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「○○ロス」(○○ろす)とは、○○を失ったことにより、喪失感や絶望感を抱くこと。
気分が鬱々とする、他のことが手につかなくなる、食欲がなくなるなど、個人差はあるが概ね心身にネガティブな症状が表れること。
主にエンタメ業界について用いる表現で「好きなタレントが引退した」「好きな作品が最終回を迎えた」「好きなキャラクターが死んだ」などの場合に使用する。○○には、失った作品やタレントなどの固有名詞を入れる。
▼有名な「○○ロス」の一例
「松ロス」:人気アニメ『おそ松さん』が最終回を迎えたことから
「鬼滅ロス」:人気マンガ『鬼滅の刃』が最終回を迎えたことから
「おっさんずロス」:人気ドラマ『おっさんずラブ』が最終回を迎えたことから
「五代ロス」:連続テレビ小説『あさが来た』の登場人物・五代友厚が亡くなったことから
「ガッキーロス」:人気女優・新垣結衣さんが結婚したことから
「SMAPロス」:人気アイドルグループ・SMAPが解散したことから
語源は英語の「~loss(=~の喪失)」。
「○○ロス」という言い回しは、「ペットロス症候群(=ペットを亡くした喪失感から発生する、心身の症状)」から派生したものと考えられる。
元々はインターネットスラングで、より広く普及したのは、2013年に放送された、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』終了後と言われている。一般視聴者から芸能人まで、本作品のファンが最終回を惜しむ「あまロス」という現象・表現が、SNSを中心に広まったことから。
現在はインターネットに留まらず、日常会話の中でも使用されることも増えている。
「刀ミュが閉幕し、刀ミュロスが開幕した」
「鬼滅ロスがすごいので、改めてアニメを1話から見返している」
「推しロスは新たな推しを見つけることでしか解消されない」
「推しユニットは3年前のメンバーが一番好きだから、今でもたまにロスになる」
「私のご贔屓が退団してしまって以来、他組を観劇するたびに激しいご贔屓ロスを感じます……」
「ドラマのsilentロスから、主演の目黒さんを追いかけ始め、ジャニオタになってしまった」
「福山雅治が結婚したとき、職場の女性はみんなマサロスになっていた」
「推しの引退が決まったので、推しロス対策に新しい推しを探してる。オススメのいい男がいたら教えてください」
▼形容動詞として
「今推しキャラが死んでロスってるところなんだよね」
「千秋楽から早一週間が経ちましたが、私は未だにロスっています」
「余韻なんてものじゃなくロスってる」
▼その他の活用
特に若者を中心に広がっている表現。
株式会社NEXERの「日本トレンドリサーチ」調査によると、「○○ロスを感じたことが“ある”」と回答しているのは、20代以下は全体の51.3%、30代は38.7%、40代は36.7%となっている。
「○○ロス」は、共感が重要視される現代らしい表現とも言える。とくにSNSでは、自分と同じ「○○ロス」状態のユーザーをリアルタイムで確認できるため、喪失感を共有しやすくなっている。
近年は「○○ロス」という表現がメジャーになっているため、とくに「作品ロス」に陥るファンのために、役者や作者などが「○○ロスの皆さんへ」と関連写真やイラストをSNSにアップしたり、気分を高揚させるような新情報を教えたりすることもある。
トレンドワードとして広く普及しているため、エンタメ界隈以外でも、「○○ロス」という表現を使う人も増えている。
「通っていた学校を卒業した」「仲の良いご近所さんが引っ越してしまった」「お気に入りのレストランが閉店してしまった」などのシーンでも、「○○ロスを感じる」という表現が用いられています。
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