控えめに言って○○（ひかえめにいって○○）

最高のものを目の当たりにした時、誇張は控えて慎ましく述べることで、最高であるさまを際立たせる時に使用する。つまり最低限度の表現がそれであり、それだけでは言い尽くすことができないという思いが込められている。興奮状態等で語彙力が低下している時に使われることも多い。控えめに言って神。控えめに言って最高等という風に使う。

この言い回しには日本人の謙虚さが現れている。コミュニティの中で優先とされるのが調和であるこの国において、強い自己主張はしばしば嫌煙される。そんな中、“控えめに言うと”と前置きすることでカドが立たず、〇〇の部分で自信満々に思いを述べることで、謙虚かつ大胆な自己主張に成功しているのである。

この言い回しの元となったのは、荒木飛呂彦氏のマンガ『ジョジョの奇妙な冒険』に出てくる台詞であるという説が有力である。第4部に登場するナルシストなキャラクター噴上裕也の放った言葉「おれってよ～っ、やっぱりカッコよくて……美しいよなあ～っ、ひかえめに言ってもミケランジェロの彫刻のようによぉ～ッ」がそれである。全く控えている様子はないが、日本人特有の謙虚さを感じる仕様となっている。