の違い
・童話特有のファンタジー性が控えめになり、魔法は「個人の特性」として描かれた
・「独り立ち」という視点に加え、映画では思春期であるキキの複雑な感情も描かれている
・長髪に黒リボンのキキは、映画では短髪に赤リボンとなった
・登場人物のトンボの性格が、弱気な少年から、気さくで行動的な少年へと変わった
・映画だと黒猫のジジと会話ができなくなったままで終わる
・映画のオリジナルとして「トンボを飛行船から救出する」シーンがある
「わたし魔女のキキ。こっちは手が滑って1/2くらいバスロマンぶち込んだ風呂。」(※1)
(ちなみにバスロマンではなく、バスクリンだったらしい)
Xでバズった失敗画像付きの投稿は、2016年7月に投稿された上記のものが最初で、これを境にネタとして広まったと考えられる。しかしジブリ映画『魔女の宅急便』は1989年には公開されているため、ネット上にはなくともニッチなオタクが口頭で使っていた可能性はあるだろう。
「わたし、魔女のキキです!こっちは推しの新規絵に興奮していたらスープを吸って伸び切ったカップラーメン」(※2)
「私、魔女のキキ!あれが今日乗る予定だった新幹線!」(※3)
これらのように「わたし、」や「わたし」「私、」など表記ブレは多数存在する。
また、単に言いたいことの引き立て役として使っている投稿も見受けられるため、本人がそれを失敗だと思っているかは分からない。
※1
2016年7月1日の投稿
https://twitter.com/sindo_kou/status/748833325528211456
※2
2023年10月19日の投稿
https://twitter.com/caramawarun/status/1714849070576189530
※3
2023年10月22日の投稿
https://twitter.com/kazu1208po/status/1715891061514702972
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