numan用語集「マルチバース」

マルチバース(まるちばーす)

「マルチバース」の意味

「マルチバース」(まるちばーす)とは、自分たちが今いる宇宙とは別に、観測できない別の宇宙が存在するという科学用語。日本語では「多元宇宙」と呼ぶ。「多元宇宙」に存在する別の宇宙のことを「平行宇宙」と呼ぶこともある。

広い意味では「パラレルワールド(並行世界)」の概念と同義である。しかしパラレルワールドが同一の宇宙内に存在する、選択肢の分岐によって作られた世界を指す言葉であるのに対し、マルチバースはまったく異なる独立した宇宙のことを指す。

観測できない宇宙とは……138億年前に誕生したとされている宇宙は、今もなお膨張を続けている。
光や電磁波を使って観測をする我々人間には、光速を超えて膨張し続ける宇宙をすべて観測することは不可能である。よって観測できない宇宙が生まれる。観測できない宇宙は地球に一切の影響を及ぼしていない、いわゆる「別の宇宙」であると言える。

似たような言葉として「メタバース」と混同されることがあるが、この2つはまったくの別物である。

メタバースとは……インターネット上に3次元で構成された仮想空間のことを指す。
メタバース内には様々な建物が並んでおり、ユーザーは自分のアバターを操作してショッピングや他の人との交流など、現実世界と同じように生活をすることが出来る。主にゲーム分野で活用されているが、近年ではビジネスやエンタメ分野から注目を集めている。

「マルチバース」の由来・語源

アメリカの心理学者および哲学者であるウィリアム・ジェームズが1895年に生み出した造語。1つの宇宙を指す「ユニバース(universe)」に対し、「複数(multi)」の宇宙で構成されていることから「マルチバース(multiverse)」と呼ばれる。

「マルチバース」にはさまざまな理論が存在する。代表的な理論のひとつとして、宇宙は誕生してすぐに急激な膨張(インフレーション)をしたと考えられている「インフレーション宇宙論」から派生した「泡宇宙」が挙げられる。泡宇宙論では、インフレーションによって宇宙は泡のように無限に作りだされていると考えられている。それぞれ泡宇宙は少しずつ物理的法則が異なる宇宙や、自分たちが住む宇宙と似た宇宙もあると推測されている。

もうひとつ代表的な理論では「多世界解釈」が挙げられる。1957年にアメリカ合衆国の物理学者であるヒュー・エヴェレット3世が提唱した理論で「ある出来事に選択肢が生まれた場合、その選択肢が起こりうる世界が無限に存在する」というものである。

どの理論においても共通しているのは、自分たちのいる宇宙だけでなく観測できない別の宇宙が存在するという点である。

マルチバースを用いた代表的な作品として『スパイダーマン:スパイダーバース』が挙げられる。本作は別々の宇宙で活躍するスパイダーマンがひとつの宇宙に集まって、悪に立ち向かうストーリーである。

例に挙げた作品のように、マルチバースは主に多くのキャラクターが集まるお祭り的な作品のテーマとして用いられることが多い。マルチバース設定の作品では、ひとつの世界にさまざま宇宙から来たキャラクターが集まるものと、主人公が自らさまざまな宇宙へと移動するものに分類できる。

 

「マルチバース」の活用例

SNSでは「世界線」や「パラレルワールド」と同じ意味で用いる場面がまれに見受けられる。

「舞台版とテレビ版でマルチバース生まれてる」

「マルチバースのどこかで○○生存していないかなぁ」

「○○の声優さん変わってるじゃん。まぁマルチバースに入り込んだってだけか」

パラレルワールド(ぱられるわーるど)

世界線(せかいせん)

トリップ(とりっぷ)

逆トリップ(ぎゃくとりっぷ)

メタバース(めたばーす)

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